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「ファン」が生まれる事業とは?7つの事例で要素を考察

こんにちは。とあるメガベンチャーでとある新サービスのアプリマーケティング責任者をしているサイトウといいます。

今回は、「ファン」が生まれている事業について、考察をしていきたいと思っています。

・SNSマーケを担当している方
・新規ユーザーの獲得施策だけでなく、既存ユーザー向けの施策をしなくては…と思っている方
・そもそも「ファンマーケティング」に興味のある方

にはぜひ読んでいただきたい記事です。

そもそもなぜ「ファン化」が大事なのか?

1)少数のファンが売り上げの大半を支えているという事実
いわゆる「2:8の法則」と言われるものです。どんなサービスも、2割のユーザーが8割の売上を生み出していると言われており、この「2割」のユーザーにマーケティング施策をしっかり行っていくことは非常に重要です。

2)時代背景
①世の中に情報も商品もエンタメもあふれかえりすぎていてキャンペーンがとても届きにくくなっている
②人口急減により顧客自体が物理的に減り続けている
③超高齢化や少子化、独身増加などを背景に、新規顧客の獲得の難易度が上がっている
④「超成熟市場」であり、消費者がモノを買う時に選択肢が多すぎる
このように、新規顧客が減っているのに情報はリーチしにくい、という非常に厳しい時代背景があるので、改めて「ファン化」が今注目されています。

3)ファンはファンを産んでくれるという事実
いわゆる「口コミ」です。
企業から一方的に送り付ける広告と違って、信頼できる友人や類友からの言葉はアテンションもCVRも段違いなので、既存ユーザーのロイヤリティを深め、ひいては口コミをしてくれるように育てるマーケティングは注目されています。TwitterやInstagramなどのSNSの台頭も踏まえて、なおさらこの動きは加速しているように見えます。

上記を背景に、今「ファン化」の重要性は高まっており、「ファンマーケティング」の注目度が近年急激にあがっているようです。

ちなみに上記の内容は、下記『ファンベース』という名著にも詳しく書かれています。ファンマーケティングをする上では絶対に外せない1冊なので、興味を持った方はポチって損はないです。(ここでも口コミが発生w)

「ファン化」に必要な要素とは?

さて本題です。個人的に様々な企業の分析を行った結果、「ファン化」に成功している企業に共通してみられる項目には下記のものがありました。

①ユーザの期待値以上のサービスを行っている
②会話がうまれる要素がある
③ストーリーがある
④ユーザー同士が繋がりやすい環境、新規顧客を誘いやすい環境が作られている
⑤ファンであることに自信がもてる、公言できる

事例も踏まえて順番に解説していきます。

①ユーザの期待値以上のサービスを行っている

「広島カープ」の事例で説明させていただこうと思います。
2014年5月10日に実施され話題になった「関東カープ女子観戦ツアー」をご存知でしょうか?

「カープ女子」という名前は聞き馴染みがある言葉だと思いますが、本施策は「関東に住むカープ女子」を対象とした施策です。
東京‐広島間の往復新幹線代の概算500万円を球団が全額負担して行われた超太っ腹なイベントであり、これだけでもスゴいのに、

・試合前には彼女たちが陣取るパーティーベランダ席に、サプライズゲストとしてOBの前田智徳氏が登場。
・中国新聞の協力のもと、前田氏との集合写真をレイアウトした特別号外のプレゼント。
・資生堂の協力のもと、観戦しながらのネイル教室の開催。ネイルカラーはもちろん「カープレッド」!
・締めくくりにはエース・マエケンがヒーローインタビューで彼女たちの話を。

これだけのサービスを提供。彼女たちの感動は言うまでもなく、文字通り「一生の思い出」になるイベントになったそうです。

このように、「ユーザーの期待を超える」施策はファン化のために非常に重要です。

②会話がうまれる要素がある

Appleの事例で説明させていただければと思います。
Appleの新型製品が販売された当日のAppleショップの大行列をニュースなどで目にした方も少なくないのでしょうか?
Appleは徹底した秘密主義によって製品発表会まで製品の詳細をほとんど明らかにしないため、ファンの間で「噂」が飛び交います。中にはデマ情報なども数多く発生するのですが、様々な憶測が繰り返し流れメディアにも紹介されることにより、「興奮・熱狂」が生まれていきます。その集大成が発売当日の大行列であり、購入した後の顧客の興奮につながっているのです。

これは「ハングリーマーケティング」とも言われるようですが、人という生き物は、あるものについて話せば話すほど愛着が湧いてくるもの。

今のは一例ですが、それ以外も個人的には、会話が生まれる要素とは、

・ツッコミどころ、ネタ性がある
・「余白」が多く、ユーザーが妄想できる
・新規の情報を一部だけ投下していく
・たえず変化している

などもあるなと思っています。
ディズニーランドの「隠れミッキー」などもその一つですね。

情報一つ出すときも、「会話が生まれるか?」を意識するだけでも結果は大きく変わってくると思うので、ぜひ意識してみてください!

③ストーリーがある

あの超有名Youtuberのヒカキンさんが過去苦労人だった話をご存知でしょうか?

今でこそ月収1億円弱とすら噂されるヒカキンさんですが、かつては家賃2万円のアパートに住みながらスーパーでアルバイトをし、ココアの粉と見切り品の食パンで作った「ココア食パン」を食べていたといいます。

商品や、もしくはその作り手でも、「ストーリー」を感じると人は愛着を持ちます。

無機質なプロモーションだけではなく、「ストーリー」を纏わせた、人肌を感じるようなプロモーションをすることでファンは生まれてくるはずです。

Appleのジョブズにファンが多いのも同じ理屈ですね。

④ユーザー同士が繋がりやすい環境、新規顧客を誘いやすい環境が作られている

よなよなエールの「超宴」というイベントをご存知でしょうか?
ヤッホーブルーイングのスタッフほぼ総出で行われる本イベントは、おなじみの「水曜日のネコ」、「僕ビール、君ビール。」、「インドの青鬼」などのほか、限定ビールがすべて「樽」で提供され、かつビール以外も様々なイベントが催される、よなよなエールファンの宴です。

ファン同士が繋がる場を提供することで、よりファン化を促進しようとしている、という訳です。

また先ほども紹介した広島カープの本拠地『マツダスタジアム』は、野球好きじゃなくても楽しめる仕掛けが満載です。
ご当地の食べ物が食べられたり、女性向けにスイーツの販売があったり、野球を良く知らなくても応援で皆で盛り上がったり…。

人に何かを勧めると、自分自身も言語化によって整理され、よりファン化が進んだ経験を、皆さんも1度や2度はあるのではないでしょうか?

ファンとファンがつながり、人を誘いたくなるような設計づくりは、ファン化にとって非常に重要です。

⑤ファンであることに自信がもてる、公言できる

最後は、「ファン化」が加速するための条件です。

誰しも、自分のハマっているサービスがマイナーなものだと不安感を感じるものです。

ですが、もし自分のハマっているサービスが下記のような状況だったらどうでしょう?

・Twitterが活性化していてよくトレンド入りしている
・TVで紹介されている
・インフルエンサーが紹介している
・有名企業とコラボをしている
・社会に貢献している

スターバックスは地域のコミュニティにより根ざすために、従業員の自主的な地域社会活動を支援するプログラムを設けているそうです。

自分がハマっているサービスが、話題になっていてかつ信頼できるサービスであれば、より誇らしくなり、愛着が湧きますよね。

僕は、TVCMを打つこともその一つだと考えています。
「TVCMを打つほど流行っているサービスなんだ!」と思うことは、自分がファンであることに自信が持てる非常に有効な手段だと思います。

ぜひ、自分のサービスは、ファンがファンであることを誇らしく思えているか?を一度考えてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?(長文大変失礼しました)

「ファンマーケティング」はこれからより一層重要になってくる分野だと思うので、ぜひ一度、今回ご紹介した5つの要素を自社のサービスが満たせているか、を考えてみてくださいね!

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参考文献


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