距離感

いまだによく分からない話なんですけど、10年くらい前に知り合った人がいるんですよ。
新宿警察署のガラス清掃をやってたんですけど、そしたらその人が話しかけてきたんです。
下までロープで降りたところで、ナンパされる形で声をかけられました。

確かその当時で35歳くらいだったかな?石井慧似の、ちょっとゴツい感じの人ですよ。
なんでも、「最近管理会社として独立したんだけど、ガラス清掃やってくれる会社がいなくて困ってる」ってことだったんです。
んで、その場であれこれ話した結果、港区にあるテナントビルのガラス清掃を請け負うことになりました。

本来ガラス清掃ってやつは、地上監視員がいないといけないんですよ。
外側をロープやらゴンドラやらでやる場合、下にその人間を置かないといけません。
でもこのときは予算の関係で、その人が地上監視員をやるって話になりました。

んで、それから何年くらいやったのかな?確か2年くらいやったところで、その現場が打ち切りになっちゃったんですよ。
彼の会社ごと代わるって話で、ガラスもやらないことになりました。
だからその最後の1回ですよ。最後のガラス清掃の日に、よく分からないことがあったんです。

いつものように、その彼が地上監視員をしていて、僕は屋上でロープのセッティングをしてました。
そしたら、なんか下で喧嘩してるような声が聞こえるんですよ。
屋上から覗き込んだら、その彼とトラックのおっさんが揉めてたんです。

「お前ふざけんなよ。コノヤロー!!」なんて言いながら、トラックのおっさんめっちゃ怒ってるんですよ。
んで、よく聞こえないんですけど、彼もそれに言い返してるわけですね。
これ普通は止めに行く状況じゃないですか。かなりヒートアップしてるんで、屋上から速攻降りて仲裁に入るのが普通でしょう。

ただ、どうも彼の様子がおかしかったんです。

トラックのおっさんが何度も彼に対して掴みかかろうとしてるんですけど、全然触れないんです。
なんなら彼はボクサーのようなファイティングポーズを取って、おっさんの周りをクルクル回ってるんですよ。
一直線に突っ込んでくるおっさんをかわしつつ、華麗なステップを踏みながら、円を描いておりました。

その距離感が抜群で、ギリギリおっさんが触れないところで、何度も避けてるんですよね。まさに宮田一郎状態。

こうなるともうあれですよ。

路上の喧嘩でアウトボクシング。

路上の喧嘩でアウトボクシングだとぉおおお!!

って話になるじゃないですか。

まさかのスタイル。はっきり言って意味不明ですよ。
だいぶ屋上から見てたんですけど、途中でもういいかなと思ってロープ降りちゃいました。
んで、下まで行ったら、もう2人ともいないんですよ。てか彼との出会いはこれが最後。

警察署がすぐそばにあったので、2人とも捕まったのかどうかは分かりませんが、とにかく姿を見ることはありませんでした。

ただ、いまだによく分からないんですよ。あのアウトボクシングはなんだったのかと。なぜ路上で円を描きながら華麗なステップを踏んでたのかと。

謎は尽きません。

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えー、そんなわけで今回は人間関係の話ですね。
いや、もうこのまま終わってもいいんですが、一応プログラミングやアプリ開発に関係する話を書くnoteなんで、その話に繋げていきましょうw

自作アプリをストアに公開してお金を得るって行為は、他の仕事に比べて人間関係の距離を取れるからいいですよね。
世間一般の仕事だと、人間関係の距離が近いじゃないですか。ただ、アプリは遠いと思います。
個人的にはこれが好きなんですよ。人間関係が遠いのはもちろん、取引先と会うことすらないっていうのが、ストレスフリーでいいですね。

僕、仕事は何でも好きなんですけど、人間関係でストレス抱えるのが嫌いなんですよ。まあこれはみんなそうですよねw
んで、アプリにそれはないじゃないですか。だから非常に好きです。

路上の喧嘩でアウトボクシングは意味不明ですが、人間関係のアウトボクシングは意味ありますよ。

余計な人間関係で悩まなくていいのなら、いくらでも仕事に集中できますからね。

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