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「#オンラインライブハウス_仮」が始まって

#オンラインライブハウス_仮 に関する記事です
初めての方は、まずコチラ(「#オンラインライブハウス_仮」を開始するにあたって)をお読みいただけるとスムースかと思います。

かなりバタバタしております。
業界向けの説明会も3回実施。

5月6日 Sundayカミデさん公演
5月13日 FM802弾き語り部公演

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こちら2公演を終えて現時点でのご報告と、今思うことをまとめます。

#オンラインライブハウス_仮 は「ZOOMウェビナー」というプラットフォームを使用し、オンライン上の仮想空間をライブハウスとし、いくつかの機能による来場者とのコミュニケーションを基に、出演者・スタッフによる完全生の動画配信を行います。

その上で、2回の実施でのいくつかの課題。

【A】ZOOMが会議用(会話をスムースにする為に)に開発されていることにより、音声や映像の解像度や再生領域が音楽を届けるには少し物足りない。

【B】チケット購入後、ZOOMにログイン(来場)する過程で操作がうまくいかないお客さまが発生してしまった。

【C】ZOOMのUI(ユーザーインターフェイス)に不慣れなお客さまにとって、他サービスと比較した時の操作・視聴環境に不満を感じられることがある。

【D】「キャパシティを設定する事」の目的やメリットを、体感として伝えきれないお客さまもいた。特に購入できなかったお客さまにとっては「オンラインなのに何故、人数制限をするの?」という気持ちにさせてしまった。

細かい部分は他にもありますが、一旦このような所かと思います。
「開場(ログイン待ち時間)中に、スタッフが登場するまでのご案内に音声が必要」や「わかりやすい説明」などは1回目と2回目で改善を試みる事ができました。
第1回目で実施側も不慣れがある中、ご来場頂いたお客さまには、優しくお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。

課題に対する対応を以下のように考えております。

【A】様々な機材やアプリケーション・設定を検証、また配信元(出演者)の環境をサポートすることで音声・映像のクオリティをどれだけ向上する事ができるか、日々検証・実験中です。

【B・C】事前のご案内、開場時間でのご案内をより分かりやすく明確にする事で、一定数は解消可能な部分かと考えます。サービス向上に向けて日々ご案内の作業を進めさせていただいております。
また「#オンラインライブハウス_仮」は「ZOOM ウェビナー」を使用する事が前提にある訳ではなく「キャパシティを設定し、不特定多数(どこかの誰か)に向けてではない、そこに居るあなたに向けたライブパフォーマンスをオンラインでお届けする」という「考え方と仕組み」をご提案・提供するものですので、ZOOM以外での、より適したプラットフォームの検証・開発も視野に入れながら進めていきたいと考えております。

【D】これが一番重要な課題です。「オンライン上でキャパシティを設定する」というものが、そもそも「オンラインの(無制限に広がる、何人でもアクセス可能な)価値」と真逆にあたる行為だからだと考えられます。
オフライン(実際のライブ会場や劇場小屋)では価値の感じられる「一定の空間での体感」をオンライン上でも実現可能なのかどうか?、そういう問いかけだとも受け取っています。
この部分に関しては、現状はまだ仮説段階でもあり、繰り返す公演の中で立証していくべき部分だとも思います。参加いただいた方々に、その価値を感じていただけたかどうか、また出演者にとってオンライン上での不特定多数に向けたパフォーマンスとの違いを提供できるかどうか、を今後の公演を行う中で、よりその価値を体感・提供できるディテールを追求していきたいと考えています。

ここまでが実際にZOOMウェビナーを使用し、2回の公演を実施した上での課題と反省・改善点になります。

そして、あともう少しだけ。

今とても早いスピードで動画生配信のサービス・プラットフォームを各社が開発を進めていて、たくさんの情報や企画のご提案も頂きます。
その中で多くのサービスが追求しようとしている共通すること。

・配信映像と音声のクオリティ向上
・セキュリティの強化
・動画視聴と課金システムのシームレスモデル

概ね、この3つのポイントを重要視したサービスが多く見受けられます。
簡単に言うと「事務所とプラットフォームでできちゃいますよモデル」です。+αで(無観客ライブ配信などのライブハウスやスタジオなどの)場所を有するモデルがあるくらい。
基本的には、どのモデルも「よりたくさんの人に届ける」という部分は違いがありません。

もちろん(課題【D】でお話しした様に)インターネットでのコンテンツ提供における「正しい形」である事は間違いないと思います。これらによって、よりスムースな動画配信や作品発表が可能になり、高い利益率でビジネス展開できるとも思います。

ただ重要視する事項が、この3ポイントのみの場合、クオリティやトラブルリスクを重視する為に「生である必要性」が軽んじられ、録画・録音作品と生演奏などのライブ表現の差異が極限まで曖昧になってしまうのではないかという不安もあります。

また、これら以外の生配信の形としてあるものが「カジュアルなライトコンテンツでデジタル投げ銭の授受をするアレ」だとしたら、文化的表現におけるオンライン、生配信での選択肢が、本当にその方向だけで良いのかはとても不安です。

これまで音楽や様々な文化が、育まれたり楽しまれたり、表現されてきた場所は、隔たりのないオープンな空間ではなかったはずです。
不特定多数のどこかの誰かに向けたものではなかったはずです。

一定の隔たりの中で安心して表現できるパフォーマンス。
そのパフォーマンスを安心して体感できる仕組みと空間。

それらがオンライン上でも実現するのか、その仮説が価値のあるものと思ってもらえるのかどうか、引き続きやれる所まで頑張ってみようと思います。

次回以降の公演など、http://onlinelivehouse.jp/ をご覧ください。

チャレンジを共にしてくれる出演者やスタッフ、
関係者の皆さまへの感謝の気持ちと合わせて、共に記録します。

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