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【詩】分析できない

人間を導くのはよきヴィジョンである
分析ではない

現状に困ったとき
私たちはつい、
「どこが悪いか?」と
分析するクセがある

すると、
Aを改善しよう
Bを廃止しよう
Cはそのまま
などと考える

要素に分けて
数字で評価しようとする
指標化であり
値づけである

これによって
ヨーロッパ文明は滅びる
偉大なるヨーロッパ、
ルネサンスから始まった歴史は
幕を閉じる
ヨーロッパの従兄弟である
アメリカ合衆国もろとも

人類を導いてきたのは
よきヴィジョンである

よきヴィジョンは
全体感から生まれる
一息に全体を掴むこと
それがヴィジョンに変わる

たとえば仲の良い家族
というのはヴィジョンである

しかし収入がいくらいくらで
週に一度は家族で出かけ
息子はよい就職をする
というのはヴィジョンではない

欧米のやり方は
官僚主義に落ちてしまった
企業も民間もすべてが堕ちた
アカデミズムもだ

分析と数字によっては
全体感はけっして掴めない
二酸化炭素が東京ドーム何個分であろうと
気候変動は止まらないだろう

もともと
文明を紐解けば
おそらくローマの軍隊からすでに
ヨーロッパは力を組織することができた
これは強大だった

それは覇権につながり
力を組織した行政と私企業によって
ヨーロッパもアメリカも
世界に覇を唱えた

力の支配は
内部から崩れ落ちる
頭の良さが
官僚機構を生み出したが
気づけば誰も
分析と数字のシステムを
止められなくなっていた

倫理がなかったから
ヨーロッパは滅びる

倫理とヴィジョンは兄弟姉妹なのだから


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