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アウトレイジ 最終章(2017)

アウトレイジ 最終章(2017、「アウトレイジ 最終章」製作委員会、104分)
●脚本・編集・監督:北野武
●出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、大杉漣、松重豊、白竜、名高達男、光石研、原田泰造、中村育二、津田寛治、金田時男、池内博之、塩見三省、岸部一徳


北野映画初期の沖縄シーンを彷彿とさせるようなオープニング。

アウトレイジ』に続いて再び死を暗示する黒塗りの車の真上からタイトルバック。

アウトレイジ ビヨンド』と同様に、西田敏行の存在感がすごい。

この人がいたらそりゃ『ソナチネ』みたいにはできないよねみたいな。

どこの馬の骨ともわからんやつにでかい顔されてたまるかい!」みたいな状況を説明するような台詞を言わされる役割を担っている。

今作も合間に繰り出されるギャグが異彩を放っている。

日本語喋れたんかい!的な丁寧な振りからのベタなオチ。

迷惑もハローワークもあるかい!」はアドリブ?

今日はよう、キャンプ楽しんでもらおうかと思ってな

口の中で花火上げてやるよ

それから、パーティー会場に乱入してマシンガン乱射するシーンは、『世界まる見え!』とかでガス噴射を嬉々としてまき散らすビートたけしの姿そのもの。

ほぼ同じ構図。


「殺しは突然やってくる」というのは『グッドフェローズ』での台詞だが、今作では、大友が銃を持ってターゲットに近づく→撃ち殺すがワンカットで撮られていて、タメはなく一連の動作の中で突然行われる場面が多い。

大友にとっては殺された仲間や部下の敵を討つための復讐や清算というハッキリとした目的があり、躊躇のなさがその意志の強さを感じさせる。

古臭い極道という台詞もあるが、性欲、権利欲、金欲など欲にかられたヤクザたちが多数登場する中で、義理を行動原理にした大友にとってはそのラストもニヒリスティックなものなんかではなく、きっちり「落とし前つけた」ということだろう。

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