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寄居町の空き家を拠点にした、これからはじめるコ・デザインの取り組みをご紹介!

デザインすることをみんなの手に
これは、専修大学上平崇仁先生の著書「コ・デザイン」のタイトルになっている言葉です。

コ・デザインとは、デザイナーや限られた人々によってだけではなく、実際の利用者や利害関係者たちと積極的にかかわりあいながらデザインを進めていく取り組みのこと。
「コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に」(p.88)

私たちグラグリッドは、企業や組織でのビジョン創造やサービス開発の現場で、関係者の皆様との関わり合いながら多くのプロジェクトを進めています。

それらのプロジェクトにおいて、コ・デザインは私たちにとって大切な考え方・アプローチです。そこで、グラグリッドも関わってこれから始めようとしているコ・デザインの取り組みの一つをご紹介します。

空き家を拠点にしよう!

埼玉県大里郡寄居町。埼玉県の北西部に位置する豊かな自然と歴史を有する町です。

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中間平(寄居町)から町を一望

この地に、グラグリッドと以前から建築コンペなどに共同で参加して親交のあった、つばめ舎建築設計の根岸さんが二拠点居住地として、一軒の空き家を借りました。

根岸さんとこれからの活動に向けた話をしていく中で、その空き家を一緒に運営していこうという流れに!

場所は駅から徒歩5分の中心市街地。昔はタバコ屋さんとして営業されていましたが、ここ30年ほどは使われていない空き家状態でした。

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元タバコやだった空き家の外観

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内部は荷物であふれていた

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木と雑草が生い茂っていた庭

拠点としての活用に向けた大掃除

まずは、その家の中にある大量の荷物の整理と給湯設備の改修、立派な庭に生い茂っていた雑草を刈り取りを進めていき、昭和を感じる心地よい居場所になってきました(作業は、ほぼ根岸さん)。

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木を手ノコで伐採

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整理された本棚

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今後、タバコ屋部分のリノベーションも計画中。
つばめ舎建築設計の建築的視点を詰め込み、町にひらかれた拠点として相応しいスペースに、これから生まれ変わる予定です。

拠点に人が集まってきた

そんな作業と並行して、拠点のもとに地域おこし協力隊の方々、商工会の皆さま、町の事業者の方々、建築士仲間など町で様々な活動をされている方々が集まるようになってきました

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皆さんとの会話は、町をどう面白くしていくかという話題が多く、あんなことやこんなことができるといいなと、妄想が膨らむ問いがいくつも生まれています。

「町にどんなお土産があったらいい?」
「楽しくまち歩きができるスタイルとは?」
「町の人が運営できるカフェを拠点でやるには?」

他愛もない会話ですが、この問いが生まれる背景には、町が抱えている課題も見えたり。
これもなにかの機会と捉えて、始めてみることが大事だと思っています。

なにかの機会を利用して、できるだけ「小さく」始めてみる
「コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に」(p.140)

「小さく」始めてみる:歴史的建造物の再生

そこで、早速動き出した取り組み。昭和7(1932)年竣工の風情ある建物。
かつては旅館として使われていたとのこと。

営業を終了し、約30年くらい使われていない状態が続いていたこの建物は、老朽化が進んでいる状態。しかし、取り壊すにはもったいない。
そこを何とかしよう、と有志のメンバーが立ち上がりました。


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草刈り中の様子

第一歩としてはじめたのは、雑草と竹に覆われて鬱蒼としていた建物の周囲の草刈り。

みんなで草刈りすること2日間。時が止まっていたように感じられた館に、太陽の光が差し込み「建物が生き返ったようだ」とメンバーで作業の達成感を味わいました。

さて、これから、ここをどんな場にするか?
まさに創造性が求められるところ。
これからみんなでプロジェクト化していこう!となっています。

創造性を発揮するために、パートナーと共に!

コ・デザインではデザインの仲間のことをパートナーと呼んでいます。

パートナーは、最初から存在するわけではありません。プロジェクトを通して長期的に信頼関係を深め、コミュニティの中でパートナーとなっていく「コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に」(p.154)

寄居の拠点では、これまでを通して何が起こるかわからないが、何かを起こせそうな方々との関係性が何か新しいことをしようとする原動力になっているとも感じます。

真のパートナーとして関係性をつくるためにも、すでに妄想から生まれているテーマをプロジェクトとして実施していき、楽しくおもしろい活動を展開していきたいです。

「つくる」と「つかう」が混じりあい、流動性がある状況であることがポイント
「コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に」(p.180)

現状、拠点での活動では、まだ何事もなしてはいないのですが、流動性のある状況はできつつあると思います。ここから何が生まれるか、またタイミングをみて活動を紹介してまいります。
(尾形)


参考文献


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