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「事業を創る、ビジュアルファシリテーション会議」の作り方~グラグリ流、会議のための会議って?~

こんにちは。和田です。
グラグリッドでは、事業を創るビジュアルファシリテーションのご相談を多くいただきます。

・テストマーケティングを目指して、商品のコンセプトを策定したい
・経営会議で、事業の継続/ピボット/撤退の判断を行いたい
・社運のかかった、事業部横断での新プロジェクト。チームのビジョンを策定したい

…などなど、いずれも会議の成果が、クライアントの事業に直結するものばかり。ビジュアルファシリテーターは、会議の成果にコミットする、大事な役割です。

私たちはこうした「事業を創る、ビジュアルファシリテーション会議」を、チームで設計・計画しファシリテーションする際、計画の会議も、絵や図を用いて視覚化しながら進めています。
この記事では、その計画の会議の様子をご紹介したいと思います!

1.クライアントが得たい成果と、クライアントの組織状態・本当に求めていることを明らかにする

グラグリッドでは、ヒアリング段階からビジュアルファシリテーターが伺い、ヒアリング内容をリアルタイムで視覚化しています。
(まずこの段階で、驚かれることも多いです…!)

▼スケッチノートを使ったヒアリング
(形式:A4~A3サイズでのスケッチノート、ipad等)

スケッチノート

その描いたスケッチノートを、クライアントと一緒に指さしながら、さらにヒアリングを行っていけるのがいいところ!

▼ヒアリングのスケッチノートで行うこと
・「クライアントの目指したい成果、その理由」のヒアリング
・「クライアントの持つ課題」のヒアリング
・「クライアントの組織の状態」のヒアリング

など、依頼を取り巻く情報を深く伺います。

▼ヒアリング後の、プロジェクトサマリーを用いた分析
(形式:A4~A3サイズでのスケッチノート、ipad等)

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ヒアリング後、私たちは「クライアントが本当に求めていることってなんだったんだろう?」という分析を必ず行っています。

ビジュアルファシリテーターが描いたスケッチノートを俯瞰して読み解いて、プロジェクトサマリーのシートに記入していきます。
この段階で、依頼の本当の目的や、どんな未来を長期的に目指したいと考えているかなど、私たちなりに捉えなおします。

「クライアントは『会議でアイディエーションのグラレコをしてほしい』といっていたけど。実はビジュアルファシリテーションに求めている価値は、多様な人がいるグローバルチームのチームビルディングだった!」

「クライアントは『ターゲットを決めたい』と言ってたけど。会議の次のプロセスが、市場検証って言ってたね。」
「だとしたら、商品の体験価値と、体験価値を実現するための要件提示も必要だよね。」

プロジェクトサマリーをもとにディスカッションすることで。
クライアントの依頼内容と、クライアントにとって本当に必要なことのずれも見えてきます。

▼プロジェクトサマリーを用いた分析で行うこと
・クライアントの依頼内容と、クライアントにとって本当に必要なことのずれを見つける
・クライアントにとって本当に必要な、価値ある提案事項(関わり方)を見定める

こうしたヒアリングをもとに、提案書を作成。
クライアントと一緒に、本当に目指したいゴールをすりあわせます。
合意できたら、会議の計画へ入っていきます。

2.会議計画スタート!プロセスと、プロセスでの途中成果物を決める(プロセス策定)

会議で目指したい成果が合意できたので。
ここからは、会議前の状態から、会議後の理想の状態を目指して、「何を考える必要があるか?」を考えていきます。

▼会議プロセスデザインボード 
(形式:ホワイトボード、模造紙、壁面に用紙をはりつける等)

プロセス策定

基本的には、最終成果物を目指して、「考える必要があること」を分割して、プロセスをつくっていきます。
「プロセスの最初はどんな状態で、何から捉え始めると、参加者の人がエンジンをかけやすいか」「ここから次にどんなプロセスだと、しっくりくるか」という順算で考えたり、「成果から逆算したら、この考え方で大丈夫?」など逆算で考えたり。

概ねプロセスが見えたら(=会議のアジェンダが見えたら)、クライアントが、アウトプットを見て「これがあるからこそ、意思決定できるよね」といえる成果物や、途中成果物のイメージ(絵や図)を描きます。

この成果物こそが、クライアントが次の活動に活かす道具となるので。
クライアントの活動のプロセス全体も把握する必要がありますし、大事にしたいこと/そうでないことも、把握したうえで検討する必要があります。

そうやって成果物イメージを描いて検討してゆくと。
必要な要件も、おおむね見えてきます。

▼プロセス策定で行うこと
・最終成果物を目指した、「考える必要があること」の分割
・意思決定できる成果物や、途中成果物のイメージを描き、必要な要件を定める

3.会議シナリオを作成して、ブラッシュアップ!

ここからは。一回策定したプロセスをベースに、「会議の状態」をシナリオ形式で描いていきます!

▼会議シナリオ
(形式:壁や模造紙、ホワイトボード+A4用紙+ふせん)

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プロセス

ずらっと会議のプロセスが一覧化されていきます。
このとき、実は一気に以下のことを考えていきます。

【各ステップごとの「状態」】
・ステップごとの、大事な問い
・視覚化の方法(議論を促すための適切な図等のフォーマット、決定事項を示す適切なフォーマットなど)
・ファシリテーションするポイント
・ビジュアルファシリテーションの役割分担
・議論をする人数、形式
・必要な時間
・使う道具、紙のサイズ
・場の中の、どこでビジュアライズするか(机に模造紙をおいてか、ホワイトボードか、部屋の前方ホワイトボードを使うか、等)

【プロセスの「状態」】
・各ステップの議論と途中成果物は最終成果物につながるか?
・参加者が詰まりそうなところ、しんどくなりそうなところはどこか?
・全体の時間と折り合いをつける必要があるか?
・参加者の移動はどの程度発生するか?

シナリオのグラフィックを用いることで。
会議のシミュレーションと議論、同時にビジュアルファシリテーター同士の認識すりあわせを、精度高く行うことができるのです。
(この精度の高さが、実際の会議での共同ファシリテーションに非常にいきてきます!)

会議風景

壁に向かって、各ステップの詳細を見たり、全体を俯瞰して見たり。
詳細と全体を行き来しながら、会議のシナリオを検討し、ブラッシュアップしていきます。

▼会議シナリオ作成で行うこと
・各ステップの「会議の状態」を描く
・各ステップの詳細と、全体を俯瞰して見ながら、会議の進行を議論し、全体の流れをつくっていく
・ビジュアルファシリテーター同士の認識すりあわせ、役割分担

4.クライアントと一緒に、さらにブラッシュアップ→プロセスの言語化

こうして策定したシナリオを、グラグリッドでは紙をそのままクライアント先へもっていきます。
そして、クライアントの会議室で、シナリオを貼りだし、ディスカッション開始!
(クライアントへは、「ホワイトボードがあるか、紙を貼れる会議室を用意してください!」というお願いをよくしています♡)

クライアントの求める成果とあっているか、実は心配な点がないか、必要な役割分担や備品が何か等、一緒にシナリオを見ながら話し合うことで。
クライアントとも、会議の成功へ向けて、より深く話し合うことができます。

プロセス2

※シナリオ的に検証することで。
「議論するテーブルが分かれるなら、同じ部署の人をわけたほうがディスカッションがはかどりますね。Aテーブルには〇〇さん、Bテーブルには△△さん。」というような、クライアントが持っている、成果を生み出すために大事な情報も引き出しやすくなります!

ここで合意したシナリオをベースに。
グラグリッドでは、さらに「ワークショップデザインシート」を用いて、このシナリオを言語化したものも、必要に応じて用意しています。
絵のシナリオと併せて、クライアントや一緒にファシリテーションするメンバーと、最終的な1日の流れをより確認し、すりあわせしやすくなります。

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▼クライアントとの会議シナリオブラッシュアップ→言語化で行うこと
・クライアントとの認識すりあわせ、役割分担
・ワークショップデザインシートで、実施内容や時間、ファシリテーションポイント、環境・備品を言語化。プロジェクトメンバーで合意する。

おまけ:「考える空間」もデザインするよ!

グラグリッドが参加する会議は、会社の会議室以外のことも多いです。
そんな時に、「こういう成果を生み出すために、こういう空間が必要です!」というお願いもあわせて行っています。

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※この例は、グラグリッド社内でのとある会議の例です。

この空間を描くことで。
必要な備品や物品を洗い出して、準備をしっかり進めることができます!

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クリエイティブな成果を生み出す会議を生み出すために。
会議を生み出す時間も、とても楽しく、精度高く、実りあるものにしたい
なと私たちは考えています。

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↑毎回、楽しいしかけで、会議をつくる会議を進めていきますよ~!

(和田)

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