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オリジナルねんどろいど(どーる) 髪の改造からちょっとしたコツまで!

一次創作でオリジナルキャラクター(以下、うちの子)を作っている方はみなさん一度は考えることでしょう。

うちの子のグッズが欲しい…!!!

 ということで今回はオリキャラねんどろいどどーるとしてうちの子をフィギュア化のやり方について紹介致します!
実際に作ってみると難所はありますが、製作する上で大変なのは髪型くらいでした。
その髪型も造形という言葉すら知らなかったぶきっちょ創作者でも満足する完成度のものが出来ました!

⚠️ここから先、ねんどろいどの頭だけのパーツや改造したパーツが出てきます

・今回ねんどろいどどーる化するうちの子

今回ねんどろいどどーる化するのはこの子になります!

・うちの子ねんどろいどどーる化をするにあたって

まずねんどろいどどーる化にあって必要なのは、
・髪型
・フェイス
・身体(+服)
の3つになります。このうちフェイスはグッスマさんのねんどろいどフェイスメーカー、身体も同じくグッスマさんのねんどろいどどーるのボディを購入すれば良いのでそこまで難しくはないです。
フェイスもボディも、色展開は現在4色(peach、cream、cinnamon、almond milk)になります。
peachがノーマルとして用意されていますが、既存のねんどろいどの色により近いのは、almond milkです。peachはalmond milkよりも血色感があるイメージですね。女の子におすすめです。
 creamは特に白色人種のキャラクター、もしくは肌が凄く白い人外キャラクターにおすすめです。黄色人種の設定のキャラクターの子にcreamを選ぶとちょっとイメージと変わってしまうかも?と個人的には思いました。

店頭でボディの販売をしている所もあるので一度比べてみるのもありです!
今回はフェイス、ボディ共にpeachを使用しています。

ただ、ねんどろいどどーるボディ(特にpeachの女の子)が今(2023年4月時点)買えるのが公式の3倍近くの値段で、お高めかつ在庫も少なめなのでそこが出費という面では大変かもしれません。こればかりはグッスマさんに供給をお願いするしかないです…
オビツ11という選択肢もあります。

・一番大変な髪型について

フェイス、身体は簡単ですが、一番大変なのは髪型です。前髪も後ろ髪も完璧に同じ!という版権キャラクターがいれば物凄い幸運ですが、なかなか無いですね…。

そして髪型を自分で1から作るのは難しいです。単純に市販のねんどろいどを作られている造形師の方と同じくらいの技量を要求されます。あとそれを作るための道具の値段が高いです。

また、Aというキャラのねんどろいどの前髪とBというキャラのねんどろいどの後ろ髪がオリキャラに似ているから、それを組み合わせればいいのでは!と思われるかも知れませんが、それも基本的に無理です。
 ねんどろいどは基本的にそのキャラクターの前髪と後ろ髪同士でぴったりになるように作られていて、Aのねんどろいどの前髪とBのねんどろいどの後ろ髪を組み合わせるという事は想定されていません。(これを互換性がないと言います)

そのためどうしても隙間が出来るか、穴の形が違うため全くハマらないということが起きます。
隙間をパテで埋めたり、形を合わせるために削ったりということも出来ますが、少なくとも我々初心者には難しいです。
相当上手にやらないとパーツの破損やフェイスの交換が出来ないということもあり得ます。

・髪型探し

 この事を前提に髪パーツを探していきます。
探し方は色々ありますが、個人的に髪の長さ(ショート、セミロングなど)から調べられるので『ホビー通販 アニホープ』さんのサイトで調べるのがおすすめです!
在庫があればそのまま購入できます。
購入に関しては、フリマアプリもおすすめですね。時々髪パーツ+フェイスで普通にねんどろいどを購入するよりも安い価格で売られている方もいます。私も今回はメルカリで買いました!
アニホープさんやフリマアプリで見つからなければ、お金は掛かってしまいますが、その髪型が似ているキャラクターのねんどろいどを購入しましょう。

そして探すときのポイントですが、
・後ろ髪が似ているものを探す(前髪を改造するつもりで探す)
・色はどうとでもなるので考慮しない
の2点です。

 まず「後ろ髪が似ているものを探す」についてですが、これは改造の難易度を下げるためです。
前髪を削ったり逆にエキポシパテ(造形のための粘土)を盛ったりするのは比較的に簡単なのですが、後ろ髪だと強度的な問題で削るのが難しいです。またパテを盛っても毛流れを綺麗に整えるのがなかなか難しいです。
ただ、私が見た中では「前からの見映えを良くしたい!」ということで前髪を重視して後ろ髪を改造する方もいたので、どこを重視するかにもよって変わってきますね。

2番目の「色は考慮しない」について
 色は後からカラースプレーなどで変更できます。そもそもエキポシパテの色が薄緑や黄土色しかないので、似ている髪色を探して来たとしても、パテによる改造が終わった後にカラースプレーを使ってパテ部分の色を変える必要があります。
それに髪型に加えて、髪色が似ている事も条件に入れて探してしまうとぴったりのものを見つけるのはかなり難しいです💦

髪色は簡単に変えられるのであまり気にせず、似ている髪型を探しましょう!

・髪パーツの改造

いよいよ一番の難所、髪パーツの改造に入っていきます。難所ではありますが、一番楽しいところですね!
まず必要なもの、今回使用したものについて

・エキポシパテ 
先程も少し書きましたが造形用の粘土のようなものです。ねんどろいど等のPVC製のフィギュアの改造やプラモデルにも使われます。高密度タイプと早硬化タイプがありますが、今回は早硬化タイプを使いました。こちらの方が固まるのが早いです。またよほど大掛かりな改造をするのでなければ、25gのもので十分です!今回は前髪の改造を行いましたが、25gでもかなり余りました。

https://www.yodobashi.com/product/100000001000115597/

・スパチュラ
 簡単に言うと粘土のへらです。指では出来ない細かいところまで均したり、髪の毛流れを作れるので1本は欲しいです。エキポシパテは結構ベトベトしているので、金属製のへらの方が作業しやすいですね。

https://www.yodobashi.com/product/100000001001707587/

・Mr.ベースホワイト1000(白サフ)
 こちらは白サフ(白いサーフェイサー)とも呼ばれ、塗料で色を変える前にこれを吹き掛けて全体を白くします。そうすることで元のねんどろいどの髪色に影響を受けることなく色を変えられ、塗料本来の色を出せます。更にエキポシパテと元の髪の部分との色の差をなくせます!
また、サーフェイサーにはやすりによる細かい傷などを消す役割もあります。https://www.yodobashi.com/product/100000001000008089/

・カラースプレー(ラッカースプレー)
 オリキャラの髪色に合うものを選びます。YouTubeで色の比較が出ているものもあります!
塗装手段としては、他に筆塗りやエアブラシもあります。

・クレオス Mr.スーパークリアー 溶剤系スプレー UVカット つや消し
 塗装後独特のテカリを消します。所謂、艶消しスプレーというものです。今回は気休め程度ですが黄変を防ぐためにUVカットのものを使っています。
ねんどろいどフェイスメーカーで作ったフェイスにも使うので1本は必須です!

https://www.yodobashi.com/product/100000001000868161/

・やすり
 100均で売られているもので十分です。フィギュアにも使えると書かれているものを買うと良いと思います。
やすりがけによってエキポシパテで盛った部分とねんどろいどの髪パーツの境目を馴染ませるので必須です!

・ゴム手袋
 特にエキポシパテに触れる際に必要になります。エキポシパテ自体物凄くベタベタしますし、元々素肌に触れていいのものでもありません。こちらも100均で十分です!
使わない人もいるようですが、肌が弱い人は必須になります。

・マスク
 エキポシパテを使うときはもちろん、やすりがけの際に出る粉塵や、スプレーなども身体に入っていいものではないので、こちらはほぼ全工程で必須です。今のご時世皆さんの家にあるであろう不織布のマスクで十分です!

・エキポシ接着剤
 こちらはエキポシパテで盛った際に上手く整形出来なかった部分や凹凸が出来てしまった部分、特に細かすぎてエキポシパテでは埋めにくい部分を埋めるのに使いました。
家にたまたまあったのでエキポシ接着剤を使いましたが、プラモデルの合わせ目消しに、瞬間接着剤を使われる方もいるのでそちらでも良いかもしれません!

・改造

では改造パートに入ります。
 まず今回使用したねんどろいどの髪には、うちの子にはない前髪部分があったのでそこをカットしました。カッターナイフを使用しましたが結構硬く、力を込めてギコギコと切っていたら手元が狂って指をざっくり切ってしまったので、不要な部分をカットする方は十分に気を付けて下さい。※彫刻刀の方がカットしやすいかも!

 不要な部分をカットしたら今度は足りない部分を盛っていきます。
ゴム手袋を着けて、潤滑油代わりの水を用意しましょう。エキポシパテはとてもベタベタしていて、非常に手袋にくっつきやすいので常に手袋が濡れている状態にしましょう。
水ではなく、ワセリンを使う方もいますが、パテに油分が混ざったときに固まりにくくなる可能性もあるそうなので、出来れば水を使いましょう!
エキポシパテは2つのパテ(早硬化タイプだとオレンジと白)が同量になるように切って、まだらな部分がなくなるように色がきちんと混ざるまで練ります。
 あとは足りない部分を盛ってスパチュラで形を整えます!この時分厚くなってしまうともったり感が出てしまうので、ねんどろいどの髪パーツと同じ厚さになるように心掛けます。
エキポシパテは乾くのに時間が掛かるので、焦らず満足がいく形に整えましょう。

ある程度全体の形を整えた後に毛流れを作った方がやりやすいです。
形がある程度整えて一晩掛けて乾燥させました。(今回使ったのは速硬化タイプなので、本当はここまで時間を取らなくても良いのですが、初めてだったので念には念を)

そしてここで画像を見て貰うと分かりやすいのですが、この時点で結構デコボコしています。
このまま色を付けても綺麗にはなりません。
 その為まずはサーフェイサーでは埋められない大きめの隙間部分を埋めていきます。
パテでパーツを作る際に上手く盛れなかった部分ですね。


 色々やり方はありますが、今回は手元にあった二液性のエキポシ接着剤を使いました。
二液性のエキポシ接着剤は物凄く臭いので、絶対に換気をしてください。ガソリンみたいな(もしくはレジン液のような)匂いがします。
あまり深く考えすぎず、ここが削れていると完成した時に嫌だな、パテを盛りたいなと思った所に接着剤を乗せて、完全に乾くまで放置してください。


次に接着剤で盛った部分を含めて、全体の凹凸の凸部分をやすり掛けをして削ります。
 やすりは#240→#400→#600→#1000の順番で掛けました。数字が若いほど荒いやすりです。毛流れの溝やパテとパーツの境目も出来るだけ丁寧にやすり掛けをしましょう!
気持ち的に#240のやすり掛けに時間を掛けました。
隙間埋めとやすり掛けが終わった段階でこんな感じです。

やすり掛け、隙間埋め後

だいぶ完成形に近づいてきました。画像だと分かりにくいですが、少し光っている部分が接着剤で埋めた部分です。
まだ若干細かい傷がありますが、これは次のサーフェイサーでカバー出来ます。

・塗装

 サーフェイサーには全体の色を統一する役割と細かい傷を消す役割、傷を確認する役割があります。
液状のエキポシパテをスプレーで吹き付けて細かい傷を消すイメージです(あくまでイメージ)。
またサーフェイサーには白、灰色、黒などがあり、下地となるサーフェイサーの色によって、同じカラースプレーを使ってもかなり色の明るさが変わります。髪色に合わせて選んで下さい!

ここから先、缶スプレーを使った作業をする際には出来るだけ屋外で行って下さい。また、雨の日や湿度の高い日などは塗装に悪影響が出てしまうので避けましょう。
ラッカー塗料の場合、上手く色が付かず白く濁る事もあります。
また塗装の際、要らない新聞紙や段ボールを必ず下に敷いて作業をしましょう!

 サーフェイサーはよく振って、パーツから30cm程離れた所から噴射しましょう。
 一回で全て完成させるのではなく、薄い膜を何層にも重ねるイメージで、薄く塗装→乾燥→薄く塗装を繰り返します。乾燥時間は1回に2、3時間程取っておけば安心です。

完全に元の髪色が見えなくなるまでやります。
前髪のやすり掛けした細かい傷も埋まっていますね。
 この段階でサーフェイサーでもどうにも出来なかったデコボコしている箇所や傷があれば、またエキポシパテ等で修正します。

次にカラースプレーでの塗装に移ります。

ここで少し話が逸れてしまいますが、今回塗装方法にカラースプレーを選んだ理由を書いておきます!
 まず完成度と難易度を考えると初心者にはカラースプレーが一番おすすめです。
 というのも、他の塗装方法ですと先述した通り、主に筆塗りとエアブラシになるのですが、筆塗りは慣れていないと筆むらが起きます。
そしてエアブラシはそれなりの道具を揃えるのに5万円前後掛かるなど、道具の良し悪しも、これからもその道具を使うかすら分からないフィギュア改造初心者が使うにはハードルが高いものになっています。 

 エアブラシにはグラデーションを作れるという大きなメリットがありますが、今回のような単色での塗装ならカラースプレーで十分です。
 またグラデーションがある髪型の場合だと、時間は掛かりますが、ねんどろいどの髪のリペイント代行の方がグラデーション塗装を請け負ってくださる場合があるそうです(⚠️要相談)。
 自分で道具を揃えるよりもプロにお任せするのもアリですね。

全部自分でやりたい、フィギュア塗装の筆塗りは慣れていない、単色で均一に色を付けたいならカラースプレーがオススメです。

本題に戻ります!
カラースプレーの注意事項はサーフェイサーと同じです。
 ただ、注意点としてカラースプレー(というよりラッカー系の塗料)は重ね塗りの段階で、塗装→数時間~1日乾かす→塗装という風に乾燥時間をしっかり取る必要があります!
 ここでしっかり乾燥させないと最悪の場合、完成後ねんどろいどフェイスを交換する時に髪パーツに触るだけで剥がれます。
 そして重ね塗りも終わって完全に乾燥させるには1週間掛かります。これはMr.カラースプレーを販売しているGSIクレオスさんの公式ツイートからの情報です。

 今回の場合は(重ね塗りも含めて)2週間掛かりました。
色を付けると↓のようになります。

 このままではラッカー塗料独特のテカリがあるので、次はトップコートの役割も含めて艶消しスプレーを掛けていきます。

・艶消しスプレー

長くなりましたがここが最後の工程です!
 今回は艶消しとして「クレオス Mr.スーパークリアー 溶剤系スプレー UVカット つや消し」を使っていきます。この艶消しスプレーは髪パーツだけでなく、ねんどろいどフェイスメーカーで作ったフェイスにも使います!
 

 こちらは注文したねんどろいどフェイスメーカーのフェイスなのですが、画像の上側のフェイスを見て貰うとすこしテカっている部分があります。
 到着した時にはのっぺらぼうのフェイスに注文した顔のパーツが印刷されているだけの状態で、プリント感が強いですね。
これだとどこかにぶつかったり、何かに擦れたりしただけで顔が剥げる可能性があります。
それを防ぐためにもこちらにも艶消しスプレーを掛けます。

 艶消しスプレーは、使う前に必ず5分以上は振り続けましょう!
ここできちんと中の溶剤が混ざっていないと白化(白く濁る)現象が起きます。
あとの注意事項はサーフェイサーやカラースプレーと同じです。30cm程離した所から噴射をして乾かしましょう!

乾くとこんな感じになります。一気にねんどろいどらしくなりましたね!

完成しました!

・感想

 今回オリジナルねんどろいどどーるを製作して思ったのは、資料となる2次元のイラストに忠実に作るより頭の中の“うちの子イメージ”を大切にするのが大切だという事ですね。
 資料に忠実にしなければ!と考えるより、ここは変えてもいいかも?と思った部分は思い切って変えても良さそうです。(あくまで作り手の解釈違いにならない範囲で)


 それにしても自分の頭と2次元にしかいなかったうちの子がフィギュアとして目の前に現れると感動しますね✨
一杯写真撮りたい…これからも増やしたい…

そしてこの記事でうちの子ねんどろいどどーる仲間が増えたら幸いです!


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