商品=授業には全く関心のない専門学校

今の理事長に変わる前、先代はもう少し授業内容や教員を大切にしていた。
専門学校の商品は授業であり教員。
そして満足度を上げるのはその質と出口である就職率。
そんなマーケティングの基本中の基本は全く分かっておらず、小学生でも分かるような「たくさん売ったらウチ儲かるよね!」方式で客を釣ろうとしているのが現理事長。

ルサンチマン丸出しで生きているこの理事長、跡継ぎ坊ちゃん見習い時代に教員に見下された過去が忘れられないのである。

現場を全く知らず自身が教育には知見も興味も無いため、授業の設計や準備、理解度を上げるための努力や評価軸は無視で「先生なんて誰でもできるよね」な感じ。

自分の代になってから朝の挨拶当番を始めたとき現場の先生から猛反対に遭ったけど、今やすっかり定着ですね、と武勇伝のように語っていた。小さい男。すっかり定着に何の意味があるだろう。そもそもこの挨拶の評判についてアンケートすら取ったこと無いはず。現場の声は全無視ですし。生徒が喜んでいるなんて話も全く耳に入ってこない。そんなことより、1時間目の授業に教員が遅れてくる、というクレームが入る。そりゃそうだギリギリまでこのナンセンスの仕事をさせられるのだから。

自身は一度も挨拶に立った事が無いから分からないだろう。20才にならんとする若者達は正門をくぐる時に気まずそうにこちらに視線を向け、気づかなかったように何も言わず通り過ぎていく。こっちは何の反応も無いマネキンにただ大声で

はよーございまーす!

を連呼する。
心がこもってないのはちゃんとバレている。
面従腹背でただロボットがマネキンに語りかけるだけの朝。

学校の朝は早く、1時間目に間に合わせる授業準備は実に大変である。
授業準備のために1時間目より30分も早くから労働時間を確保してある元々は良心的な学校だったのに、その30分をロボットでもできる仕事に充ててしまい、授業の質が確保できず従業員のモチベーションも下がっている。
こんな無駄な労働は即刻辞めるべきだ。
現場からは何度もその声をあげているが、無視して良いのが世襲中小の醍醐味なんであろう。

先代の理事長が息子を現場に紹介する際、継がせるかどうかは本人の働き振り次第だと公言した。
実際は継がせる以外の選択肢は無いくせに。
そんなの現場は分かりきってるので、二世ボンボン気楽なもんよね、と嫌味が出る。
本当の意味で先代が本人の実力を見たのなら、トップの地位は継がせなかっただろう。
ここだけではない、今や日本の多くの高度経済成長期に発展した中小企業が後継問題に直面し、安易な世襲で一瞬のうちに経営破綻の道をたどる。
少なくとも所属した組織でその例を2つみており、そのうちの1つが今の職場。

一般的な経営者は経営が行き詰まれば倒産である。しかしここの御坊ちゃまはその心配が無い。土地建物の圧倒的な資産のお陰で、この地方小規模財閥がつぷれることなんてありはしないのである。

公務員に似た職場と良く評されるが、公務員は税金で働いているので国民の厳しい監視の元に晒されている。公務員は一般人が思っているよりストレスフルな環境に置かれており、息苦しい職場である。カタチだけでも誰もが納得する書面を残していかなければならないので、有名無実の仕事を生み出す事に天才的になっていく。

今の職場ではその能力すら養われない。
「生徒が喜ぶ事をやりましょう!」とかお花畑のスローガンで毎日遊んでいる。
何なら教員にも「自分が楽しいと思う事をやろう!」である。
百歩譲ってそれで集客が見込めていたり授業アンケートの評価が上がっているなら良しとしたいが、そんな事実は一切ない。
何なら学園祭などはかったるいから行きたくないという学生の方が大多数だ。
学園祭の出席を評価に入れないと登校してきてくれないレベルになっている。
そもそも理事長肝煎の生徒募集だって、「楽しい学校ですよ!」を連呼してるだけ。
少子化の勢いを上回って在籍生徒数が激減している事実を、全て生徒獲得の方法に原因があると考えており、現場の教員を土日に営業に駆り出し、かといってトーク集を作るでもなく漫然と「楽しい学校ですよ!」とアピールさせている。

期初のキックオフでは何と、多くの時間を割いて広報の成功事例だけを語り、広報のメンバーにインタビューなんかしちゃって、学校としての商品の質に言及があることはなかった。先生より広報の方が偉いんだというヒエラルキーを作り出し現場を分断し、何なら組織図まで変えてしまって広報の下に教務がぶら下がる始末。
ルサンチマンの闇を目の当たりにした。

無能な経営者の下についた人間は不幸である。
負ける戦争に向かってただ前進するように指令を出し続けたあの不幸な時代を想起させる。
すごい勢いで減り続ける生徒数を、現場の先生駆り出して営業させて補填するつもり。
こんな分かりやすい無能を晒して恥かかないで済む裸の王様が出来るのは、単に彼がお金持ちの家に生まれたから。
世間を賑わす専門学校の淘汰や無能理事長が起こした死亡事件等市場の話題には全く触れず、ただただ自分のお気に入りの可愛い女の子を集めた広報の手柄(いやよく考えて、生徒減ってますから)だけを強調していた。
私有財産制を本気で無くすべきだと人生で最も強く感じている。

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