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料理人ができていくまで。

料理は好きだった。
それも結構前から。

美味しいものを食べる「楽しみ」を教わったのは、両親。
というか父親。

決して裕福では無い我が家は食べる物にはこだわっていた。
米に始まり、味噌、鰹節、塩サバなど。。。
でも家での食事はなかなかハードな物で、食事中はテレビは勿論、しゃべってはいけなかった。
まぁ口に中に食べ物が入ってるから当たり前だけど、食事の合間合間の「今日どうだった?」、「そういえばあれどうなったの?」的な会話はほぼなく、淡々と目の前にあるうんまいものを食べて行く。 

だから余計に、たまに連れてって行ってくれる外食はすこぶる楽しかった❗️

それが肉の万世でも、ラーメンショップでも値段表記のない寿司屋でも。

好きな物を自分で頼むなんて夢のような時間で、万世ではステーキセットについてくるライスに少し塩を振り、フォークの背中に乗せて食べる。という高度なテクニックを使う父親の食べ方を真似て、もちろんそれはうまくいかずご飯がこぼれて叱られる。今でも鮮明に覚えてる思い出のひとつだ。

義務教育が終わり、高校に通い始めた。
なんでそこにしたかっていうと「都内の私立」だったから。
それだけ。

今までには無い友達関係が出来た。地元も違うし、それまでのいろんな事を知らない友達。
それはそれで妙に楽しかった。
学校に行く目的が残念ながら勉強ではなく、友達に会いに行く。というふうに変わっていったのだった。

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