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HARD OFFと値札のつく人生【日記:2023/08/20】

先日八王子に行った時、HARD OFFを訪れた。
OFF HOUSEなどの関連店舗を複合する、とてもとても大きなお店。
全10フロアもあり、回るのに2時間もかかったが大満足だった。

個人的にHARD OFFやBOOK OFFのような、いわゆるリユースショップの雰囲気が結構好きだ。
多くの新品ショップにはない昔懐かしのアイテムや、流行りに逆行するようなニッチな商品群を見ることができるから。

店内を歩いていると、本当に何でもあるな、と感心する。
アンティーク家具からプロ棋士の家にしかないであろうオブジェ、パチスロ筐体まで。誰が売り、どうやって値付けをし、そして誰が買っていくのだろうか?
私にはよく分からないものがところ狭しと置かれており、想像力が掻き立てられる。

陳列されている物の中には、元々は非売品であろう品々もあった。

例えば、1999年に発売された「カードキャプターさくら」のアドベンチャーゲーム、その販促宣伝用と思われる一品とか。
導入)いわゆる、今で言うところのスタンディポップだが、キャラの形に切り抜かれていない作りに時代性を感じる。

価格はなんと5500円。
恐らく、店頭掲示用にゲームショップに無料で配られた物だろうが、随分出世したものだと思う。
時の流れが価値を風化させる一方で、こういうこともある。
なんだか私はほっこりとした気分になり、店を出た。

漫画喫茶を目指しながら、私は自分に去来した感情について考える。
どうして、HARD-OFFでほっこりとした気分になっているんだろうか?

多分だけどそれは、過去が評価される時がいつか来る、という証明がそこにあったように感じられたからだと思う。
それは今日の、そして昨日の私を肯定することに繋がるから。

生きていて、自分のしていることに徒労感や後悔を覚えることはあるけれど、そんな時はまたHARD OFFに行こうと思う。
忘れられ、埋没して消えたように見えた過去でも、いつか大きな価値を持つかもしれない、そう思うと勇気が湧いてくるような気がするから。
今日という平坦な一日に値札がつく日を夢見て、明日も頑張ろう。


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