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マイ村キャンプ レポート

郡上ロボットクラブはセブンシーズの主催するマイ村キャンプを応援しています。
大人から与えられた範囲で物事をこなすのではなく、自らの力で進む子どもたちを育てる。これはロボットクラブの狙いとする精神と同じだからです。

マイ村キャンプはセブンシーズが主催するキャンプイベントです。セブンシーズは今年(2021年)の4月に結成されたばかり。今回、第1回のキャンプが終了しました。
キャンプと言うと、自主性を大事にすると言っているキャンプだとしても、当日集まった仲間たちと基本は大人の用意したプログラムに従って活動するものと思っていましたが、このキャンプはその常識を大きく覆しました。
事前の3回のオンラインミーティングにて、なんと、キャンプの活動内容をどうするかから子どもたちに任せてしまったのです。さらには、キャンプ地は水道などの整ったキャンプ場ではなく、ただ草刈りがされただけの山。つまり生活するための用意は何も整っていません。そこで3日間で子どもたちは何を作り出すのか。

事前のキャンプ場の下見で現地にはなにもないことを理解した子どもたち。3回の事前オンラインミーティングで子どもたちは自発的にやりたいことを決め、3つのグループに別れました。食事を担当する「食事班」、生活改善に取り組む「生活班」、休憩する場所を作る、「遊び・癒やし班」です。
食事班は、必要な食材を考え、スタッフに食材の調達を依頼し、当日の調理を担当しました。生活班は、川に架ける橋、足場の悪いところに作る階段、汗を流す風呂を用意するため、工具やドラム缶をスタッフに依頼し、当日は時間を惜しんで作業に取り組みました。遊び・癒やし班は、事前に用意した材料で木にハンモックをかけ、生物を捕まえて鑑賞できるようにし、癒やしの空間を作り上げました。

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子どもたちが不便な生活に不満を漏らすのではないかとの不安をよそに、彼らはお互いのグループのやることに敬意をはらい、いままでありがたみすら気づいていなかった普段の生活における様々なものが、いかに自分たちの生活を支えているものだったのかを知ったようです。これを彼らが知るというのはスタッフがもともと期待していたものではなく、「自分たちで考えて動く」を実践した副作用であり、事後の保護者からの報告で知ったものです。

例えば、食事班を担当した子からお母さんに「いつも食事の事を考えていた。ずっと時間を気にしていた。ママはいつもこうなんだね。」という言葉があったそうです。

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私はインドア派なので、キャンプは自分の専門ではないことから、「人に用意してもらうもの」という感覚がありました。要はサービスを受けるつもりで参加するのです。その場合、内容に不満があると自分ではなく提供者に向きます。食事が足りない、とかトイレが汚い、などです。でも、キャンプ場はだいたいそんなものです。そして、それを何とかすることはできないのでストレスが溜まります。それが自分の村、自分のキャンプだとするとどう思うでしょうか。不満があれば自分や仲間に向けられます。解決したければ自分たちでなんとかするしかありません。自分でやるのか諦めるのか判断するためストレスにはなりません。今回のキャンプでは子どもたち含めてその気持ちの転換があったような気がします。子どもたちは不便や問題を自分ごととして、自分からすすんで解決していったのです。これには、私がびっくりしてしまいました。

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ロボットクラブにも参加しているメンバーでこのキャンプに参加した一人は、水力発電をしてみたいと言い、キャンプ前に自転車の発電機を使って「発電機付き水車」を制作して持ち込み、キャンプ場に明かりを灯しました。これには子どもたちだけではなく大人もびっくりしていました。身近なものを使ってやればできる、でもやったことがない、だから分からない。でも、もしそれに挑戦できたとしたら、成功しても失敗しても得るものは大きいはずです。そのモチベーションを作り出してくれたこのキャンプという機会に感謝です。彼のとても大事な経験の一つになったと思います。

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他にも環境さえあれば、子どもたちはここまでできるんだ、という光景をいくつも見ました。この「子どもたちが活動する環境を整える」ことはまさに私がロボットクラブでやろうとしていることでもあるのですが、そのスケールアップ版、キャンプバージョンでした。これには非常に刺激を受け、やってよかったなと思いました。

今後も子どもたちのため、セブンシーズはマイ村キャンプのような活動を企画していきます。皆様も是非応援してください。

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セブンシーズ

マイ村キャンプ






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