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私と妄想と玉木宏

玉木宏

玉木 宏(たまき ひろし、1980年1月14日 - )は、日本の俳優、歌手。愛知県名古屋市出身。アオイコーポレーション所属。妻は女優の木南晴夏。義姉は女優の木南清香。従兄弟はお笑い芸人のカピパラ。(Wkipedoaより)

出会い

当時は俳優の役名なんて全く気にしていなかったが、初見は「ウォーターボーイズ」のはずだ。小学生の私が見た初めてのドラマかもしれない。いまだにあの玉木宏がアフロになる瞬間が忘れられない。

次の玉木宏ポイントは「のだめカンタービレ」。のだめと同じく汚い部屋とズボラな性格、風呂嫌いを持ち合わせた中学生の私は思った。

「私ものだめみたいに怒られたい。」

昔から私の部屋は床面積がかなり狭いし、お風呂には極力入りたくない。入ってもカラスの行水レベル。でも時々推しが突然遊びに来たらどうしよう、と部屋を片付けようとする。が、こんなことも考えてしまう。

「玉木宏の場合はこのままの方がいいのでは・・・?」

私と玉木宏

玉木宏は私の叔父だ。仕事は音大の先生。月に1回ほどうちに来て、私の地獄のように汚い部屋を一緒に片付けてくれる。いや、片付けさせられる。私にとっては散らかっている部屋の方が暮らしやすかったりするんだけど。外ではかなり品がいいけど、掃除の時は取り乱してるのが面白い。この前もプリプリ怒りながら掃除機をかけてた。だって掃除機かけるの嫌いなんだもん。

私のクラスには「玉木の乱」という共通語がある。これは彼が私の授業参観に来た時に起きた事件の名前。私の学校行事にはよく叔父や兄が参加するのだけど、たまにこう言うことが起こる。

あの日私は普通に授業を受けていた。けど急に友達の親や友達がざわめき出して振り返ったら・・・彼がいた。細身のスーツを着こなした彼は私からしてもよくわからないレベルで眩しかった。ほんとすごかった。しかも私に気づいて微笑んでくる。やめろ!灰になってしまう!それは友達も同じだったようで、近くから「う、」って聞こえた。みおちゃん、耐えて。

なんとかたどり着いた休み時間も凄かった。先生に「ふみがいつもお世話になっております。」なんて声をかけたせいで私の身内だってことがみんなにばれた。その途端男子を含む何人かの友達が私の席に集まって「紹介して」「写真欲しい」「連絡先ないの?」と迫ってきた。すごい、みんな必死だ。なんて私がみんなの熱意にびっくりしてたら、彼が来て言い放つ。

「ふみのお友達かな、いつもありがとう。」

もう誰も動かなかった。教室全体がしん、として彼の凛とした声しか存在しなかったと思う。

「じゃあ僕は帰るから。」

そう言って彼は帰って行った。その場にいた全員のハートを奪って。

みんながあの瞬間持っている視力を限界突破させて彼を見てたと思う。でもきっと、あれには気づいてない。

彼の左耳の軟骨のピアス。

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