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ギフテッド群と境界域知的機能群を下位検査を比較してみた


ギフテッド群と境界域知的機能群を下位検査で比較する。差をどうみるか。

主要指標間の比較から言語理解と聴覚ワーキングメモリは差が大きく処理速度の下位検査は差が小さいと考えられる。

実際に差が大きかったのが,単語8.7,語音整列8.6そして単語と数唱の8.1という結果。

差が小さい順に絵の抹消1.4,符号2.7,記号探し3.6と処理速度の下位検査が占めている。ギフテッド判断において処理速度は意味を持たないと言える。これまでの先行研究を示唆した結果。とりわけ絵の抹消はほとんど優位差がない。この点がギフテッドの知的機能を知る上での鍵。

知的ギフテッドは概念化語彙力そして聴覚ワーキングメモリーが優れているといえる。理解語彙と表現語彙を支えるワーキングメモリ。

さらに差を見ていくと知識7.8,算数7.5。この二つは,まさしく学習能力の反映。アロウェイさんが,ワーキングメモリはIQよりも学力を予測すると。結晶性知能をたっぷり蓄えるだけのベースがしっかり揃っている。

言語と思考が結びついている。

この2群のデータを並べるまでは,言語理解と流動性推理の下位検査が差が大きいと考えていたが・・・パズル6.7,行列推理5.8と。まあそんなこともあるさ。

主要指標の比較で比べるとFRI(33.2)よりもVSI(38.1)の方が差が大きかった。その要因はVSI(83.1)に比べてFRI(87.1)の得点が高いことを反映している。非常に興味深いのは,なぜ境界群はVSI(83.1)よりもFRIの(87.1)得点が高いのだろうと。下位検査の中でも行列の推理(8.5)と平均域で数値を押し上げているのだが。ひょっとしたらここが境界群の理解と支援の鍵を握るのかも・・・。

 以前冗長性の話をしたが,例えばパズルよりもバランスのほうが負荷は大きいはずなのだが。ストーリができない。でも比較することで想定と異なる景色や発見が見えてくる。面白いな。

あくまでも妄究の世界ですが。

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