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【母は認知症】グループホーム入居は明日!

荷物を施設に搬入し、実家へ戻る

昨日のうちに施設へ持っていく母の服に名前を記入し、歯ブラシやうがい用のコップなどを確認して、本日午前中は書類に署名・押印、コピーをとる。

午後イチでグループホームへ母の荷物を搬入。その足で実家へ。

「こんにちはー」と玄関ドアを開ける。
月日や曜日、時間の感覚が曖昧な母のため、実家へ戻るときは「ただいまー」ではなく、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」と時間を意識して挨拶しています。そのほうがよいらしい。

時計も「月日・曜日・時間・あさ・ひる・ごご・よる」が表示されるデジタル時計を置いていますが、目が悪いため、見づらいらしい。

母はやっぱり寝ていました。
「今日はお弁当(配食)がこない」と母。

あれ? 配食は今日までのはず?と不審に思い、母に尋ねる。
「昼ごはん、食べてないの?」
「食べたよ」と答える母。

おかしいな。昨日の夜、こっちに戻ってきたとき、用意したのは朝食だけ。昼ごはんはつくっていないのだが、ヘルパーさんがつくったのだろうか?

「何を食べたの?」と母に尋ねると、「テーブルの上にあったもの」という答えが返ってきた。

「それは朝ごはんじゃないの?」と娘。
「分からない。でも、テーブルの上にあったよ」と母。

だから、それは朝食だってば。母との会話は、いつもこんな感じ。まあ、いいやと娘さんはため息をつく。

いつ何を食べたのかは、この際どーでもいいのだ。母は空腹ではないようだ。重要なのは、そっちなのだ。

今度はガスが気になる母。
「お手伝いさん(ヘルパーさん)が『ガスが壊れてるって。娘さんも言ってた』って言ってたよ」

なんのこっちゃ??? 
ガスレンジが壊れてるなら、私に連絡がくるはず。と、ヘルパーさんの連絡帳を見るが、記述なし。そもそも、ガスレンジに異常があったら、連絡帳じゃなくて、電話がくるはず。

たぶん、自分でガスを使おうとしたけど、つかなかったので、壊れてると思ったのだろう。壊れてはいない。母の安全のため、母一人のときは元栓を閉め、ロックもしているだけだ。

とりあえず母を安心させる。
「大丈夫。ガスが壊れてたら、ガス会社から連絡くるから、問題ないよ」

たいせつなことは紙に書く。ひらがな・カタカナ・数字が基本

次に明日の予定の確認。
口頭だと忘れてしまうので、たいせつなことは必ず書く。100円ショップのらくがき帳に極太マジックで書く。漢字は使わず、ひらがなとカタカナ、数字だけを使う。

時間の感覚が分からなくなっているので、「明日」はNG。「1がつ31にち」と書く。

書きながら母に説明する。
「明日、お泊まりの人がおむかえにくるからね」
「明日は1月30日だよね?」と母。
「時計を見てー」とメモを書きながら答える私。

できるだけ簡潔に、箇条書きにする。

「あさ、おてつだいさんがくる。ごご、お泊まりするところの人がおむかえにくる。○○(私のことだ)もくる。よういは○○がする。まかせる」

書くと頑張って覚えようとしてくれるのだが、ときどきそれでも忘れるらしく、何度も電話してくることがある。それが夜中の1時でも…。時間の感覚が分からなくなっているから、仕方がないのだ。
ちなみに「おてつだいさん」はヘルパーさんのこと、「お泊まりするところ」はショートステイのこと。新しい用語が覚えられないので、すべて母に伝わるように変換が必要なのだ。

グループホーム入居は正しい判断だったと確信

メモを書いて、母にさりげなく「今回のお泊まりは長い」ことを伝える。

「○○先生(かかりつけ医)が、寒いのは体に悪いから、あったかいところでお泊まりしたほうがいいよって言ってたよ」

そう言うと、母はうれしそうだった。

「みんな、わたしのこと、心配してくれてんだね。ありがたいことだ」

なんだか、心が痛む。だけど、以前のような罪悪感はない。今日の母の様子を見ていたら、やっぱりここ(実家)で一人暮らしをさせるのは不安だ。膝も痛いようだし、排泄のコントロールもできていない。腰が曲がっているため、何度ズボンを上げてもずり落ちてきてしまう(一応、高齢者用の後ろが長いズボンをはいている)。そして、その格好のまま、庭を歩いたり、お客さんを迎えたり。

やっぱり、グループホーム入居を決めてよかった。そう思いながら、実家を出た。
「寒いから見送らなくていい」と伝えても、母はドアを開けて見送りをする。
そういうところにも苛立つのだが、今回はため息をついて、言葉は飲み込んだ。

母のグループホーム入居は明日である。


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