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【KuToo靴から考える本気のフェミニズム】フェミニズムで学ぶ日本の病理とは?

サクッと読めてとても勉強になるおススメの1冊!

「#KuToo靴から考える本気のフェミニズム」(現代書館、石川優実さん著)

☆本書の構成と特徴

本書は全部で3つのパートから成ります。

第1パートは、石川優実さんのブログの記事「#MeToo→#KuToo」を大幅に加筆修正した文章と、その後の石川優実さんの想いが綴られています。

「#KuToo」についてだけでなく、高校時代のバイトやグラビアのお仕事で受けたセクハラの数々も赤裸々に描かれています。

いえ、セクハラという言葉は生ぬるい。性暴力、犯罪です。

サラッと書かれていますが、こうしたことを世間に告白するのはとても勇気がいることと拝察致しますし、芸能界にいまだセクハラや性暴力が蔓延っている現実に改めて怒りを覚えます。

第2パートは、石川優実さんのTwitterに実際につけられた「クソリプ」(クソみたいなリプライ、の略。Twitterの返信機能を使って、見当はずれな内容や中傷的な言葉を投稿すること、及びその投稿)の数々が引用され、それらに対する石川優実さんの見解がまとめられています。

ある意味で本書の最も特徴的な部分かと思います。

※ちなみにAmazonの書評などで文句言っている人が多いのですが、「引用」は著作権法も認める正当な表現行為です。

そして最後の第3パートは、有識者との対談と、対談後の石川優実さんの所感が書かれています。

ここでは、法令により企業が負う「安全配慮義務」と#KuTooの関係など、理論的なことも学ぶことができます。

全体で224ページで、文章量もそれほど多くなく、あまり構えずにフェミニズムについて大切なことを学ぶことができるおススメの1冊となっております。

☆老若男女問わず読んでほしい

本書は、何よりもまず女性、特に若い女性に読んでほしいです。

とても残念なことですが、巧妙に性的搾取をする構造がわが国には現存します。芸能界に限った話ではありません。

自身の身を守るためにも、理論を勉強するためにも、そしておかしいと思ったことに声を上げる方法を知るためにも、石川優実さんの身に実際に起こったことを知ることは大きな意味があります。

そして、女性だけでなく男性にもぜひ読んでほしいです。

本書第1パートの結びで、石川優実さんは2ページ以上にわたって男性に向けたメッセージを書き、フェミニズム運動に男性が参加することの重要性を訴えています。

ジェンダーギャップ指数が世界で121位の現在の日本では、残念ながら物事の様々な決定権は男性が掴んでいることがまだまだ多い。男性が女性に共感して、一緒に声を上げるととても効果的なのです。

かくいう私アヤも、自分はフェミニストだと公言するコペルくんに協力してもらって、言いたいことを言いたい放題できています。

ぜひ、一人でも多くの男性の方に本書でフェミニズムや女性の置かれた状況を知っていただき、カナダのトルドー首相やコペルくんのように、男性にもフェミニストだと公言してほしいです。

そのことは、男性にとっても生きやすい世の中を作ることにきっと繋がります。

☆石川優実さんへのクソリプの数々に思うこと

最近、石川優実さんやまっちーこと町田彩夏さんなど、フェミニズム的なことを発信している若い女性のTwitterアカウントが続々と鍵アカになったり、Twitter自体から撤退したりなどに追い込まれています。

非常に由々しきことで、強く憂慮しています。

私はある時期、石川優実さんや町田彩夏さん、日本に来ている外国人留学生の女性の方などのアカウントで通知onの設定をしていたのですが、もう毎日どころではなく、1時間ごと、あるいはもっと頻繁に大量にクソリプがつけられていることに驚愕しました。

あれだけ大量に絶え間なくクソリプが来たら、最悪の事態も起こり得るし、そこまでいかなくても発信することを萎縮してしまうでしょう。これは重大な人権侵害です。

百聞は一見に如かずです。ぜひ本書の第2パートをご覧いただき、クソリプのおぞましさを知っていただきたいです。

☆法律の専門書にも「#KuToo」の影響が!

しかし希望はあります。

今年5月に、法律の専門書である「労働法」(西谷敏、第3版)が出たのですが、その211ページ、「労働義務と服装等の自由」のところにこのような記述があります。

「職種によっては制服・制帽の着用が業務上必要とされ、これに違反した労働者に制裁を課すことが認められるが、たとえば女性にパンプス着用を強要する正当な根拠はない。

この記述は、2013年に出た第2版のときにはなかった記述なので、わざわざ新版で加筆されたものと思われます。

#KuTooは 、多くの現役弁護士さんや法曹を目指す人が読む専門書にまで影響を与えているのです。

他にも、#KuTooは国会や世界のメディアで取り上げられたりしているのは周知のとおりです。また、石川優実さんは英BBC「100人の女性」に選出されました。

諦めずに声を上げ続けることが世界を変えることになると信じて、これからもコペル&アヤは勉強と情報発信を続けていきたいと思います。

☆まとめ フェミニズムを学ぶ意義

本書とは別のところで石川優実さんは、「女性差別の問題は緊急時にはスルーされがち」だと語っています。

普段から人権を尊重できない社会は、コロナ禍のような緊急時にも脆いということは十分にご理解いただけたと思います。今こそ、ジェンダーやフェミニズムに関心を持ってほしいです。

フェミニズムやジェンダーギャップの問題には、日本の問題点が凝縮されています。今の日本には問題が山積していますが、どの問題も突き詰めると

✅教育の失敗(権力者の側から見れば(非)教育の成功)

✅我慢は美徳、自己責任

✅労働者がモノを言いにくい状況

といった共通した要素が見えてきます。

要するに、あらゆる問題点は「政治が悪い」ことに起因しているのです。

「何でもかんでも安倍さんのせいにするな」という人を見かけますが、私は断言して言い返します。

何でもかんでも安倍のせいなんです。

実際、石川優実さんにクソリプをつけるアカウントのプロフィールを見てみると、「日本を愛してやまない」「愛国に目覚めてみた」「安倍総理支持」などと書いてあるケースが少なくないのです。

そして石川優実さんが展開した#KuTooの「女性労働者の靴」という着眼点は、男女差別の問題と労働者の権利侵害という問題の双方が含まれています。

非常に研究しがいのある重要なテーマです。

フェミニズムや#KuTooについて学び、日本における女性が置かれた状況に思いを巡らせることは、山積する問題の数々について学ぶことに繋がるのです。

ぜひ、一人でも多くの方に読んでいただきたくて本稿を書きました。

最後までお読みいただき真にありがとうございました!


この記事を書いたコペル&アヤはこんな人です。

本書の中で石川優実さんが推薦している書籍がこちら。

ジェンダーをテーマにしたおススメの小説。

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