休みは怠けではなく、もっと働ける為だ

　ある日のことだった。
　急に身体が思うように動かせなくなった。

 

　完全にコントロールが効かなくなったという程ではないが、明らかに脳の指令に対し、「NO！」と拒んでいた。
　脳内では、まだやるべきこと、終わらせなければならないことを思い巡らしている。
　あれこれと用事が残っている。だから作業開始せねばと考えていても、どうしても身体はそれを嫌がるのであった。

 

　力がどんどん失っていくのを感じ、しまいには横になる以外、何もやりたくなくなった。
　どんなことに対してもやる気が起こらなかった。

 

　そのまま、しばらく寝たきりで、ボーッと天井を見つめていた。

 

　どれぐらい時間が経ったかは覚えていなが、その後なんとか起きあがれるようになった。
　用事のことを考えるとまた身体が重くなりそうだったので、今日はもうこれ以上働けないことが分かった。

 

　寝るにはまだ早い。どうしよう。
　そうだ、いっそのことーー
吹っ切れて、自分の好きなことを心行くまでしよう！

 

　やりたいことを片っ端から考えた。
　今すぐ出来ることなら、ためらわずにどんどんやった。

 

　紅茶を飲む。
　読書する。
　スマホのアプリで遊ぶ。
　床暖房が効いた床の上でゴロゴロする。
……

 

　すると、不思議なことに、ふと身体が軽くなるのを感じた。
　もうしばらくしたら、やる気もわいて、この調子なら簡単な用事ぐらい終わらせることが出来るだろうという気持ちになった。
　実際、終わらせた。

 

　休みは本当に大事だと感じた瞬間だった。

 

　更に、ぐっすり寝たからしっかり休めたと思うのは大間違いだということも分かった。
　睡眠は、肉体を回復するが、精神の回復までは至らない。
　精神までもすっきりしたいのなら、仕事を忘れ、悩みを捨てて、思いっきり遊び、楽しむ体験が必要だ。

 

　そして、これらは決して、決して怠けではない。
　もっとよく働ける為なのだ。

 

　休みも、仕事と同じように、一大事としてとらえるべきだ。
　そう思った。 

（はてなブログ同時掲載：https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/04/02/080000）

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