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7インチ盤専門店雑記644「ストーンズの10インチ」

10インチ盤に妙に愛着がありまして、このサイズ感が非常に好きなんです。要はSP盤と同じ大きさというだけですが、レコード・ストア・デイの記念リリースでも10インチ盤は毎回いくつかリリースされますから、お好きな方はそれなりにいらっしゃるのでしょう。個人的には段ボール2箱とちょっと、200枚弱といった程度のヴァイナル10インチ盤が自宅にあります。お店には参考までにお見せすることもあるので、10枚ほど置いてあります。

そこで気になるのが、ローリング・ストーンズの10インチ盤が結構あることなんです。1960年代のラジオ音源もピクチャー盤だったりカラー盤だったりで10インチのリリースが相当数ありますが、あれは収録時間の問題もあるのかということと、オフィシャルかどうかよく分からないので、今回は置いといてということにします。

ローリング・ストーンズの場合、オフィシャルで結構しっかりリリースされているんですよ。ヘッダー写真は2012年、ストーンズの50周年記念リリース「Doom And Gloom」のシングルですが、裏面がエッチングになっていて、なかなか洒落ています。ストーンズ・ファンなら持っておきたい一枚でしょう。そう、シングルなんですよ、コレ。12インチ・シングルほどではないにせよ、溝にゆとりがありますから、音質はもの凄く良かったりします。

2023年10月リリースの「Hackney Diamonds」からの第1弾シングル「Angry」も10インチでリリースされました。まあ、あれはヴィデオで観る方がいいかもという気もしますが、デザインも好きなので、一応入手しておきました。アナログはいつでも手に入ると思ったら大間違い、一期一会の世界ですからね。そして、あらためて言うまでもなく、アナログに馴染みのよい曲でしたからね。

コロナ禍の外出自粛記念のようなシングルもありました。2020年4月リリースの「Living In A Ghost Town」です。アルバム未収録ですから、これもマスト・アイテムですよね。あまりコロナ禍のことは思い出したくもありませんが、直ぐに歌にしてしまうあたり、商魂たくましいというか、凄いなと思いましたね。まさかあそこまで振り回されるとは思ってなかった時点でのリリースでしたが、このシングルはリリースしておいてよかったのではないでしょうか。

2016年のブルース・アルバム「Blue &Lonesome」からの3rdシングル「Ride 'Em On Down」も10インチで出ております。超絶恰好良い曲でした。これもヴィデオで観る(聴く)べき曲かもしれませんが、あのマスタングが出てくるMVはやたらと格好良かったです。大好きですね。年齢など関係なく、確たる世界観があります。以前はそれほどでもなかったのですが、このあたりから「ストーンズ凄いな」というスタンスになりました。

ラジオ・ブロードキャストと変わらないかもしれない盤ですが、貴重なチェス音源です。「The Unreleased Chess Sessions 1964」という10インチ盤ですが、これは7曲収録されております。50年の著作権保護期間が過ぎている音源という扱いの国で制作したようですね。オフィシャルと同様に売られておりますが、これは500枚限定でシリアル・ナンバー入りでしたから、早めに注文しておきました。そして実際に未聴の音源で驚かされました。音質も悪くなく、どこからこういう音源が出てくるのやらと不思議になるものです。

まあ、そんなわけで、ストーンズ・コレクター/ファン泣かせの10インチ盤というヤツです。

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