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GCPに精通したスペシャリスト目線で見て、GCPってどうですか?【エンジニアチームコアメンバー座談会-中編】

こんにちは!GI Cloud note編集部です。
前編に引き続き、GI Cloudのエンジニアチームを率いるコアメンバーによる座談会中編をお届けします。中編では、めまぐるしくアップデートし続けるGCP界隈の情報をエンジニアはどうキャッチアップしているか、最近気になった情報も合わせて聞きました。ぜひご覧ください!

※後編は9月10日公開

技術者集団のスタートアップ企業GI Cloudができるまで【エンジニアチームコアメンバー座談会-前編】



めまぐるしくアップデートするGCP最新情報
どうやってキャッチアップしていますか?


——
Google IOやGoogle Cloud Dayなど今年行われた講演でどんな情報が気になりましたか?


Aさん
ML(機械学習)やAI(人工知能)ですね。DeNAさんの講演では、マーケティングにMLを導入することで価値を創造するフェーズの話が聞けました。

Google Cloud INSIDE SaaS 2021年6月24日/7月1日
※講演資料 DeNA のマーケティングを支えるデータ分析


——具体的にどんな業務にAIを活用しているのでしょう?


Aさん
DeNAさんのアプリやゲームは全て裏で膨大なデータが蓄積されており、それを機械学習で分析して利益の予測をするわけですが、研究開発ではなく日々の業務に組み込んで動かして利益を出すフェーズならではの「具体的に困っていること」「こういう工夫をしている」といったことが聞けたので、すごくよかったです。


——実際動かしてみないと分からない部分をスモールスタートして検証しているんですね。

Aさん
自社サービスを持つ会社の強みですね。受託開発メインだと手を出しづらいところですが、AIのサービスはこれからどんどん需要が広がっていくので、自分たちの情報事業領域を広げる視点でも注目していきたいと思っています。

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Bさん
Google Cloud DayはGCPを利用するユーザー側の事例紹介で興味深いものが多い印象でした。Disaster Recovery(DR)に関するセッションは実際の事例をベースに解説されていて面白かったです。今の世の中ってDR …要はサーバーに問題が起きてもシステムが影響なく動き続ける仕組みが重要視されていますし、システム開発においても欠かせない観点です。

●Google Cloud Day 5月27日  DAY 3 - ブレイクアウト セッション
ソフトウェア開発基盤の Google Cloud 移行によるコスト削減とDisaster Recovery 環境の最適化事例


Bさん
ゲームプラットフォームのバックエンドをGoogle Kubernetes Engine(GKE)で構築するセッションでは、技術領域的な話で「そういうプロトコルを使ってるんだ!」といった部分が面白かった記憶があります。リアルな経験を元に発表されているので有用性が高いものが多く、「ああ、そんなところではまるんだな」みたいな発見もあり、そういったところを中心に見ていくとGoogle Cloud Dayなどのイベントも楽しめると思います。

※該当講演確認

●DAY 1 - ブレイクアウト セッション 5月25日 Google Cloud で実現する大規模マルチプレーヤー ゲームの作り方

●DAY 2 - 5月26日
ブレイクアウト セッション DeNA ゲーム基盤における Google Cloud Spanner の活用事例

or
パートナー セッション 1 Game Servers と Agones でリアルタイム マルチ対戦ゲーム環境の構築

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Cさん
重点的に見たのは、GCPが提供するプロダクトの最新情報をGoogleの人が紹介するセッションです。私はGCP認定トレーナー資格があり全体的な知識は持っているものの、最新情報を見ると私がトレーナーになった時点の知識が古くなっていて、日進月歩の世界って本当にあるんだなと実感しますし、トレーナーの看板を掲げるのであれば常にGCPの最新情報やより便利な使い方を知る努力が必要だと改めて意識しました。

また、GCPは日々のアップデートでプロダクトをより良くしていこうという動きが活発で、先行する2大クラウドベンダーを巻き返す勢いを感じたのも面白かったです。

●Google Cloud Day 5月25日 DAY1 - ブレイクアウトセッション
What's new in Google Kubernetes Engine.

●Google Cloud Day 5月26日 DAY2 - ブレイクアウトセッション
最新機能を適用した Secured Cloud Run 2021

●Google Cloud Day 5月26日 DAY2 - ブレイクアウトセッション
Cloud SQL 最前線 〜最新機能紹介と利用前に確認したい 5 つの設定〜

 Google Cloud Day 5月26日 DAY2 - ブレイクアウトセッション
Google Compute Engine 最新アップデート

 


——ご自身で作る資料もどんどん変わっていくんでしょうね。


Cさん
資料を作成する際には作成した日付を明記するような工夫が必要になってくると思います。記載してある情報がいつの時点のものであるか、そしてそれを参照する時点においては古い可能性があることを念頭に置く必要があるということです。例えば今の時点で開発したシステムと同じ構成で別のシステムを構築することは時期が近ければで可能と思いますが、2〜3年も経つとそうではなくなっていることも怖いところです。


——ちなみに、日常的な情報のキャッチアップはどうしていますか?


Cさん
Slack上に流れてくるGCPに関するリリースノートのRSSフィードを眺めるくらいですかね。興味を持ったことや直近で触るかもしれないプロダクトは都度情報を見ますが、日常的に情報を巡回することはあまりないですね。


Aさん
僕はTwitterです。自分が気にかけていない領域で盛り上がっている話題をキャッチアップできたり、新しい技術に対してエンジニアのリアルな反応が見られるので。


Bさん
僕はRSSフィード中心ですね。興味があるところに絞って情報収集したいので、RSSを見て気になるものはググってその後Twitterの反応を見るとか。アプローチがAさんとは逆かもしれない。


Aさん
RSSも見てはいますけど、自分の興味がないことはスルーしてしまうケースが多いですね。


——RSSフィードって日々読み切れないぐらい流れているものなんですか?


Aさん
追うのが大変です。


Bさん
毎日100ぐらい取るのでRSSだけで未読が今1000ぐらいあります。


——私はTwitterで有識者をフォローして彼らがざわついていると見に行きます。RSSでのピックアップを誰かが代わりにやってくれる感覚です。


Aさん
自分も割とそっちですね。


——非常にわかります。RSSをきちんと追っているのがすごい。


Bさん
きちんとかは分からないですが。


Aさん
Bさんは真面目なんですよ(笑)。


GCPの魅力と強みは
インフラの安定性、使いやすいUI、知見を活かす楽しみ


——GCPに日々接する中で、魅力的なところや強みだと思うところを聞かせてください。


Bさん
インフラの安定性ですね。特にKubernetes(GKE)まわりは1番最初に出てきたコンテナ系を扱うクラウドサービスなので、その辺の安定性はGCPが1番高いような気がします。

僕はWebアプリケーション開発の視点が強いですが、GCPはサーバーレスサービスの充実度が最も高いクラウドサービスなんじゃないかと思っています。Cloud Runや関数を実行するFaaS系のCloud Function、Webアプリケーションを実行するGoogle App Engineなど、ほかのクラウドサービスに比べて選択肢の幅がかなり広いと思います。開発ツールの充実度やスケーラビリティの高さ、ネットワークの速度も加味すると、サーバーレスでシステムを構築する場合、選択肢の筆頭に上がってくるんじゃないかな。


Aさん
YouTubeやGmail、GoogleマップといったGoogle提供のコンシューマに直結するサービスは基本的にバックエンドでGoogleの技術が使われていて、GCPはそれをベースにパブリッククラウドとして提供しているので、すごく説得力があります。

技術領域では、AIや先ほども出たKubernetesなどのコンテナ技術などGoogle主導で開発している分野も少なからずあり、クラウドサービスとしていち早く導入されるケースもあります。またエンジニア目線でいうと他のクラウドに比べてGCPは「エンジニアが作ったサービス」という感じで使いやすいインターフェースになっていると思います。


Cさん
AWSやAzureは特定の用途やユースケース向けのサービスがあって、GCPはそれらに比べると提供するサービスの数が少ないのですが、「アーキテクチャを自分たちで考えて、それを実現するために最適なプロダクトを選定して組み合わせていくもの」という思想・考え方が感じられて、自分のエンジニアとしての知見を活かすことができる楽しみがあると感じています


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GCPを扱う上で大変なところはずばり
エンジニアがなかなか見つからないこと


——GCPはエンジニアが使いやすい作りになっているんですね。とは言え大変なところはありますか?


Cさん
よく「情報が少ない」「公式ドキュメントがイマイチ」などと言われるように、参考になる情報が少ないところが大変かなと思います。「調べる」というスキルを培える要素もあるので一概にデメリットとは言えませんが、他のクラウドに比べると世に出ている事例も少ない印象がありますね。

人材確保という意味ではそもそもできる人が少ないことがあります。人材サービスで検索ワードに「GCP」と入れるとごそっと検索結果が減ることを最近実際に経験もしていて、GCPをすぐに使える人がなかなかいないのが大変なところだと感じます。


Bさん
AWSの方が細かい設定ができるので「AWSだとできるけどGCPではできないの?」ということがたまにあって困ったりしますね。Cさんが言う通り、GCP人口を僕らが増やしていきたい気持ちはあるものの、現状ではほかのクラウドに圧倒されているとひしひしと感じます。


Aさん
まず、クラウドの出現によりインフラが民主化してインフラエンジニア以外でも扱えるようになり、アーキテクチャーの設計・構築ができるようになった。その後ビッグデータが民主化し、BigQueryによってペタバイト級のデータを誰でも扱えるようになりました。今はそれがAIに移っていて、それまではデータサイエンティストしか扱えなかった分野が、アカデミックな知識がなくてもエンジニアであれば触れるようになっています。今後それが量子コンピューターになっていくと想像すると、エンジニアにとってやりがいや楽しみの部分である反面、カバーする技術領域が広がっているためちょっと手間がかかりますね。



GI Cloudのエンジニアは情報に接する手段も視点も見事に人それぞれで、三者三様の専門領域を極めていく姿が伺えました。
後編も、GCPの魅力と課題、社内のオンライン会議で行われているというバトルの話から、エンジニアとしての将来像まで盛りだくさんの内容でお届けします。お楽しみに!

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