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2023/12/13の日経を読んで

富士通は12日、半導体基板を手掛ける子会社の新光電気工業を政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)に売却すると発表した。JICは大日本印刷や三井化学と共同で、TOB(株式公開買い付け)などを組み合わせて最終的に全株を取得する。新光電工株は上場廃止となる。買収総額は7000億円規模。記事を要約すると共に所感を述べたい。

  • 富士通は2010年代半ばから、非中核事業を相次ぎ切り離してきた。主力のIT事業に経営資源を集中させるためである。

  • 「ITサービスを中核とすると、電子部品などに経営資源が回りにくくなる。彼らが成長するには当社から分離した方がいい」。磯部武司最高財務責任者(CFO)は再編についてこう語る。

  • IT業界の競争は激化している。富士通は長く国内IT首位だったが、23年4~6月期からNTTデータグループに首位の座を奪われた。

  • 売上高営業利益率で比べると、23年3月期に野村総合研究所は16%。海外では23年8月期に米アクセンチュアが14%だった。ライバルはほぼIT専業で関連性が薄い事業は少ない。

  • 一方で富士通は9%にとどまり、低収益性が目立つ。製造関連の事業を多く抱えるコングロマリットの事業構造が温存され、経営資源が分散している。

富士通はIT事業に専念する

富士通といえば、国内最大手のICT企業であり、パソコンやスマホのイメージがあったが、非IT事業を売却して、主力のIT事業に経営資源を集中させるという。選択と集中。これは大手企業にとっては命題なのかもしれない。生き残りをかけるためには本業専業がいいのだろうか。あれもこれもと手を出すと、やはり分散されて会社は回らなくなるのだろう。個人としては本業と副業ならまだ出来ると思うが、企業はそうもいかない。多角化できる体力はもう富士通には無いのだろうか。今後も注目したい。

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