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アメリカで見つけたパスタが美味しいレストラン

久しぶりにいいレストランを見つけた。

自家製パスタのお店である。ホームページには、美味しいイタリア料理を出します、というより、わたしたちはパスタが断然得意です、と強調されている。

こういう、一点集中で勝負しようとする心意気がいい。ここに自信があります、とはっきり宣言するところが清々しくもある。

わたしたちは、週末のランチに、彼らの得意とするパスタを味わってみようということで、車で20分ほどの距離にあるこのお店に出かけた。

店内はオレンジと黄色の陽気な色

お店に入ってまず目についたのは、ショーケースに入っているパスタだ。3段のケースに、様々な種類のパスタが並んでいる。わあ、こんないろんな種類のパスタがあるんだ。子どもたちと一緒にわくわくしながら席に着いた。

ウェイターさんが、わたしたちにメニューを渡しながら、注文のしかたを教えてくれた。それは至ってシンプルだった。

①パスタを一つ選ぶ。
②ソースを一つ選ぶ。
以上。

オッケ!

至極簡単な説明を聞き終えて、メニューに目を落とした。

どれも美味しそうで迷う

パスタは、ペンネとフェトチーネとスパゲティくらいしかわからない。でも大丈夫。さっきのショーケースにいけば、メニューにあるパスタが全てサンプルとして並んでいる。

これ、全部お店で手作りしているらしい!

次はソースだ。せっかく来たから、ここはカロリーとかコレステロールは気にせず、がつんといこう。カルボナーラかサーモンクリームかシーフードクリームかの3択まで絞った。全部クリームソース。もうどれでもいいくらいどれも食べてみたいが、ぎりぎりまで迷って、最終的にサーモンクリームに決めた。合わせるパスタはフェトチーネで。

そして出てきたのがこれ。

一口めで、あ、これうまいやつだ、とわかった。

クリームソースの濃厚な味わいが口いっぱいに広がる。決してこってりしすぎていない。かといって単純でもない。

それにしても、サーモンとクリームソースって本当によく合う。そこにいいアクセントになっているのがディル。わたしは、ディルというハーブは、魚のためにあるとさえ思っている。小さく刻まれたシャロットは、ほどよい爽やかさと歯ごたえがある。軽く炒められていて、しゃきしゃき感が残っている。

それから、このお店ご自慢のパスタ。わたしの選んだフェトチーネは、固さともっちり感がちょうどよい。クリームソースによく絡んでいる。

食欲が、こんな完成度の高い味わいとともに満たされていくなんて。幸せすぎる。

ちなみに、夫が頼んだのはこのズッキーニパスタ。

オリーブの味が際立つトマトソースで、勝手に想像の中でイタリアの風を感じてしまう。夫は、ソースを残らず味わうためにパンがほしいと言っていた。ソースにディップして、一滴も残さず食べたかったらしい。

数週間後に来客があるので、そのときは客人を連れてこのレストランにまた来ようということで、家族全員が一致した。

我が家の周りには、賃貸料が高いせいか、レストランといえばチェーン店が幅をきかせている。チェーン店だからどれもまずいというわけではない。美味しい店もある。

でも、修行を積んだコックさんが、自信のあるメニューを並べて、その店で一から調理したこだわりの料理を作って出す店というのは、貴重な存在に思えるのだ。事実、こんなクオリティの高いパスタを出すレストランが、チェーン店の並ぶこの街で、こじんまりながらも立派に頑張っているなんて。

普段はいやいや払う20パーセントのチップを、今日は喜んで払った(夫が)。

(おわり)


読んでくださってありがとうございます。

《アメリカの食べものについて書いた記事》


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