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池島の話(後編)&ちょっぴり軍艦島

ポスト軍艦島と言われたり言われなかったりする島、「池島」。

今回は後編です。

前編はこちら→「池島の話(前編)」

別に炭鉱が好きなわけでも廃墟マニアでもなく

ましてや「映画見て軍艦島行きたくて来ちゃった☆」的なミーハー感もなく、なぜこの島に来たかというと

・Googleマップでたまたま見つけた

これに尽きます(笑)

私は「年に2島!」を目標に島に足を運んでいますが

ターゲットの探し方はいたって簡単。

Googleマップで小さい島を見つけたらそこが候補になる、それだけ(笑)

ただし、無人島だったり航路が無かったりすることもあり得るので必ず地図上でチェックすることがあります。

・郵便局がある

・小学校がある

この二つがあれば「郵便」が届くので船便もあり、

小さい子がそこで育っているので最低限の医療も提供されています。

∴行ける!となるわけです(笑)

なので、「よし今年は池島に行こう」と思った時点では、炭鉱の島だとか、ポスト軍艦島だとかの知識は皆無でした。

あまり下調べをしないで行って、現地で驚くのが楽しみでもあるので。

昨日書いた炭鉱の話は、全て島で泊まった宿のおじさんに聞いた話です。

もともと公民館だったところが宿泊施設になっていて、そこの体育館的場所が簡易的な資料館になっていたので、そこでお話を聞いたのです。

この「宿のおじさん」が、この旅のキーマンになりました…(笑)


昼過ぎの船で佐世保から池島に渡り、島を散策して宿に泊まり、翌朝は朝陽を見に海へ。

朝陽をバックにもえるような重機(2001年から動いていない)

そのあともぷらぷら散歩して

リアルねこあつめ(笑)離島は猫が多いね!(猫アレルギーの私涙目)

一度宿に戻ると、昨日、島の解説をしてくれたおじさんが出勤していた。

私「午後の船で帰るんですけど、おすすめスポットあります?」

おじさん「この島は何もないけど…(笑)そうだね、炭鉱で亡くなった人の慰霊碑の後ろに展望台があるよ。たいした高さ無いからそんなに展望は良くないけど。

景色見るなら神社の裏手から山に登ると見晴らしが良いよ。」

こうして、慰霊碑と展望台、そして山登りをすることになったのでした。

慰霊碑。後ろに見える階段が展望台にあがる階段。

確かにそんなに展望は良くない(笑)

その時。後ろで

「お嬢ちゃん!こんな所で1人でなにしとっとー!」

叫び声と同時に銃声がした。

え?なに?何が起きたの?

パニクる私の目の前で、猪を捕獲する職員の人。

そう、この時はじめて知ったのだが池島では猪が野生化して増えていて、島のあちこちに罠が仕掛けてあり

罠にかかった猪は…ご想像にお任せします。

「女の子が1人で島歩いたらいかんね!猪に突進されたらひとたまりもなかと!」

その時は「(いや、もともと1人旅だし?つか、

割とガッシリした男の人でも猪に突進されたらアウトじゃない?)」

とか色々頭をめぐったけど、職員の方々は息絶えた猪をトラックに乗せて早々に走り去って行ってしまった。

しばし呆然としていたけど、私にはもう一つ「山に登る」と言う予定があったので

気を取り直してまた歩き出した。

確かに、途中までは「山登り」だった。

途中で急に坂道の角度が変わり、「道」と言うよりは「壁」になってきた(笑)

「壁」からは一本のロープが垂れ下がっている。

と言うことは登れるのだろう(楽観)

気合いだけで頂上によじ登ると…

いや、これ控え目に言って「崖」やないかい!

船越さん来たら白状するレベル!

頂上、と言っても人ひとりがやっと立てるスペースしかなく、本当に「崖」だった(笑)

しかし、見よ!この見晴らし!

当時の最先端、8階建ての集合住宅が一望できる

この1つの窓(ベランダ?)あたり1家族が生活していた。

そこには子供の成長や夫婦喧嘩や、現代の家族と変わらない風景が、この窓の数だけあった。

そして、この家庭はみな、「お父さんが炭鉱勤務」だった。

2001年まで。

石炭はCo2がうんたらかんたら言われてるけど、日本の高度経済成長を支えたのは間違いないし、

命がけで炭鉱で働いてくれた彼らがいなかったら成り立っていなかった。

この「一望」は私に強い感銘を与えたのだった。


…余談ですが、ロープで壁をよじ登る際は

降りる時の方が大変です(爆)

無事に下山した後は体中の筋肉がプルプルいってました(笑)

宿のおじさんに

「山というかほぼ崖じゃないですかー」と言ったら

「ロープあったでしょ?あれ張ったのおじさんなんだよー♪」と言われた…

もしや実験台だった!?(笑)

そんなこんなで午後の船で長崎に戻り

軍艦島ツアーにも行きました!

運良く直前に予約が取れたんです♪

軍艦島。軍艦ぽいねー

立ち入り出来る場所が物凄く狭く限定されてて、滞在時間も15分無いぐらい。相当危険なんだろうなあ。

池島の8階建て集合住宅もいずれこうなるのか…

軍艦島では、廃墟をバックに自撮り棒で自撮りしまくる若者ばっかりで、引きました(笑)

(某ミュージシャンのMVの真似して歌いながら動画撮ってる人もいた)

船で移動してる間も「髪型崩れちゃうー」「波しぶきでメイクがー」とか言ってて、

いざ軍艦島のシルエットが見えてきたら自撮り棒をひたすら掲げて顔をキメてるの(笑)

海外から来ていたであろう女性二人組が

「Oh,This is Japanese...HAHAHA」って言ってて恥ずかしかった(;´Д`)

やっぱり離島はあまり有名で無いところに限りますね!

突然の出会い、予期せぬ出来事、島の空気を感じて思いを馳せる時間…それが離島の醍醐味です!

今回この記事を書くにあたって池島のことをググったら、最近は観光客が増えてるそうですね…。

まだそんなに有名じゃないときに行けて良かった!(笑)

もしサポート頂けたら、行く離島を増やします!…嘘です(笑)車いすユーザーの婚約者との結婚資金に使わせていただきます😄