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平面バッフルスピーカー

友人が最近レコードに目覚めていい音で聴きたいと言って
中古のミニコンポのスピーカーを手に入れて、音楽っていいねと
言い出した。彼の感性をもっと刺激してやりたくて、
スピーカーのサイズは16cm以上でないと演奏表現はきちんと聞こえないよ!と
言うと、それが聴きたいと言ってきたのでタンノイかアルティックの
同軸スピーカーを勧めていたが古い製品でも中古市場でも結構な値段で取引されているようで、いきなり買うにはちょっと高額すぎるので躊躇していました。
そんな時に聞いたことのある型番のスピーカーが新品で出てたので、
ちょっと興味を惹かれてみていました、これを平面バッフルで鳴らそう!

409B

409B この型番は往年のオーディオマニアは知っているエレクトリから発売されたアルティックのDIGに搭載されていたスピーカーのユニットです。
元々はPA用とか書いてある記事はありますが、PAというとコンサートとかライブを思いますがPA パブリックアドレスです、拡声です、天井に仕込むシーリングスピーカーです、その証拠にライントランスをマウントできるプレートが
ついてるでしょ!
とはいえ音はアルティックの音でしたからみんな夢中になりました。

ALTEC 409B

アルテックが身売りした後にエレクトロボイスで再生産された 409-8E

409-8E

これによく似たのを

これです

いい感じですよね!私の勘を信じて、これの購入を勧めてみました。
早速購入して届いたと連絡があり急いで平面バッフルの穴位置の計算をして、
とりあえず3尺X6尺のベニア板を半分にして3X3 (90cm X90cm)ですね、

平面バッフル
穴あけ工具

"flat baffle speaker"を使う意味

平面バッフルは、音響工学や音響デザインにおいて使用されるアコースティックデバイスの一種です。平面バッフルの主なメリットには以下のようなものがあります
周波数特性の均一性
平面バッフルは、音波の反射を抑制するために設計されており、周波数特性の均一性を提供します。これにより、バッフルの配置や形状が異なっても、音響特性が安定して保たれます。
反射の制御
平面バッフルは、音波の反射を減少させることで、音響環境を改善します。特に、部屋の壁や天井に取り付けられた平面バッフルは、音の反射を減らし、残響をコントロールするのに役立ちます。
音の拡散
平面バッフルは、音波を拡散させる効果も持ちます。これにより、音の拡散を利用して、均一な音場を作り出すことができます。音が一箇所に集中するのではなく、部屋全体に広がるため、より自然な音響環境が得られます。
外観の柔軟性
平面バッフルは、デザイン上の柔軟性があります。様々な素材や形状、色彩が使用されるため、インテリアデザインに組み込みやすく、美しく見せることが
できます。
環境への配慮
平面バッフルは、エコフレンドリーな素材やリサイクル可能な素材で作られる場合があり、環境にやさしい製品としての利点もあります。

平面バッフルスピーカーは、音響設計の一形態であり、スピーカーユニットが直接装着された平らな板(バッフル)を使用するものです。一般的なスピーカーのバッフルは通常、箱型の構造をしていますが、平面バッフルスピーカーは、その名の通り、平らなバッフルを使います。

この設計はいくつかの利点を持っています。例えば、バッフルが大きくて平らな場合、スピーカーの側面放射が抑制され、周囲の壁や物体からの反射が少なくなります。その結果、音の方向性やクリアネスが向上し、特に中高域において優れたパフォーマンスを示すことがあります。

また、平面バッフルは、特定の周波数帯域でのスピーカーの振動を抑制することができます。これにより、歪みが減少し、音質が改善される可能性があります。

一方で、平面バッフルスピーカーにはいくつかの課題もあります。例えば、低音再生の性能が制限されることがあります。通常の箱型スピーカーと比較して、低音の再生能力や効率が低下することがあります。

さらに、平面バッフルスピーカーは、設置する場所によっては壁や天井などの反射面との相互作用が強くなり、音の変質を招く可能性があります。そのため、適切な設置環境や調整が重要です。

このように、平面バッフルスピーカーは特定の利点を持ちつつも、一般的なスピーカーデザインと比較して異なる特性を持つことがあります。

平面バッフル(flat baffle )設計


平面バッフル(flat baffle ) これは、スピーカーユニットを穴をあけたバッフル板にはめ込み、振動板の前から出た音と 、後ろから出た音を遮断して、音の干渉を防ぎ、低音の再生効率を上げる。 ユニットのまま鳴らしても、高音は指向性があり前方に鋭く、干渉の心配はなく、 低音は指向性が広いので後ろから出た音も前に周り込んで、音波が互いに干渉し合って、 打ち消しあってしまいます。低い周波数の音ほど波長が長いので、平面バッフルの場合は 、バッフル面積が大きければ大きい程良いということになります。理想は無限大となります。

平面バッフルでは、スピーカーの中心より板の端までの距離が1/2波長で6dBの山ができ 、その周波数の1/4までを再生帯域と考えます。これを式にすると、

fc=(C/2R)×1/4になります。

平面バッフルのカットオフ周波数(fc)の計算式
カットオフ周波数;マイナス3dBダウンポイント

C=340m/sec(音速)
R=バッフルの半径(cm)として

fc=(C/2R)×1/4
に数値を入れると
fc=34000/8R
音速340m=34000cm
fc=4250/R(Hz)
R=バッフルの半径(cm)と簡単になります。

この式では、バッフル板の面積を円板の面積に換算して計算されています。
バッフル板の面積が等しければ、四角でも三角でも、ほぼ同じ低域特性が得られると考えられて いるからです。このとき結構忘れてしまうのが、ユニットのfoとQoの影響ですが、 バッフルをどんなに大きくしてカットオフ周波数を下げても、
ユニットのfo(最低共振周波数)が カットオフ周波数より高ければ
カットオフ周波数まで下げられず、Qoの値により特性も変わります。
平面バッフルに適したQoの値は1.0を超えるものといわれています。

円板の中心にユニットを取り付けた場合を思い浮かべると、板の端までの距離が等しくなる為、 前後の音の干渉の影響を盛大に受けるのが想像できます。正方形や長方形のバッフルでも各辺への距離を 違えれば、干渉も複雑に分散し、山谷が小さくなります。
この感じだと、低音が薄くなりそうですが、 床に置いて使うわけですので、床や壁の反射があり複雑な感じがしますが意外にいい音でなります。
低音域は80〜100Hzくらいまでは再生されます。
これは私が学生の頃三菱のP610やパイオニアのPE-16で鳴らしていた経験からの
感想です。

とりあえず完成していい音でなりました、8時間くらいするとエージングが進み豊かな低音と高音域の硬さも取れてきました、
1週間くらい聞いていると、徐々に欲が出てきます、もっと良くしたい

周波数特性表

とりあえずは高音域の伸びかな


10KHzを過ぎると急激に10dB降下する特性ですね、聴感では不満はないのですが
欲張りです、もっと高音域が伸びてるといい音がする気がします。

Tweeterをつなごう

クロスオーバー周波数(fc)

fcを9000Hz~10000Hzに設定していきます。
コンデンサーだけで繋ぐ-6dB/octで行きます
C=1/2πfcR0(F)よりfc=9000Hz  R0=8(Ω)
C=1/2x3.14x9000x8(F)=1/452160(F)=0.000002211606511(F)=2.21(μF)

Amazonで購入Tweeter
225k250vのコンデンサーが付属

225k250vとは2.2μF

先ほどの計算式で出てきた値なのですが、
その場合はスピーカーのインピーダンスが8Ωの場合は2.2μFなのですが
このスピーカー4Ωです、えええ〜

周波数とコンデンサーのインピーダンス

ツィーターが4Ωということでコンデンサーのインピーダンスが4Ωになるところが
-6dBポイントということになりますね、という理由から4.4μFにしました。
付属していた2.2μFでは15000Hz~20000Hzあたりで繋がることになり
10000Hzから繋ぎたいのには不十分ですね、

8Ωの時
4Ωの時
4Ωで2.2μFだと18000Hzのfc

クロスオーバー周波数18000Hzだとすごく勿体無い感じですね、
クロスオーバー周波数は10000Hz付近にしたいですね、

この下にあるリンクはTOM'S Web Siteさんのネットワーク計算を
使わせていただきました。

パッシブネットワーク計算(フイルター)


さてどうする



1.コンデンサの容量を4.4μFにする

2.スピーカーに4Ωの抵抗を直列に接続して8Ωにする

1.2.の両方を実験しました。1.の方が感触はいいですね、
4.4μFにするには2.2μFを2個並列に接続して接続

2.2μFを並列に接続で4.4μFにする
抵抗器で調整できるように

ツィーターの音圧が106dB  409Bが100dBなので抵抗器を入れて
調整できるようにした。


音場感が一段と良くなった、シンバルやハイハット、リバーブの余韻が
いい感じに聞こえるようになった。
この状態でしばらくエージングしてもらう!

20Ωの可変抵抗器が手に入ったので、この形に変更しました。
解説は次回に!

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