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自分が自分のままでいられる社会をつくりたい〜NEWメンバー 黒木がJoin!〜

活動の広がりとともに、採用活動にも力を入れているグラグリッド。
2023年1月から、新メンバーとして黒木歩(くろき あゆみ)さんジョインしました!
これからクリエイティブファシリテーターとして、共創の場づくりや組織づくりの場で活躍していきます。

美術教育という異業種からデザインの世界へ飛び込んできた
黒木さん。
とても個性的な黒木さんのバックボーンや、これからチャレンジしていきたいことなど、お話を伺いました。

その人がその人らしくいられるために、
歩みたい未来を掴むきっかけをつくりたい

自身が感じた違和感がきっかけで、目指した美術教育の道

― 黒木さんは美術教育を学んできたとお聞きしました。教員を目指そうと思ったきっかけを教えてください

黒木:もともと絵を描くことは好きでした。
デッサンの授業で絵を描いた時、楽しく取り組めたし、自分では『いいものが描けた!』と思ったんです。
でも、講評ではパースが取れている作品が評価され、選ばれていました。その時に「なぜだ!?」と思いました。今思うと、デザインの授業なので当たり前なのですが(笑)。

この出来事がきっかけで、評価する・されることへの違和感を感じ『美術教育ってなんだろう?』と、美術教育を学びたいと思い大学へ進学しました。

大学生の頃は、美術の先生になりたいと思っていましたが、教育実習で「なんか違うな」って感じたんです。

生徒たちが一生懸命、授業に取り組んでくれているので、全員に5をあげたかった。
でも、なかなかそういうわけにもいかず…。私には、生徒に「数値という結果だけ」をわたす勇気がありませんでした。

数値を評価の軸にするとしても、児童や生徒のことをよく観察して、評価の理由は直接、話して伝えるのが理想かもしれないと思いました。
しかし、当時の学校のスピード感を体験した時、自分が理想的な評価をしていくイメージができませんでした。
自分が評価をする立場になって、評価する難しさや、評価することへの違和感を感じ、先生になる道は選びませんでした。

― なるほど。そうだったんですね。
 グラグリッドに来る前の前職では、どんなお仕事をされていたんですか?


黒木:グラグリッドに入社する前は、公共の教育施設(適応指導教室※)で施設の環境整備や、子どもたちの居場所づくりに携わってきました。
私が所属していた適応指導教室はちょっと変わっていて、学校に戻ることを目的とせず、指導員と子どもたちが協力して、自分と他者の「居場所をつくること」を目的としていました。

※適応指導教室:市町村の教育委員会が、長期欠席をしている不登校の小中学生を対象に、学籍のある学校とは別に、市町村の公的な施設で基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善を試みる。一般的には学校復帰を目的とする。

自然豊かな施設

東京学芸大学内にある施設なのですが、学内は自然が豊かなため、廃材を集めてきて看板や遊び道具をつくっちゃうんです。
ほかにも、絵を描きながら人と話たりする子、プログラミングが得意でゲームをつくる子もいたり。

クリエイティブな子が多く、学校教育に限らず数値で評価しづらいけど、素晴らしい能力を持っている子がたくさんいるんです。

子どもたちが「わがままに振るまう」のではなく、「どうしたら共生していけるか」を指導員と子どもたち、その周囲の方々と模索していました。
日々刺激を受けていましたね。

適応指導教室には、さまざまな理由で学校に行けない・行かない子どもたちが訪れます。

人との交流が苦手な子、挨拶や感謝を伝えることが苦手な子、相手が今どんなことを考えているのかを読み取ることが苦手な子。通室が定着している子たちに加え、毎日のように新規の子が施設に訪れていました。

いろんな子がいて、みんながお互いに関われるようになってもらいたくて、ゲームやインプロ(即興演劇)を通した場づくりもしてきました。
子どもたちと一緒に、即興で「今まで生きてきて、対応に悩んだ時の状況」や「理想の世界」を演じてつくっていきます。演じながら、どうしたら良かったか?どうしたいか?を一緒に試したり、考えたりしていましたね。

即興で演じている様子

丸裸になる怖さがあるけれど、
のめり込んでいったインプロ(即興演劇)の世界

― インプロに興味を持ったのは、どんなきっかけがあったんですか?

黒木:高校を卒業したての春休みに、インプロ(即興演劇)のワークショップに参加したことがきっかけで今も続けています。大学でも友人たちとインプロサークルを設立して、本を読んで勉強したり、ゲームやフォーマットを試したり。大学祭でインプロショーをやったりしていました。

インプロの舞台に立つ黒木

もともと演劇に興味があったけど、台本がある演劇はセリフを覚えるのは大変だし、人前で話すのはとても苦手。なので、私には台本のないインプロ(即興演劇)がマッチしました。

ただ、ここに落とし穴があって(笑)。人前で話すことが苦手なのに、即興で物語をつくることによって、普段話すよりも「私」が出ちゃう。丸裸のような状態で舞台の上に立つ感覚になるんです。

たとえば、台本どおりに主人公が毎回、同じように演じる演劇はつまらない。だから、インプロのような即興の場でも、都度、変化するようなものが求められる。
これが怖いんです!自分を変えることって怖いじゃないですか(笑)。舞台は幻想というか、仮の場所だけど、どこか現実をシュミレーションしているような感じがします。だから楽しい、けれど怖い。

仮の場所だけど、練習すれば、現実でもうまくいくかもしれない。
演じるなかで、自分の心と向き合うことができるのかもしれない。
見たい未来や歩みたい人生をつかむきっかけになるかもしれない。
誰かのために、自分のためにインプロを使っていきたいと思うようになりました。

「人との関わりを生むため」のグラフィックレコーディング

― インプロの他にも、グラフィックレコーディングを実践されていますが、黒木さんにとってのグラフィックレコーディングとはどのようなものですか?

黒木:感じたことを言葉にしてみようとしても、世の中にある言葉と、自分の感覚が100%一致していないと感じることがあります。一般化すると消えてしまうような何かや、見聞きしたことを絵にすると、抽象度も高くなります。なので、形になっていないものも拾えるかもしれない。

それに、文字では理解できなかったことも絵にすると、理解できるんです。記号同士がつながって意味になる。そのプロセスを追うとストーリーが見えて内容がわかっていくような感じです。最初は自分のために描いていましたね。

大学へ進学し、私のメモを見た友人から「グラレコっぽいね」と言われて、初めてグラフィックレコーディングの存在を知りました。もともと人と関わることが好きだったこともあり、「グラレコがあれば描きながら人と関わることができるし、一緒に何かをつくれるんだ!」と思うようになりました。

「私は私のままでいられるかもしれない」
自分の個性と特性が活きる場所へ

― グラグリッド以外にも場づくりや、ワークショップ、ファシリテーションが得意な会社がありますが、なぜグラグリッドを選んだのでしょうか?

黒木さん:選んだ理由は大きく3つあります。

1つめは、グラレコとインプロは絶対にやりたかったんです。
転職活動で調べたときにワークショップを扱う会社はあるけど、グラレコとワークショップの両方を扱う会社は見つからなかったんです。
でも、どうしても2つとも譲れなくて。調べたらたまたまグラグリッドを見つけました。
面接で三澤さんと尾形さんがインプロに興味を持ってくださって、ここならグラレコ、インプロ、ワークショップの3つともやらせてもらえるかもしれない!と思いました。

2つめは、グラグリッドのWebサイトにある「わたしたちについて」のページにあるグラグリッドが大切にしていること」がすごく響きました。他社は「現時点での、あなたの技術を買います」というスタンスの会社が多いという印象でしたが、グラグリッドは異なるように見えました。

「楽しむことに知恵を使おう」「あなたと私ではなく、私たちになろう」「異なる領域から学びを得よう」「個性を活かしてチームを活かそう」「つくりながら考えよう」という言葉を見た時、私が私でいていいような気がしたんです。

加えて、いま持っている能力だけでなく、変化していく人の可能性に期待を置かれているのかなと思いました。それが新鮮でした。未来の自分に期待してくれたら嬉しい。私が私のまま、興味のあることに取り組んでいても、一緒に働いていけるかもしれない!と思い、グラグリッドを選びました。

グラグリッドWebサイト「わたしたちについて」より

3つめは、仲間が欲しかったからです。
前職は一人で取り組むことが多く、自分ひとりでできることの能力に限界を感じ、このままだと新しいステップにいけないと感じていました。
理想のコミュニティや社会像はあるけれど、達成した時やプロセスの情景をイメージすると、可視化の共通言語や感覚を持った仲間が必要だと思いました。

同じ方向を向いて歩める人たちがいれば一緒に挑戦できますし、何かの危機に遭遇しても、助け合いながら波を一緒に乗り越えて行ける。見えなかったことも、見えてくるかもしれないと思いました。

― 他にも、グラグリッドを魅力的に感じたことはありましたか?

黒木:みなさんに会ったときに、家族のように仲が良いけど、お互いにリスペクトを持って関わっている人たちだと感じました。無理をしていない感じ、ですね。

入社1日目に会社用パソコンを支給された時、カバンに入らなくて私が困っていたんです。そしたら、全員がすぐに立ち上がって、パソコンが入る袋を探してくれて「この袋なら持ち帰れるんじゃない?」「いや、こっちのほうがいいよ!」ってみんなが動いてくれたんですよ(笑)。

私がパソコンを持ち帰る袋一枚のためだけに、みんなが意見を出し合って、考えてくれたのがとても嬉しかったんです。なんて利他的な人たちなんだろうと思いました。

一緒に可能性を見つけ、変化していける世界をつくりたい

― グラグリッドで働いたら「自分がやりたいこともできそうだ」とお話していましたが、どんなことでしょうか?

黒木:インプロですね。採用面接でインプロやりたいって言い続けてました(笑)。まだフワッとしたイメージでしかないのですが…。インプロと絵の力を使って、組織や会社、社会を変えていけるようになりたいです。

何かをつくるときや表現をする時って、「自分には創造力がないからできない」と阻害してしまう気持ちって、みなさんお持ちだと思います。私にもあります。

「こうじゃなきゃいけない」とか「ルールありき」という考えが、自分の選択肢や視野を狭めてしまいます。
誰かが「なんかこのままじゃ嫌だな、変わりたいな」って思ったときに、共に変えていけるきっかけや、場を私がつくれたら嬉しいなって思います。

「自分にはできない」と思っていたことを試しにやってみたら、案外できちゃった!みたいな。失敗したけど、そこまで傷は深くなかったからもう一回試してみようかなって思った経験ありませんか?それをたくさんつくっていきたいです。ただ、これは一人でやるのは大変です。

周りの人が応援したり、その人ができるって信じて仕事を託していける仲間が必要だと思います。
その人が最初の一歩を踏み出しやすく周りがデザインすると、本人は楽しみながらポンポンできるような気がしています。

人と環境が時代に合わせて変化していける生き方を、お互いにつくりあえる社会をつくりたい。たくさん試して、失敗しても、可能性のある選択肢を見つけることができれば、もっと楽しく生きていけると思うんです。

― 黒木さん、たくさんお話いただきありがとうございました!

新メンバー黒木さんがどんな人か、見えてきましたでしょうか?黒木さんがジョインしてくれたことで、今までになかった知識や、スキル、活動の幅がぐっと広がっていきそうだと感じています。

黒木さん、よろしくお願いします!



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