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ポストコロナの公演制作#6 【ネット配信・その1】

今注目されている「ネット配信」、「オンラインレッスン」について、「私には(ここ重要)」難しいと書きましたが、それがどういうことか、まず「ネット配信」について書いていきます。(「ネット配信」と「オンラインレッスン」は、どちらもインターネットを利用しますが、それぞれ特徴が違うので、分けて考えたほうがいいとおもいます。)

コロナ禍前はどうだったか

コロナ禍以降、多くのライブ、コンサート、フェスティバルなどのイベント、教室などでのレッスンなどが中止となり、芸術活動をしている人、それにかかわる人のほぼ全員が、大きな影響を受けたのは間違いないかと思います。

その逆境の中で、インターネットを活用した「ライブ配信」や「オンラインレッスン」などが脚光を浴びているのが現状かと思いますが、個人的には、これまでのことを思うと、どうしてももやもやして、積極的に活用しようと思えない自分がいます。

というのは、ここ約十年ぐらいの流れで、多くのアーティスト、事務所などは、トライ&エラーを重ねていく中で、動画などに課金するなど、ネットを利用し大きな収益を上げるビジネスモデルは捨て、あくまでも宣伝広告媒体として価値を置き、実際のコンサートに来てもらう方法で収益を上げ、それは成功してきました。

踊りや楽器だけでなくいろいろなジャンルの先生、商売をやっている多くの方は、無料動画をUPして興味を持ってもらい、実際にきてもらう生徒などお客さんを増やしてきました。

特に一部の有名アーティストによっては、条件付きではありますが、観客によるコンサート会場での動画撮影も許可し、SNSでシェアしたり、ユーチュブにUPしてもらい、非常に多くの人に見てもらい、その中から次回のライブに興味を持ってもらったり、ファンを増やす方法をとってきました。

大雑把にいえば、多くが生の体験に重点を置き、ネットは重要な手段のひとつとして活用し、成功してきたと思っています。

余談ですが、何十年も前、日本のアイドルが東南アジアで熱狂的な支持を得た一つの理由は、海賊版DVDの流行でした。まさにユーチューブの先駆けです。違法ではありますが、宣伝広告費をかけずにコンサートを大成功させることができ、黙認されてきました。

ほんの数か月前まで、それでうまくいっていたのです。

が、しかし、その一番重要な公演などのイベントやレッスンを開催することができなくなってしまった。作り上げたビジネスモデルが崩壊したのです。現状がいかに深刻かわかっていただけたかと思います。

他に無いから始めただけで成功するか

そして、他に方法がないから「ネット」の活用を始めるというのが現実で、「ネットの有料配信を始めました」といえば、たくさん配信チケットが売れ、多くのアーティストが収益を上げることに成功・・・とはいきませんよね。それここ十年で諦めませんでしたっけ?

よく「手段(配信)と目的(公演)を間違えてはいけないよ」と言いませんでしたっけ?

それしかないかもしれないが、今まで公演に来てくれて「生」の良さを知っている人に、オンライン配信を勧めるって、間違っていませんか?

普通、新規事業を始めるときって、しっかり調査、準備し、成功する可能性があるから始めませんでしたっけ?付け焼刃で成功しますかね?

多くの人にとって打開策にはならないのでは?という私の中にあるもやもや感をわかっていただけるかと思います。

しかし、矛盾するようですが、「ネット配信」には大きな可能性があるのも事実です。ただしごく一部の人にですが・・・。それについて次回書きたいと思います。

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