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3つのタグ理論(VUCA時代を生き抜く)

3月もすでに24日。本格的に年度末な雰囲気です。当社は11月末決算なので関係ないのですが、世の中は月末に向けて突き進んでいます。コロナな影響もあり、4月以降の経済環境を見通せない状況になっています。僕の見立てだと終息は早くて夏ですね。

さて、今日は「3つのタグでVUCAの時代を生き抜く」というテーマで書いていこうと思います。最近はVUCAの時代と言われていますよね。あらゆる場所で様々な人が「VUCAな時代なんで~~」みたいに喋っています。何か答えのない時代の収まりのよい言葉みたいになっているような気もします。取りあえずVUCAって言っとけみたいな感じですね。

VUCA(ブーカ)とは、

・Volatility(変動性)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)

という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワードとして使われています。要は「未来はようわからん」という感じです。

ただ、昔から未来のことなんて正確にはわかっていなかったから、僕としては同じなんじゃないかと思っています。世の中の変化のスピードが上がっているのは分かるのですが、現役でビジネスをしている僕らからすると「こんなもんだよね」とも思っています。どれだけテクノロジーが変化したとしても、それを使う人が付いていけないと社会は変わらないと思っています。なので、結局のところ人の適応以上にテクノロジーも社会も変化しないというのが僕の見立てです。

ここで大事なポイントは「適応力」になります。
できるだけ未来の時代に早く「適応」した方がいいのですが、先ほどから述べているようにVUCAの時代なのでどう変化するのか読めないのが前提です。そうなると、世の中がどう変化するかわからない中で自分自身をアップデートしてく必要があります。

その為のキーワードが「3つのタグ」です。

タグを簡単に説明すると得意分野や専門分野のことです。例えば「僕は営業が得意です」とか、「私の専門はマーケティングです」みたいな感じですね。昔は1つのことをどれだけ突き詰めたかが評価の重要な物差しだったのですが、複雑性の増した現代では1つの専門領域だけでは解決できなくなってきています。

ましてや、自分の専門領域が今後も必要とされ続けるかが分からない時代です。営業という職種が世の中からなくなる、もしくは圧倒的に要らなくなる時代は来るかもしれません。現に営業マンの人数はここ数年で激減しています。時代の変化に対応するためにも自分が持っているタグ(得意分野)を複数持つ必要性が高まっているのです。


VUCAの時代だからこそ自分自身に「3つのタグ」を作ることの効用は高まっていると感じます。今だと「経営×デザイン×テクノロジー」の掛け合わせとかは魅力的だと思います。「グローバル×組織開発×データサイエンス」とかも希少性高いです。

タグをつくる上でよく10,000時間努力するみたいな話しがありますよね。
俗にいう「10,000時間の法則」というものです。

この「10,000時間の法則」はワシントン・ポストのニューヨーク支局長であったマルコム・グラッドウェル氏が2008年に出版した「天才!成功する人々の法則」が由来です。マルコム・グラッドウェル氏は、アンダース・エリクソン氏の研究をベースにある分野を極めた複数の「天才」を対象に、彼らが天才になるに至った理由を考察するというのが本の内容です。結論は至ってシンプルで、これらの天才たちに共通するのは「圧倒的な練習時間」です。

・天才は10,000時間トレーニングに費やしている
・10,000時間よりも短い時間で世界レベルに達した人はいない
・10,000時間を費やして世界レベルになれなかった人もいない

天才になるためには累計での練習時間が1万時間必要であり、1日90分の練習時間であれば20年かかることになります。マルコム・グラッドウェル氏は動画で、1万時間を成功への「分岐点」とも呼んでいます。

「天才!成功する人々の法則」出版以降「10,000時間の法則」はまたたく間に注目を集め、現在では人生のどの段階であろうと、スキルを習得したい人の決まり文句になっていると思います。

一方で、この「10,000時間の法則」の論理破綻について山口周さんが指摘していたりします。僕は山口周さんの意見に賛同していますが今日はスルーします。天才になるかどうかはともかく、僕は練習時間と習熟にはある一定の相関関係があると思っているので、その前提で話しを進めます。

これをビジネスに当てはめた時に、ある分野の仕事を1日10時間×240日=2,400時間こなしたとします。これを5年続けると12,000時間になります。特定の新しい分野でも5年ほど集中してこなすとある程度のレベルまで成長する可能性が高いという理屈です。(これ位の努力で天才は出現しないですよね)


話しを3つのタグに戻します。

自分のキャリア形成を考えた時に、戦略的にタグを増やす行動が必要だと思っています。そうなると将来を予測し、逆算した上で学ぶものを決めていく視点が重要になってきます。自分のキャリア形成とは、つまるところ自分自身の価値を上げていくことと同義です。価値を上げていく一番の近道は自らの「希少性」を高めることです。自分にしかない、自分にしかできない領域を持つことが重要になってきます。

例えば「英語が話せる」ことが日本で評価されるのは、まだまだ日本では「英語が話せる」人が少ないからです。要は英語が必要なニーズに対して「英語が話せる」の供給が足りていない状況が「希少性」がある状態と言えます。これも日本の学校教育が変わりほとんどの人が英語を操れるようになったり、AI等の進化で英語を話すことを代替えできる製品が開発されれば「英語を話せる」人の「希少性」は減少していきます。

1つの専門性で希少性を高めていくリスクと難易度の観点から「3つのタグ」を持つことが推奨されているのです。元リクルートで公立高校の校長になった藤原和博氏は3つの分野を掛け合わせることで「希少性」の高い人材になれると説明しています。

100人に1人という技を3つ掛け算しますと、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1になれるわけです。これで「100万分の1の希少性を獲得した」ということになるわけです。100万分の1の希少性というのは、だいたいオリンピックのメダリスト級です。 (中略) ただ、たった1つの分野で勝負して100万分の1人になろうとすると、99万9999人に勝たなきゃなりませんので、これはけっこう勝負としては不利、もしくは途中で屍になる確率が高いわけです。リスクが非常に高い。でも、3分野で100分の1というなら、なれる。


先ほどの例で言えば「英語が話せる」だけでなく、そこに「マーケティングの実績が豊富」や「アジア経済に精通している」という異なるタグあることで希少性は増します。「英語」×「マーケティング」×「アジア経済」のほうが遥かに必要とされる機会は増えそうです。

先述した「10,000時間の法則」を当てはまれば、天才にはなれないけれど100人に1人の人材には頑張ればなれるかもしれません。実際には100人に1人も結構ハードル高いですが・・・。天才よりハードルが低いことは間違いありません。

ここで大事なポイントは「希少性」です。(しつこいですが)
「希少性」の高い人が能力も高いわけではありません。
単純にその領域について他に詳しい人がいないだけかもしれません。


会社も個人も一緒ですが、将来を予測して自らをどこにポジションさせるかは、とても戦略的な問いだと思います。そして、有限な時間の中でどんな得意領域・専門領域を育てていくかで将来が決まります。

基本的に需要あるところ投資(ヒト・モノ・カネ)は集まります。
今、この瞬間は希少性があったとしても、あっと言う間に競争に晒されてしまいます。
自分を守るためには常に能力のアップデートをしていく必要がありますね。


いつの時代も「ユニーク」に勝る価値はないです。

こんにちは。最後までお読み頂きましてありがとうございます。このnoteは僕のつたない経営や、インナーブランディングを行う中でのつまづきや失敗からの学びです。少しでも何か皆様のお役に立てたら嬉しいです。サポートはより良い会社づくりのための社員に配るお菓子代に使わせていただきます!