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ブラックスワンに対応する唯一の投資手法

みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。

来週はお盆ウィークですが、今年は例年と違った形を取らざるを得ない家族が多いかと思います。

GO TO トラベルキャンペーンも賛否両論ある中で、やはり今の感染拡大状況を見る限り、帰省する方も受け入れる方も特別な配慮、対応しない限りは難しい社会情勢ですしね。

「自分は大丈夫!」と思う気持ちもわかりますが、リスク管理は投資だけでなく、健康管理上も大切な考え方です。ぜひ一人一人の心掛けでこの危機を1日も早く乗り越えていきましょう。

良い連休をお過ごし下さい!

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投資における成功の極意は○○○!
成功するには失敗がつきもの

いきなりですが、投資の世界で成功する極意を教えましょう。

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それは「リスクに対して適切に対応すること」です。

極意でもなく当たり前のことかな?そんな声も聞こえてきそうですが ^ ^ きっと、ほとんどの方が大なり小なり、投資においては何らかの失敗を経験してきたことでしょう。大きな経済的損失を出した時の心理的な負担、リスクの怖さについては身をもって感じられてきたでしょうし、もう二度と同じ失敗をするものか!と心に誓ったことと思います(私自身も何度も誓ったものの、それでも同じような失敗を繰り返しちゃいます・・汗)。

ただ、投資でもビジネスでも、そしてスポーツの世界においても、あることにチャレンジをする場合には失敗はつきものですし、逆にリスクがゼロのところには成長も成功もありません。

長いプロ野球の歴史で、日米通算4367安打の世界記録を樹立したイチローでさえ、10回打席に立てば6回以上は失敗をする訳ですから、失敗することは当たり前として考えた方が良いです。

世界の発明王《トーマス・エジソン》もこう言っていますよね。「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ。」と!

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また、失敗したくないからといってリスクをゼロにすることは出来ませんが、リスクがあるからといって前に進むことをやめれば、それは後退に繋がります。ここで大切なことは、リスクは怖いように思われますが、必要以上に怖がる必要はないということです。

・どこにそのリスクは存在するのか?
・いつそのリスクは顕在化しそうなのか?
・そのリスクはどの程度発生する可能性があるのか?
・そのリスクが発生した場合の影響はどの程度か?
・事前に防ぐ具体的な手立てはあるのか?

まずリスクの存在を的確に捉え、それに対してどのように対処することを知っていれば、決して恐る必要はありません。

ただ、正直なところ、我々が考えても考えても、想定しなかったリスクが起きることはありますし、起きた時の被害がとてつもなく大きいケースに遭遇してしまうこともあります。

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足元に広がるリスクを見て
将来取るべきアクションを考える

2020年。世界中を奈落の底に叩き落とした【新型コロナウイルス(COVID-19)】。このウイルスの出現については、世界中でほとんどの人には予測不可能でした。現在もなお、どの程度まで感染拡大するのか、そしていつ収束するのかが全く見えていない状態にあります(ワクチン求む~~)。

生命に関わるところであり、私は医学の専門家ではないので、あまりはっきりとしたことは言えませんが、少なくともこのウイルスが世界経済に与えたインパクトは甚大であり、様々なエリアに影響が及んでいることは明確です。

いくつかのリスクファクターおけるメインシナリオと更なるリスクについて、三井住友DSアセットマネジメントが出しているレポートがあったので、そこから主なものを取り上げてここでご紹介します。

▼新型コロナウイルスのリスクー先進国の感染再拡大
・メイン:局所的な感染再拡大による一時的鈍化はあるが趨勢としては経済活動再開継続。
・リスク:感染再拡大が大規模化、移動制限再強化で年後半にサービス消費が大幅減

▼新型コロナウイルスのリスクー中国景気・雇用
・メイン:経済再開・財政金融政策の動員により雇用の大幅悪化回避。
・リスク:感染再拡大による生産回復鈍化・政策の遅れなどで雇用が悪化

▼新型コロナウイルスのリスクーワクチン・治療薬の開発
・メイン:段階的に開発が進展するが、広く普及するのは2021年後半以降
・リスク:ワクチン・治療薬の開発

▼米中対立
・メイン:香港問題などを巡り批判の応酬、外交的措置や個別企業・個人への制裁は行われるもの の、経済問題とは分離、通商の部分合意は維持
・リスク:通商合意の破棄などマクロ景気に悪影響を与える制裁の応酬へ

▼新興国経済・金融
・メイン:主要国の長短金利の低下と、国際的なセーフティネットにより危機は回避
・リスク:資金流出・通貨下落が加速、多くの新興国で金融環境がタイト化し景気悪化

▼金融市場の不安定性
・メイン:先行きの不透明性への警戒と低金利の綱引きの下で段階的にレンジが変化。
・リスク:過剰な楽観(景気・低金利持続)と失望により金融市場が大幅に変動

▼原油価格
・メイン:過剰供給を回避、世界景気の持ち直しもあり、下げ止まり傾向を継続。
・リスク:協調体制の不調などから供給過剰が再燃、原油価格大幅下振れ

▼米国大統領選
・メイン:トランプ大統領と中道派のバイデン候補の対決により、市場への影響は限定的
・リスク:バイデン氏・民主党の支持率上昇の下、増税、規制強化懸念が浮上

(三井住友DSアセットマネジメント「投資環境の見通し」から引用)

みなさんが考えている世界経済に関係するリスクは、ある程度網羅されていましたか?

もちろん小さなリスクまで挙げればキリがないですが、こういう時に投資家として大事なことは、「こういうリスクが起きた場合には、○○○○○○○になっていくと推測されるから、今のうちに○○○○○○○しておこう!」という発想をどれだけ持てるか、そして迅速に行動できるかが、勝負の鍵になってくると思われます。

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100年に一度の危機が連発する!?
ブラックスワンはもはや珍しくない・・

さて、突然ですが、あなたは【ブラックスワン】という言葉を聞いたことがありますか? 普段から投資について学ばれているリテラシーの高いGIA通信の読者様なら必ず知っている言葉でしょう。

ブラックスワンとは、英語で羽毛が黒い白鳥のことを指します。欧州では、もともと白鳥はすべて白いと考えられていましたが、1697年、オーストラリアにて羽毛の黒い白鳥を発見。それ以降、想定外の事態が起こり得ることの喩えとして使われるようになりました。

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金融の世界においては、ここ10年振り返るだけでも数々のブラックスワンが発生しています。例えば、2008年に起きたリーマンショックは100年に一度の金融危機と言われましたが、その後も2016年6月の英国EU離脱、さらには同年12月の米国トランプ大統領当選などが挙げられます。

日本では福島原発事故などがその際たるものですし、現在進行形でいえば、中国の三峡ダムの決壊懸念も、ブラックスワンに近い例として考えられるでしょう。

何れにしても、我々はブラックスワンを事前に予測することは難しいですし、特に投資の世界においてはそうした《不確実性》から逃れられることは難しいと言えます。でも難しいのは、繰り返しになりますが、不確実性があるから市場に参加しないのでは、決してそこからリターンを得ることが出来ないのです。

では、そうしたブラックスワン(テールリスク)に備えつつ、実際起きたとしても被害を小さくして、そして出来るだけ大きなリターンを得るために、我々が取るべき戦略は何だと思いますか?

両極端の商品特性を組み合わせ
筋肉質な資産ポートフォリオを構築する

一つの解決策としては、我々も事あるごとに伝えていますが、想定してないリスクに対応するには【分散投資】しかないです。極々当たり前のことですが、大事なことなのでもう一度言います。想定してないリスクに対応するには【分散投資】しかないです。

そしてその分散投資とは、単に投資する商品なり投資先を複数持つということではなくて、時間を分散し、通貨をも分散させることで、ようやく正しいリスクヘッジが出来るというものです。

資産運用の教科書には【資産三分法】という考えがあり、投資資産を①現金 ②株式 ③不動産 の3つに分けて運用することを推奨されていますが、実はこれだけでは不十分です。

多くの方が日本円で給与を得てたり貯金をしている中で、日経225のようなインデックス(もちろん個別株式でも同じ)に投資したり、都内の中古マンションに投資したり、いかにもそのセオリーに応じて分散しています。

しかし我々から言わせてもらうと、それってまるっきり分散になっておらず、逆に《日本丸》という船が沈没してしまえば、一気にあなたの資産も毀損してしまうことになる訳ですね。

もしこの読者様の中で、上述したような分散投資、資産ポートフォリオを組んでいる方がいれば、それは急いで見直した方がいいでしょう。別に今すぐ日本がどうこうなる!と言っている訳ではありませんが、対策が取れるうちに早めにお勧めします!という意味ですね^^

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では、話を戻して、ブラックスワンのような事態が起きた場合に備えて、どういう戦略なり考えが良いのか?

『ブラックスワン;不確実性とリスクの本質』の著者ナシーム・ニコラス・タレブ氏は、ポートフォリオの85%~90%を安全性の高い資産に投資し、残りの10%~15%をリスクの高い投機的な資産に投資することを推奨しています。

このタレブ氏は、タレブ氏はデリバティブ・トレーダーであり金融業界出身の作家ですが、リーマンショックが起きた金融危機において、上記の戦略に基づいてプットオプション(ハイリスク・ハイリターン商品の一つ)を購入していたために、自らの資産の毀損を最小限に留めた上に、莫大な利益をあげたとして有名です。

安全資産とリスク資産の割合については、それぞれが置かれている立場、属性、そして目指すべきゴールによって変わるので、はっきりと何%ずつが良いかは言えませんが、目安として上記の割合を基準に考えるのが良いでしょう。

言い換えるならば、「超保守的(ローリスク・ローリターン)」「超積極的(ハイリスク・ハイリターン)」な投資を同時に行うことで、結果的に中程度のリスクを取る、というのが彼が提唱している戦略であり、ブラックスワンに対抗するために有効な手段だということです。

商品特性が両極端なものを組み合わせるというポートフォリオのイメージが、重量挙げに使うバーベルを連想させることから、この戦略のことを「バーベル戦略」と言われるようになりました。

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バーベル戦略に基づく具体的な投資手法として、リスクが低い債券に投資をする場合でも、残存期間の短い債券と長い債券を組み合わせ、逆に中期債券に投資しないということになります。また、リスクが比較的高い類の株式投資の場合は、大型株と小型株、あるいはバリュー株とグロース株などの組み合わせをすることです。

またこの前提・投資戦略に加えて、やはり値動きが違う投資商品を組み合わせることも大事です。代表的なものは【米ドル】【金(ゴールド)】ですし、最近では【ビットコイン】もデジタルゴールドとして、米ドルインデックスが下がってきたときには代替商品として値が上がりやすい性質を持ちます。

もっというと、インフレに耐性があるもの(例:不動産)とないもの(例:現金)とかがありますので、これはご自身で何を目指すのかを踏まえて、資産ポートフォリオを構築してみてください。

現在は予期しないこと、それこそ未曾有の事態が起こりうる世の中です。この、予測ができないことに対抗するための手法は、「予測ができないことを利用する」こと。言い換えるのならば、予測できないことが起こったときに良い結果をもたらしてくれるように賭けておく(準備しておく)ことです。これこそが、ブラックスワンの正しい対策法であり、バーベル戦略の活用法です。

不確実な世界だからこそ不確実を手なづける、あるいは前提として資産運用を考える大切さを、もしかするとブラックスワンは我々に教えてくれてるのかもしれませんね。

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