【フィルミーノ】腕の使い方と必要なセルフケア【一流は柔らかい】
今回はフィルミーノのプレーを元に腕の使い方の一例を紹介します。
また、上手に腕を使う為に必要な条件、ケアについてお伝えできればと思います。
特に後半紹介するセルフケアは、選手・指導者の方に読んでいただきたいのはもちろん、一般の方にとっても肩こりの解消なんかに役立つかなと思います。
内容
1.フィルミーノの腕の使い方
2.腕の構造
3.腕を振ることによるリスク
4.腕を上手に、安全に使う為のセルフケア
それではいってみましょう〜
🔴フィルミーノの腕の使い方
まずはこの動画をご覧ください。
フィルミーノが2人のDFに囲まれますが、ボールは取られません。
ここで重要なのが、腕の使い方です。
この動画では、腕を3回使ってDFをいなしていますが、異なる2つの使い方をしているので、まずはチェックしてみましょう。
・1回目(相手の勢いを自分のものに
ここでは背中側からボールを奪いにきたDFがボール側から足を出してきます。
対するフィルミーノは、ボール側の腕をDFの体の面に垂直にセット。
これによってDFはフィルミーノの体重を受けて足止め、一方フィルミーノはDFの移動のエネルギーを受けて前進します。
2人の距離は離れ、フィルミーノはボールキープに成功。
ここで、仮にフィルミーノが相手の面を左手で抑えに行った場合、DFの移動のエネルギーをうまく受け取ることはできず、むしろ踏ん張れないことから相手にボールを回収されていた可能性があります。
ボールの位置によって相手の行動を読んだナイスプレーです。
・2回目(相手の勢いを強くし、受け流す
2人目のDFは1人目とは違い、フィルミーノの横側に斜め後ろからアプローチしてきます。
それに対し、フィルミーノはDFの脇に腕をセット。
DFボールを取りに足を出し、片足立ちの状態です。
バランスを取りにくい状態でフィルミーノに脇から斜め前に押し出されたDFは、ボールから離され、さらにもともと自分が進んでいた方向への移動をより強化され前につんのめってしまいます。
ブラジルの選手、こういった腕の使い方が上手な印象です。
ジェズスがワールドカップのメキシコ戦で同じように相手を倒していた記憶があります(動画はありません。笑
・3回目(合わせ技
1人目のDFに対してはエネルギーを吸収することで一歩分離れることに成功。
2人目のDFのことは受け流してしまう。
DF2人は果敢に戦いに行きます。数的優位で。
しかしここでもフィルミーノは自分の体と相手の力をうまく使ってプレッシャーを回避します。
今度は1人目のDFが斜め前から、2人目のDFが背中側から来ます。
フィルミーノは2人に対して、前述の2種類のパターンを使い分けます。
左手側は1回目と同様「相手の矢印に対して反対向き」に、右手側は2回目と同様「相手の矢印と近い角度」に腕を使います。
この対応によって、フィルミーノは左手側の相手から勢いを受け取り、右手側の選手をその勢いで受け流すことに成功。
まだ左側の相手を回避しきれていませんが、ボールはキープできました。
このようなデュエルを同時に行う思考(または反応)のスピードやその正確性をどう身につけていくかは今後考えていきたいところですが、とにかく「腕使うのうめえな、、」というのは伝わったかと思います。
🔴体の構造
ここで、人間の体について少しお勉強をしてみましょう。
大事です。
腕と肩
腕の骨は肩甲骨、鎖骨と繋がっています。
「肩周り」まで含めたユニットだと考えるといいと思います。
このユニットには、いわゆる肩が凝ったというときに張っているような僧帽筋など多くの筋肉がくっついています。
これらの筋肉が柔軟に動く状態が理想です。
ここで、周りの筋肉が首と肩周りを繋げていることを覚えておいてください。
ボルトの肩周りのスムーズさ=分離
さて、ここでフィルミーノ以外のトップアスリートの動画をみてみましょう。
腕を大きく振ることができていると一方で、胸がその動きにつられていないことがわかると思います。
肩甲骨、鎖骨と胸椎上部の感覚が綺麗に別れているのでしょう。
このように、鎖骨の高さまである胸郭と鎖骨や肩甲骨の腕ユニットが一体化していない状態など、感覚が正しく別れている状態を分離してるって言ったりしてます。少なくとも僕は。いや、他の人も言ってるかもしれません()
股関節にたいする骨盤&腰椎など、多くの場所でこの分離は重要です。
ここで、読者の皆さんも一度腕を大きく後ろに振ってみてください。
多くの人は、胸が引っ張られる感覚があるかと思います。
中には首もって人がいるかと。
緑色の部分の感覚が曖昧で、ユニットとして一体になっている状態です。
これでは体に不必要なねじれがおきてしまい、エネルギーのロスにつながります。
関節の得意なこと、苦手なこと
人間の関節は、安定が得意なスタビリティ関節(青)と動くのが得意なモビリティ関節(赤)の二つに分類されます。
膝が痛い、腰が痛い、首が痛い。
よく聞く痛みのポイントはスタビリティ関節なことが多いです。
体のことについて知った状態で、次のトピックに進みます。
🔴腕を振ることによるリスク
さて、鎖骨や肩甲骨といった腕ユニットが胸郭と一体化している時、体は自分の肩周りの筋肉を「それほど動かないもの」と認識しています。
つまり、動かせるのに動かしていない状態です。
この状態が、肩こりや首こりの一因になっています。
ここで、頚椎付近は動くのが苦手な部位=スタビリティ関節に当たります。
硬い筋肉で肩と繋がった首は、大きな腕ふりによって衝撃を受けます。
頚椎のダメージは自律神経系の不調や痺れや、半身不随などの障害につながる可能性もあり大変リスキーです。
硬い状態での大きな腕ふりは避けたほうが良い気がします。
🔴腕を上手に、安全に使う為のセルフケア
そこで、この腕ユニットの分離を助けるセルフケアをいくつか紹介します。
脇の下ケア
まずは脇の下にアプローチする方法です。
胸のストレッチ
胸椎のアーチを作るケア
続いては上部胸椎の神経にかかるプレッシャーを緩めて肩周りのリラックスを促す方法。
※カッコ内、正しくは「とくに上部『胸椎』」
首のストレッチ
(お時間のある方は合わせてこちらもご覧ください。
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