デザイナーはボトルネックになりがち?
先日、デザイナーの孤立を軽く味わったという記事をnoteに書いたところ、多くの共感の声をいただきました。
デザイナーが孤立する、そしてダメになる、とはどういうことなのか。そしてその事態を回避するには?というあたり、もう少し突っ込んで考えたくなった次第です。
職務における孤立とは
孤立とはすなわち、他者と意識をすり合わせる余裕をなくした状態であると考えます。(意識をすり合わせる労力 > 割ける労力 という状態。)
その状態に至るにはいろいろな要因がありますが、
「デザイナーの人数に対してデザイン課題多すぎ」
「行うべきデザインプロセスに対してタスクの緊急性高すぎ」
という2つが典型例です。
具体的状況を仮想して考えてみる
より考えを深めるために、具体的な状況を想定してみます。
【想定する状況】
1つのWebサービスを運営している事業会社で、インハウスデザイナーは1人
(提供サービスはスマホアプリからも利用できる)
この状況下での、デザイナーの振る舞いを考えてみます。デザイナーが解決すべき課題はどこらへんでしょう?
【1つのWebサービスにおける、デザインの対象となる領域】
- Webサイト(コーポレートサイト、サービスのLP)
- Web App UI
- iOS App UI
- Android App UI
- その他製品パンフレットや営業プレゼン資料等
これら5領域におけるデザイン上の課題をなるべく早くに解決することが、インハウスデザイナーに期待される役割の一般例ではないでしょうか。
(サービスによってはアプリ対応はなかったり、広報活動やハードウェアデバイスのデザインなどもあったり... と様々ですが、この記事では上記の例で考えさせて下さい。)
少数のデザイナーが全領域をリードしようとすると、知識と手数が足りず、リードするどころかボトルネックになってしまいます。「デザイナーからデータ上がってこないから開発が進まねぇ」状態ですね。
ボトルネック化は組織の動きを鈍らせるだけでなく、デザイナー個人を心理的に追い詰めます。
「自分のせいで物事が進まない」という焦りのような感覚が、「孤立」感の多くを占めるのではないでしょうか。
計画的に1タスクずつ順次こなしていけばいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、どれだけ慎重に計画を組んでも「バグ対応に伴う緊急のUI修正」とか「突発的な外的要因による優先度変更」とかのイレギュラーな事態が発生して計画は狂います。遅滞が起こり、デザイナーのボトルネック感は強まるばかりです。
また、タスクが積み上がっていると、同僚からのちょっとしたお願い事にも応じることができなくなります。「資料にアイキャッチ画像載せたいんだ」とか「Slackのオリジナルスタンプ作って」とかそういうやつ。
何度も「ごめん今ムリ」を繰り返していると、自分の存在意義がわからなくなってきます。
これらの状況に対する最も有効な対策はデザインチームの構築なのでしょうが... これがやはり容易でないです。
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長くなってしまったので別記事に続きます。
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