
力んでええのはお産の時だけでええんやで〜私のピラティス史とそこから得たもの
ピラティスは意図して身体の部位を締めたりしないでワークする。というのが私の実体験で得た考え方である。
ここで私がその考え方に至った経緯を時系列を追って記していきたいと思う。
私がピラティスの資格を取ったのは2004年。
その頃はピラティスという言葉が運動指導者の間に徐々に耳にし始めた頃で、世間ではまだまだ認知度が低い頃であった。
ピラティスとはなんぞや?ということがまだ明確でなかった私は、教わった通りのことを実践し何度も練習していた。
当時は
「息吸って準備〜。吐いて骨盤底筋締めて、お腹引っ込めて〇〇してぇ〜」
というキューイングがアホの一つ覚え
もとい・・・
勝手に口から出るくらいの定番キューイングになっていた。
真面目に練習を繰り返していた私は、骨盤底筋群を締める感覚をクライアントさんにきちんと伝えたいばかりに、いつ何時も気がついたら骨盤底を締めていた。
ある日、いつものようにお手洗いに行って用を足そうとした時に、その部分に痛みを感じた。
気のせいかなと思っていたが、常に痛みを感じるようになり、残尿感も常に感じるようになっていた。
膀胱炎になりかけたのか??
焦った私は、骨盤底筋を締めるワークをやめてみた。すると痛みは徐々に引いていった。。。
あとは、骨盤底を締めると首周りに圧迫感を常に感じていた。
今までのピラティスに身体からのサインで疑問を感じるようになった(ちょうどメンタージプシーの頃でもあった)私は、ボディワーク、座禅、気功、徒手療法、機能解剖学、アメリカへ解剖実習に行くなど、気になったものを片っ端から受講し、ピラティスと関連づけていった。
そんなある日、尊敬する治療家の先生から
「大阪にものすげぇピラティスの先生がいるから絶対会った方がいい」
というお声をいただいた。
その方こそが、私のピラティス人生をより良いものに導いてくれた
北佳子さんだ。
佳子さんは現在、アメリカはニューメキシコ州サンタフェに在住。
イブ・ジェントリーの第1弟子、ミシェル・ラーソンの元で学び、
彼女のアシスタントでありミシェルのボディ役をされていた。
ミシェルは現役を退かれ、彼女のクライアントを全て引き継いでいるのが佳子さんである。
今考えるとほんとに佳子さんに引き寄せられるような偶然の一致があった。
治療家の先生に紹介していただいた時期と同じ頃に、私はイブ・ジェントリーのことについて調べていたのだ。
イブの語る言葉に感銘を受け、イブのことをもっと知りたいと思っていたタイミングで佳子さんがリンクしたのである。
私は躊躇することなく彼女に会いにいき、そこからずっと模索し続けていた私のピラティスに対する考え方が確信に変わっていったのだ。
身体を固めることの不自由さ。
意図して締めたりすることで機能がそこでストップしてしまうことなど、佳子さんとのディスカッションの中でそれは明らかになった。
私はこれで良かったんだと。
その後も、佳子さんオーガナイズの元、サンタフェに3年間で5回行くことができた。
イブの愛弟子ミシェルを始め、スザンヌ・ガターソン、デボラ・コールウェイの3人から直接学びを得ることができ、
その他にもミシェルの愛弟子たちのレッスン見学や、一緒にお食事をしていろんな話を聞くことができた。
私の中で胸に刻まれている言葉がある。
その言葉は今の「意図して部位を締めたりしないで」の考え方につながっている。
それはスザンヌからいただいた言葉。
ピラティスを別の言葉に言い換えるとしたら
Learning how to let go.
そして
Don’t make it happen.
Let it happen.
共通するのは
意図するな。
身を重力に委ねよ。
今身体に起こっている出来事を素直に受け入れよ。
そしてデボラの言葉。
あなたが目指したいと思う理想の自分を描くのなら、
今あなたがどこにいるのか知る必要がある。
である。
全ては身体の中の空間、外の空間を感じるために余分な力を抜くこと
重力に抗わず、委ねる。
気持ちも体も今ここにいること。今の状態がわかるから目指す方向性がわかる。
当たり前のようで、当たり前にできない。
深い。
そしてサンタフェの歴史的な背景を知ったり、
大自然が残る環境と家の街並みそのものがアートな環境に
短時間でも身を置くことができたことは、自分という存在を全肯定できるきっかけをくれた。
ありのままの自分で良い。
壮大な景色が私という存在をそう思わせてくれたのだ。
だからこそ、頑張らなくて良い。
最初から力が入った状態では100%の力は発揮できない。
だからピラティスは力まないし、意図してお腹や骨盤底筋を締めたりしない。
骨格という構造を安定させながら、必要な時にだけ力を発揮すれば良いのである。
今体に起こってる出来事に意識を向けたら、
ここぞというときに勝手にお腹に力が入っていくのだ。
力を入れるんじゃなくて、入る(いれるんじゃなくてはいる)
力んで良いのはお産の時だけでええんやで♪
ピラティスに意図した力みは要りませ〜〜〜〜〜〜ん!
生き方も同じだ。
ピラティスから得た哲学。
これが今の私のピラティス指導にしっかりと根付いている。
ベストなタイミングで出会えた方々。
ベストなタイミングで行くことのできたサンタフェ。
これらの経験は
私の人としての在り方にも変化があった。
本質を伝えたい。
ピラティスを型としてではなく本質を伝えたい。
それがきっかけで表町に規模を広げるために移転をした。
2019年に移転をして3年が経った。
私の元には同じ本質を学びたいという仲間が増え、
描いていたイメージ通りに近づきつつある。
大きな発展はなくていい。
オーガニックに私の想いを、そして私の想うピラティスを伝えていきたい。
ちゃんとここにいて、ここで想いを発信していきたい。
自分の帰る場所があるから、自由に羽ばたける。
日本各地を旅感覚でまわりながら、本質をコツコツと伝えていきたいと思う。