「日本企業はグローバルを目指せ」「マイクロソフト、Googleを歩いた及川卓也が考える日本のスタートアップが勝つ方法」 | グローバルプロダクト開発経験者へのインタビュー3/4
この記事はGHOVCのYouTubeチャンネル「日本企業はグローバルを目指せ」「マイクロソフト、Googleを歩いた及川卓也が考える日本のスタートアップが勝つ方法」 | グローバルプロダクト開発経験者へのインタビュー」を元に作成しています。
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日本企業はグローバルを目指せ
安永謙(以下:安永):皆さん、こんにちは、グローバルハンズオンVCの安永です。今日はですね、チャレンジするっていうことをもう少し深掘りしていきたいと思います。
前からわりとこう世界に挑めみたいなことをずっと言ってるじゃないですか。挑んだ方が良いっていう思い立った経緯をちょっと教えてもらえますか。
及川卓也(以下:及川):元々、米国の企業でグローバル企業だったので、グローバルでグローバル企業で働くこと、グローバルを市場として見ることっていうのは、社会人になった最初からなんですよね。そういう意味でいうと、自然とのそういう考え方になっていたっていうのはあるんですけれども、グローバルを意識した方がいい理由って2つあると思うんですよ。
一つは当たり前のグローバルっていうようなだいそれた話の前に、まずモノづくりの原点というのは誰かに喜んでもらうことなんですね。作ったものが使われなかったのか意味がないんですよ。自分が担当したある機能が使われてなかったならば、それは悲しい。
逆にコストがかかるだけだから、そんなの取っちゃった方がいいんですよ。でも、本来ならば使ってほしいわけですよ。で使ってその人の抱えていた課題がしっかりと解決できたりだとか、その人がそれを使って喜んでもらうというのが、これがやっぱりモノを作る人間にとっての大きなモチベーションになるわけじゃないか。
こういうのが1人よりも2人の方がうれしいし、2人よりも10人100人、1000人1万人100万人1,000万人1億人っていうふうになったらうれしいわけですね。と考えたならば、日本で使ってもらうということもこれは極めて価値あります。
でも、もう1つの見方としては、日本以外にも同じように困っている人がいる。同じようなことを喜んでもらえる人がいたならば、その人に使ってもらったらうれしいと思うんですよ。
例えば、技術者の中でもソフトウェアエンジニアっていうのは自分が書いたコード、プログラムが自分の期待していたとおりに動いた。それを作るのにすごい大変だったっていうと、これだけで嬉しいんですね。地球上の人に使ってもらえるってなった時の方が個人的な考えですけど、より喜びは大きくなると思うので、グローバルを目指すというのは一つこの部分があるというふうに思います。
やっぱりグローバルの方がもう一つはプロダクトのクオリティーが高くなりますよ。日本国に閉じたプロダクトのクオリティは言っちゃ悪いけど、クオリティーは悪いんです。
なのでグローバルが入ってきた方が競合と激しくなるし、グローバルに出ていこうと思ったならば、グローバルレベルのものを作らなきゃいけないので、プロダクトのクオリティは絶対上がるんですよね。そうすることは日本社会にとっても結果として良くなってくると思うので、色んな観点でやはりグローバルを目指した方がいいと。
安永:確かに何かどっちにしろチャレンジするんだから。別にグローバルでもローカルでもいいじゃないっていう話ですよね。競合することによって、自分をさらに鍛え上げられるっていうところもありますよね。
競合は企業を正しく成長させる
及川:マイクロソフトのあるエグゼクティブがいて、日本に来た時にプレスとのインタビューだとか、顧客訪問とか全部同席したんです。
プレスからのインタビューで競合に関してってのを聞かれた時に言った言葉が、「競合は我々を正しく成長させてくれた」。正常な健全な競合環境ということは、やはりプロダクトを良くして会社を良くしていくんですね。
まさにそれがあるなというふうに思います。さっき実はちょっと2つある面に一つ。それが2つ目に関係するところなんだけれども、グローバルを目指すっていうのはスケールすることなんですよ。
例えば特に私エンジェル投資もしてるんだけれども、エンジェル投資している会社の多くが、いわゆるソフトウエアに特化したソフトウェア開発のために使われるようなものだったりする訳ですね。
これって日本だったらイグジット難しいんですよ。でもグローバルみたいならばIPOも可能だしM&Aも可能。それは日本だとまだ実は日本のプログラマー人口ってちゃんとした統計が出てないんですけども、下手すると100万人しかいないかもしれないですね。もしくは2,300万とか。
こんなんじゃ市場として小さすぎるからイグジット無理なわけですよ。グローバルを見たならばもうこの2桁ぐらい違う人口はいるわけですね。グローバルに出た瞬間にニッチなマーケット、もはやニッチじゃなくなるわけですね。十分スケールするんですよね。
グローバル企業の報酬が高いワケ
もう一つは、グローバルを目指した方がリワードは高くなるんです。どういうことかっていうと、今エンジニアの給料って高騰してて、大企業でもエンジニアの給与を上げようとして。
でもあれは結構無理があるんです。なぜかっていうと、日本企業のエンジニアが事業貢献する額が少ないからなんですよ。例えば、ハイテクシリコンバレーを中心とした米国のハイテク企業が、例えば5,000万、1億年収を出してトップのAIエンジニアを取ろうっていうのは、彼を1億に採用しても、その人が満たす価値が2億以上あるからです。
安永:グローバルでやるから収益が出て、その給料が払える。
及川:だから、グーグルでいえとかマイクロソフト、GAFA恐らくほぼ全てだと思うんですけども、事業ターゲットはBILLIONユーザーに達するかどうかなんですよ。桁が違うんですよね。
BILLIONユーザーに対してのものを作っているからこそ、彼らの給料は高いと。日本企業もグローバルに達して、それだけのインパクトがあることをやったならば2つあるわけだけども、それだけの能力が必要とされるし、その能力に見合うリワードが得られるわけです。
安永:エンジニアの方こそ世界にチャレンジできる素地を持っている。で、そういうこう環境もあるし、もしかしたらそこの方がマーケットが大きいかもしれない。
だから何か普通の他の営業とかもありますけれども、エンジニアの方々っていうのはスタートアップに入って、もっとグローバルに目指すっていうのは本当にいいかもしれないなっていう風に思いました。
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