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ナポリの物語

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エレナ・フェッランテ『ナポリの物語』関連の記事を集めています。その他、ナポリの雰囲気を伝える記事も加えてもいいかな。
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日経新聞、朝日新聞にて紹介!
ひりひりする嫉妬まじりの憧れと友情。世界中の女性が夢中になっている『リラとわたし ナポリの物語1』公開vol.1

日経新聞、朝日新聞にて紹介! ひりひりする嫉妬まじりの憧れと友情。世界中の女性が夢中になっている『リラとわたし ナポリの物語1』公開vol.1

ナポリ出身の謎の覆面作家によって書かれた『リラとわたし ナポリの物語1』。ヒラリー・クリントン、グウィネス・パルトロー、ジュンパ・ラヒリといった女性著名人をはじめとした世界中の女性の心を掴み、全世界で累計550万部を突破した本書は、早川書房の社員が6月に欧州へ出張にいった際も、行く先々で話題となり本書について語る女性たちの熱量に驚いたといいます。

早川書房でも5月から読者モニターさんを募集したと

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「いつかの自分をみているよう」世界中の女性の共感をよぶナポリ発人気作『リラとわたし ナポリの物語1』とは?訳者あとがきを公開。

「いつかの自分をみているよう」世界中の女性の共感をよぶナポリ発人気作『リラとわたし ナポリの物語1』とは?訳者あとがきを公開。

訳者・飯田亮介氏によるあとがき 本書は、2011年に刊行されたイタリア人作家エレナ・フェッランテ(Elena Ferrante、1943年ナポリ生まれ)の長篇小説L’amica geniale第1巻の翻訳である。原題は「天才的な女友だち」を意味するが、邦訳では全体のタイトルを『ナポリの物語』とし、第1巻タイトルを『リラとわたし』とした。

 女の友情、という言葉を聞いてあなたはどんな印象を持つだろ

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「ナポリを見て死ね」のナポリとはどんな町? 『新しい名字 ナポリの物語2』の訳者が描く港町の肖像

「ナポリを見て死ね」のナポリとはどんな町? 『新しい名字 ナポリの物語2』の訳者が描く港町の肖像



エレナ・フェッランテ『新しい名字 ナポリの物語2』が早川書房より6月1日(金)に発売されました。全世界で累計2000万部を突破している驚異の4部作の第2巻にあたる本書では、ナポリで育った主人公のエレナと親友リラの運命が劇的に変化します。

本書の翻訳者は、前巻『リラとわたし ナポリの物語1』にひきつづき飯田亮介さん。イタリアに暮らし、『素数たちの孤独』や『復讐者マレルバ』などイタリア発の名作の

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どうしてエレナがレヌッチャになったり、レヌーになったりするの? 『逃れる者と留まる者 ナポリの物語3』のあとがき公開。

どうしてエレナがレヌッチャになったり、レヌーになったりするの? 『逃れる者と留まる者 ナポリの物語3』のあとがき公開。



はじめまして、エレナ・フェッランテ『ナポリの物語』シリーズ(早川書房)訳者の飯田亮介です。イタリアの人口千人未満の過疎の村に住んでいます、、、が、詳しい自己紹介はまた今度ということで、とりあえずはじめての投稿はタイトルどおり、第3巻『逃れる者と留まる者』のあとがきを公開してみたいと思います。第1巻『リラとわたし』と第2巻『新しい名字』のあとがきは早川書房公式noteのほうで公開されてますので、

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今まで書いた中で多分いちばん自己満足色濃厚なあとがき 
『失われた女の子 ナポリの物語4』のあとがき公開。

今まで書いた中で多分いちばん自己満足色濃厚なあとがき  『失われた女の子 ナポリの物語4』のあとがき公開。



こんにちは。ときどきヒツジの数のほうが村人の数よりも多くなる、イタリア中部の過疎の村に住む、翻訳家の飯田亮介です。みなさま、いかがお過ごしですか。この冬は雪どころか雨もろくに降らず、夏の干ばつが今から心配です、、、が、身の回りの話はまた今度ということで、先日の第3巻あとがきに続き、お約束どおり、第4巻あとがきをお届けします(1巻あとがき、2巻あとがきはこちらをご覧ください)。

すでに第3巻あ

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「女性の物語」との和解ー『ナポリの物語』

「女性の物語」との和解ー『ナポリの物語』

私は長いことフィクションの「女性の物語」が苦手だった。今もまだ完全に和解できているとは言い切れない。それでもこの数年で以前よりも幅広いストーリーに接したおかげで随分とわかってきたことがある。自分の思考の整理も兼ねてこれまでの経緯とターニングポイントとなった作品について書いてみたい。

子供の頃から小説が好きでよく読んでいた。フィクションの物語が好きだったけど地方で映画は超大作をたまに観る程度、テレ

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誰かと内容を語り合いたいと本気で思った本、エレナ・フェッランテ『逃げる者と留まる者』レビュー

誰かと内容を語り合いたいと本気で思った本、エレナ・フェッランテ『逃げる者と留まる者』レビュー

★トップの写真はサンテルマ城から見下ろしたナポリの街並み。ちょうど去年の今頃はナポリを含む南イタリアを旅行中だった。ナポリはまた絶対に訪れたい街。

※最後の方にネタバレ含みます。

エレナ・フェッランテ『逃げる者と留まる者』(訳:飯田亮介)を読了した。ずいぶん時間がかかったが、言い訳をすると、物語に夢中になっている反面、終わらせたくない、という矛盾した感情が終盤にもつれ込んできたからだ。

『ナ

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こんな本に出会えるから、読書は辞められない。類まれなる読書体験を与えてくれた、傑作フェッランテ。

こんな本に出会えるから、読書は辞められない。類まれなる読書体験を与えてくれた、傑作フェッランテ。

※ネタバレあります。ごめんなさい。

とうとう読み終えてしまった。エレナ・フェッランテ作『ナポリの物語』四部作。最終章を読み終わったのは、まさにホリデーに向かう機内で、思いがけないラストにおいおい泣いてしまった。しかし、有難いことにフェイス・マスクでなんとか涙を隠すことができた。

基本的に「去る者は追わない」性格なので、「~ロス」などを感じたことはなかったのだが、今回は「フェッランテ・ロス」とも

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1年でナポリに3回行った話 [1]

1年でナポリに3回行った話 [1]

はじめに「ナポリを見てから死ね」などと言いますが、この1年間でナポリに3回も行ってしまったので、そろそろ死んでしまう前にナポリのことを書いておこうと思います。

というのも、「ナポリ 観光」あたりで検索しても内容の薄いまとめブログや、「ナポリのオススメ観光スポットXX選」のようなクラウドワークスあたりで量産されている類の画一的な内容しか出てこないからです。少しでもインターネットのお役に立てるよう、

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