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フリーランスになって初めて、国保と住民税の納付書が来たけど、納付額が正しいのか判らなかったので自分で納付額を計算して答え合わせしてみた

イントロ

今年からフリーランスのエンジニアになったけど、いよいよ国民健康保険と住民税について理解する時がきた。

6月、「令和 5 年度 市民税・県民税 (税額決定 | 納税) 通知書」と「令和 5 年度 国民健康保険料 納入通知書」が届いた。来ることは知っていたけど、ポストから取り出した二通の封筒を手にとって、ババ抜きでジョーカーを引き取った時みたいな顔で睨む。

フリーランス一年目の保険料と住民税は会社員時代の給料を基準にするから覚悟しておけ」という忠告は、フリーランスになる前にいろんなところで見かけていたので、封筒を開封する手もぶるぶる震える。宝くじの当選番号を確認するみたいに、納付額を指で隠して、少しずつ指をスライドさせながら一桁目から順に開示していく。

住民税「285,500 円です」

国保「422,700 円です」

…………まあだいたい予想してたけど、内蔵に響く重いパンチを喰らったみたいだった。

日本国民なのでもちろん支払う。血涙を流しながら血がにじむほど唇を噛み締めて、支払う。ただどんな計算が行われた結果、この納付額が算出されたのかきちんと知っておかなければいけないと思った。意味がわからないまま納付するのと、きちんと理解してから納付するのでは心持ちも変わってくるはずで、そもそも 31 歳にもなって住民税と国民健康保険についての知識がなさすぎる。これまでは会社員だったから、会社がぜんぶやってくれていた。住民税も社会保険も給与明細上にならぶ数字でしかなく、そこに痛みは伴っていなかった。

それがフリーランスになるといちど手元に来たお金から、自発的に支払うことになる。そこには痛みが伴った。激痛だった。いてえ。まじでいてえ。住民税パンチと国民健康保険キック。これから毎年これをくらうことになると思うと恐怖に襲われた。パートナーが仕事をやめた場合どうなるんだっけ、子供が産まれたらその分の支払いも増えるんだっけ。判らん。何も判らん。こええ。こわすぎるよぉ……。

恐怖というのは、知らないことと、わからないことで構成されているというのは以前どこかで聞いた言葉だけれども、とりあえず恐怖の対象に関してはとことん調べるしかない。調べて理解してしまうしかない。理解できれば、対応を考えることができるようになる。なので、まず住民税と国民健康保険について調べることにした。

フリーランス一年目の国保と住民税

納付書に書かれている情報をまとめる

住民税の納付書に記載されている情報

給与所得 : ¥ 5,622,028
総所得 : ¥ 4,056,000
所得控除額 : ¥ 1,229,043
課税所得額 : ¥ 2,826,000
市民税 : ¥ 227,500
県民税: ¥ 58,000
市県民税(市民税 + 県民税) : ¥ 285,500

所得控除や、市県民税の計算の計算に必要な値も記載されていて意外と詳細に書かれているんだなという印象。

あと去年の給与所得が 5,622,028 円なのを初めて知った。

国民健康保険の納付書に記載されている情報

賦課基準額 : ¥ 3,626,000
国民健康保険料(基礎分) : ¥ 280,900
国民健康保険料(基礎分) : ¥ 141,800
国民健康保険料(合計) : ¥ 422,700

たっけ〜。自分の中のエドワード・エルリックが「畜生ォ。持って行かれた……!!」って言ってる。本当に等価交換してるか?

あと賦課基準額って言葉は初めて聞いた。そもそも賦課が読めんかった。

フリーランスになってからの月収が 600,000 - 700,000 円だから、だいたい一ヶ月分くらいは住民税と国民健康保険を払うために働いてるってことになるのか。……うぅ。

で、とりあえずこの納付額がどういう計算で求められているのかを自分は知りたい。今の自分にとっては完全にブラックボックスなので、計算式を知ることで、コントロール可能な変数はあるのかどうか、そしてどの変数を調整すれば納付額を小さく出来るのか、それが知りたい。

なので、計算方法を調べていくことにする。

住民税と国民健康保険料の計算方法を調べる

住民税の計算式

市民税
所得割額の税率: 8% (福岡市)
均等割額: 3,500 円
調整控除額: 2,000 円

なので、市民税の計算は下記のようになる

所得割額 = (年収 - (給与所得控除額 + 所得控除額) * 8%) - 基礎控除額
均等割額 = 3,500 円
市民税 = 所得割額 + 均等割額

実際計算したら、納付書通り 227,500 円になった。

県民税

所得割額 = (年収 - (給与所得控除額 + 所得控除額) * 2%) - 基礎控除額
均等割額 = 2,000 円
市民税 = 所得割額 + 均等割額

実際計算したら、納付書通り 58,000 円になった。

で、市県民税は市民税と県民税の合計なので 227,500 + 58,000 で、285,500 円で納付書通りの金額になる。

市県民税を計算してみてわかったことは、変数は年収、給与所得控除、所得控除、の部分だということ。

会社員時代はこの年収の部分が、コントロールできなかったけど、フリーランスになると経費が使えるからこの年収がコントロール出来るようになってるんだと思う。給与所得控除はフリーランスだと関係なくなるって認識だけどあってるのかな。所得控除も変数だけど、節税のためにどうにかできる値ではなさそう。

つまり経費でいい感じに収入を下げるくらいしかできることはないってことになるけど、あってるかな。

国民健康保険の計算式

賦課基準額 = 総所得 - 住民税の基礎控除
国民健康保険 (基礎分) = 賦課基準額 * 6.64% + 均等割額 + 平等割額
国民健康保険 (支援分) = 賦課基準額 * 3.39 + 均等割 + 平等割

これで実際に計算すると、納付書通りの 422,700 円が導出できた。

住民税の基礎控除と、所得税の基礎控除は違うものらしい。

均等割りは固定値で、ひとりひとりが収める。平等割も固定値で世帯が収めるもの。

国民健康保険は変数として扱えるのが賦課基準額だけで、つまりは住民税と同じように年収部分くらししかない。

つまるところ、住民税も国民健康保険も納付額を小さくしたいなら年収を小さくするしかなさそうということがわかった。

実際に計算してみての感想

自分の納付額があっていることを自分で計算して確認できたので、安心できた。確かめ算なんて学生のテストのとき以来な気がする。

あと、節税とかの記事を読んでもいまいち理解できていなかったけど、今回用語の意味の整理もできたことで、関連記事の文章で正確に読めていなかったところが読めるようになった。
給与所得控除と所得控除がまったく違うものであるということも、実際に計算してみないと自分は気づけなかったと思う。賦課基準額という言葉も、国民健康保険料の計算に住民税の基礎控除額を使うことも、なにもかも知らなかった。

フリーランスになると節税対策って言葉をよく見かけるけど、難しいことを言われてもわからないし、簡単な言葉で言われてもそれが正しいのかどうか自分で判断できなくてみぞみぞしたいた。

こうやって少しずつリテラシーを強化して、節税対策をするにしてもネットの記事や動画をなんの理解もしないまま手順だけなぞってしまうのではなくて、きちんと理解した上で、ネットの情報を参考にしながら自分にあった節税方法を構築していければいいなと思った。

納付書に書いてあった金額を自分で計算して同じ値を出してみるという完全に車輪の開発っぽいことをしてしまったけど、やってよかったと思う

終わり🍵

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