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君のひとかけらが、まだ俺の中で溶けている【高松days2】

自粛の始まる直前。障害を抱えた2人が高松で再会した。
1ヶ月ぶりに顔を合わせて話せる喜び。この機会を逃せば、もう一生会えない気がしていた。

マッチングアプリで知り合った2人はどうなる?
画伯ちゃんは何を掴むんだろう?

前回までは↓↓↓


今回の恋愛についてマガジンにまとめました↓↓↓


高松港から北浜アリーへ


高松港を超えた先にある、北浜アリーという複合施設へ行きたいと話した相手。
痛そうな相手の足を守るため、腕や肩を貸し、ガイドしながら駅前を一緒に進んでいった。


高松港は、もう高松駅の目の前。
画伯ちゃんが歩いたら5~10分ほど。

しかし相手には足の痛みがある。
そして近すぎて俺にはタクシーを呼ぶ勇気が出ない。

相手の持参した杖と、画伯ちゃんの支えを駆使して、2人の足で向かうことにした。

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なんでこんな長いビルが1つだけあるんだろう?
風で吹っ飛びそうで不安になる。

相当強風が吹いていた。
前回の徳島も、今回の高松もあまりに風が強すぎる。

四国ではこれが普通なのかな。

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20分ほどで港まで到着。一旦休むことにした。
昔、画伯ちゃんが車で旅行したときに使った、フェリーの場所でもあった。

懐かしさが画伯ちゃんを襲う。

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前に来たとき、出発時刻までフェリーの上からこの辺を見ていた気がする。

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今度は俺がそれを見ている側だ。
当時にも乗ったパンダのフェリーがちょうどやってきていた。

手でも振っちゃお〜!👋
ねぇ見えてる〜?🙋‍♂️

(高松港の様子をほんの少し)

どうしよっか?

ここから相手の目的地はもうすぐ。
でももう歩けないそうだ。

困った。ホテルまで行きたいが...
フェリー乗り場にはタクシーが全くいない。

町を走る市営バスの乗り場を目指し、また歩き出した。

片腕をガイドしてるため見失ったのか、近くにあるはずのバス乗り場が見つからない。

仕方なく高松駅まで戻ることにした。
相手はもう限界そう。

どのバスに乗ればいいか、先に調べておかなきゃ。
バスを待つ間、相手が立ちっぱなしでいるのは無理だと判断した。

"ゆっくり進んでても、この辺りで休んでいてもいいからね"
と伝えて、100メートルほど先のバスターミナルへ走った。

バス乗り場に着くなり、画伯ちゃんは運転手さんに
「五番町(そこからホテルまで300m)で止まりますか?」
と聞いていく。

おそらく、このバスで合ってるとは思うが、間違っていたらシャレにならない。
しかし画伯ちゃんとテンションの合わない運転手。

返事しているのかすらわからない。
目線も少し下だ。

ちっせぇ声。顔だけが少し動いていた。
ハッキリわからんけど、この乗り場で合ってるはず。

相手の元へ戻り、腕を支えてなんとかバスの段差も乗り越えた。

画伯ちゃんも障害者だから座っていいんだろうけど、それだと相手と座席が離れる。


そばに立っておこうか悩んでいると...

「空いてる優先座席に座って大丈夫...」

運転手が少し声を張って、そう言ってくれた。

こりゃ五番町に辿り着くのも間違いないな。
四国の人はみんな声が小さいんだな。

五番町から

無事に五番町で下車。

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気になる神社があったけど、相手のことを考えると一刻も早くホテルで休めないと。

その直後、動物の置物が目に入った画伯ちゃん。

「あっ!トラや!ん?ライオンやっけ?」

「オニツカタイガーだよ♪入ってみよ〜♪」

店舗に入る余裕あったのか!
画伯ちゃん、また1人で先走って考えすぎていたのかも。

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この頃から現在7月に至るまで、ずっと白い靴を探している。


理想的な靴を見つけた。
ほんとに欲しかったけどサイズが無かった...

なんで画伯ちゃんの足は29.5~30もあるんだろうか...
このオニツカタイガー欲しかったなぁ。


相手も気になるものはあったみたいだが、買う様子は無かった。
画伯ちゃんは店内に合うサイズが無くて、不貞腐れていた。

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虎を撮ってやり過ごしていた。


店を出て泊まるホテル横にあるコンビニへ。
2リットルの水とお酒を買うが、近くにスーパーがあることを知り、そちらも見に行ってみることに。

同じ敷地にある"丸亀町グリーン"という、ショッピングモール街の1階にある、"まちマルシェ キムラ"というスーパーへ。

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ここ安かったー!やっぱりこっちで買えばよかったなぁ。
せっかく来たから追加で、お酒を1缶買ってホテルへ向かった。

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真向かいには"南新町商店街"が見えていた。

過去のシリーズで書いた通り、徳島と香川はとても似てるね!
街の作り方が。フォントも同じかもしれない。笑

ダイワロイネットホテル高松

前回の徳島リターンズ内で泊まって気に入った、ダイワロイネットホテル


このホテルも丸亀町グリーンの敷地内にある。

(なんでこの名前のショッピングモールにしたんだろう?妙に覚えにくい笑)


高松でも同じ系列に泊まってみたいね!
と相手と意見が一致し、今回の旅でも利用することに。

出会った頃からホテルを押さえるのは相手がやってくれる。
そういう作業が好きなのかな〜。

俺も好きだけど、この辺は相手にしてもらってる。
画伯ちゃんはバンドにおいても、恋愛においても"任せる"ということを覚えた。

全部1人でやっちゃダメなんだと気づいた。

フロントへ到着。
丁寧な対応で迎えてもらった。

コロナ対策として、アルコールスプレーと検温した気がする。

徳島も高松もダイワロイネットホテルは素晴らしいよ。
旅先での安牌感が非常に強い。

お互い体調に問題なく、部屋にやってきた。

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ルームキーはいつだって、このシステム!無くしそう!

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ここで相手(モザイク)の足元にあるカバンが、前回の序盤で話していたALBiで買おうか迷ったカバンと同じもの。


オシャレに精通した相手。
クソダサ小学生スタイルの画伯ちゃん。

その2人の琴線に触れたってことは、画伯ちゃんにもセンスが眠っているのかもしれない。

もっとオシャレになりたい。
オニツカタイガー履いて、"オシャレっぽくなりたかったな"


ホテルにくると部屋の内部、外部を調査したくなる2人。
相手がいつも通り外を眺め終わった後、画伯ちゃんが窓からの景色を見ていた。

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ちょっとした問題で、ほとんどモザイクをかけているが、かかっていない部分を見てもらいたい。

ちょっとした広場の真ん中にデデーンと桜が咲いている🌸

「あれなんの施設だろう?わかる?」

「うーん...見えなくてわかんないねぇ...」

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「パラソルとか見えるから、カフェかな?時間あったら、あとで寄ってみていい?」

「うんいいよ〜♪」

夜ご飯へ

数時間ゆっくりしてからホテルを出た。
丸亀町グリーンの建物内を抜けて、そのまま商店街へ入っていく。

その間に、部屋から見えた桜の広場を探したが、どこにも見つからない。
そんなスペースがあるようにも思えない。

あれは次元の違う世界が見えていたのかもしれない。
グリーン内では見つからず、グリーン外にはすぐに道路があるから。

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高松も人がかなり少なかった。閑散としていた。

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スナック街が並んでいた。
商店街から見える、この路地にも誰もいなかったな。

ライトのついてる看板も少なかった。

(商店街を歩いていると、懐かしい曲が聞こえてきたシーン)

凱風快晴

今回の旅はライブが延期になってしまったことで、高松でしか食べられないものを食べに行くことを楽しみの1つにしていた。

昼間はさぬきうどんを食べたので、夜は鶏肉を。
骨付鳥という気分でも無かったので、ネットで評価の良かった焼鳥店へ。

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ホテルから15分ほどにある、凱風快晴という焼鳥屋さん


やさぐれた親父のいる小汚い店だと思い込んでいたので、オシャレで暖かみのある雰囲気に戸惑った。笑

中を覗くと、最奥のテーブルに2人のお客さんがいるだけだった。

1人だったり、バンドメンバーと来ていたら、緊張して入れないような雰囲気。
しかし今は"相手"がそばにいる。足も痛むだろうから、ここから違うお店を探すのも厳しい。

画伯ちゃんが先にお店へ入り、
「2人なんですが、もう1人の足に障害があるので、入口近くの席に座ってもいいですか?」


了承を得た。


お店に入る前の、わずかな段差に苦しむ相手。
腕を支えてゆっくりお店に入っていく。

席について、ある程度注文し、ホッと一息。

なんとか来れたなぁ。こんないい感じのお店に入れるようになるなんて。すんげぇ成長したなぁ、俺も。

と、リアルタイムで成長していく自分を心の中で褒めていた。


パッと相手の顔を見ると、なにやらおかしい。
どう考えても緊張している。

忘れていた。
相手はこういうところだと急に口ごもる。

画伯ちゃんにもそういう面がある。

2人して緊張しあう。
そのとき大音量が鳴り響いた。

「こちらぁぁぁ!!!!ビールになりますぅぅぅぅ!!!!!」


イケメン2~30代の店員さんばかりのお店。
部屋で1人でボーッと生きてきた、俺と相手には眩しすぎたぜ。

声が大きすぎて、何を話してるかわからなかった。

2人とも暗闇で驚かされたかのように、わかりやすく全身をビクつかせる。
"笑顔風な笑顔"を作って商品を受け取った。

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相手はお茶。
ひっさしぶりにお店でビールを飲む画伯ちゃん。わくわく。

「かんぱ〜い♪」

店員さん達の1/10の声量で、グラスを交わす2人。

お客さんが何組か来て、
店内には8人くらいのお客さんと、4人くらいの店員さん。

誰もビクついてない。
お客さんが増えたことで、他のテーブルの注文を受けて運ぶ回数も増えた。

相手と画伯ちゃんは毎回びくついていた。
どこかに料理が運ばれるたびに...

"四国の人は声が小さい"理論が、このとき崩れ去った。

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うーまーそー!!!

頼んだものが、いいタイミングで届く。
どれを食べてもめっちゃくちゃ美味しい😋

贅沢できるありがたみ、こんな機会を作れた自分、一緒に楽しんでくれてる相手に感謝していた。

ネット情報では、凱風快晴は並ばないと入れないお店とのこと。

いつもは満席だから、店員さんは大きな声を出さなきゃ届かないし、人が多いことで、周りに音が吸収されるから余計に声を張るんだろうな。
(ただただ、お店の方針だと思うけど😂)

商品が届くたびの声量に、相手と画伯ちゃんは、すっかり背筋が伸びきっていた。
猫背が治るね。

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最後の写真のものは、店員さんにオススメを聞いて出してもらった。
このトマトを間に挟んだやつがあまりに美味しくて大満足!

上の方に貼った"ずりポン"はお店からのサービス。
いやぁ。久しぶりの焼鳥屋さん最高だったな。

人気店の味を知れて、少食な相手も「美味しかったね〜♪」と大満足な笑顔を見せていた。

お会計を頼みテーブルで待っていると伝票が届いた。

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えぇぇぇ!!!!!
2人でたったの2519円!?

絶対間違ってるくない...?
少食の相手に"合わせたからかも"と思ったが、"結構食べたよな"と再考する。

相手も驚いて、伝票と画伯ちゃんの目を行ったりきたり。

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帰宅後に見つけたレシートを貼っておく。だいぶサービスしてくれていたみたい。コロナが関係してるのかなぁ。

ほんとに美味しかったから、こういうサービスが無くても、満足度は高かったと思う。


「安かったね〜♪サービスしてもらったし、また絶対来ようね!」


相手は、目を輝かせたまま話し続けていた。
少しフワフワする画伯ちゃんは、大きく頷いた。

ホテルに戻ろう

行きしなに通った人の少ない商店街。
もう一本ちがう筋にも商店街があるみたいなので、帰りはそっちを通って帰ることに。

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こっちはハンパじゃなかった!
人!人!人!

写せないくらい人だらけ。

さっきの商店街は誰もが想像するような、普通の商店街。
こっちは夜のお店や、小汚いけど安い価格帯のお店が多かった。

どこの街でも見かけないような、不思議な露出の仕方をした女性集団。
イキリ倒した孔雀みたいな髪型の男性集団。

時代が10年くらい遡ったような感覚。


ここまで安全に進んできていたのに、急にコロナが心配になる密度に。

急いで通り抜けた。
美味しそうなお店もあったが、すべてが落ち着いてからしか来れないのが寂しいなぁとも思いながら。

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ホテル近くにあるトキワ新町の方も気になったが、これもコロナが落ち着いたら行こう。
今、夜の街を彷徨うのは危ない気がした。

もうすぐ眠る時間です

ホテルに戻ってきて、部屋で少しまったり。
2人でボーッと過ごし、画伯ちゃんは冷やしておいたお酒を飲み出した。

今夜もぶっ飛びたい。安いお酒で。

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そしてお風呂を済ませ、寝る準備も完了したところで

眠剤を溶かしてキスをした。

溶けやすい錠剤のちょっとしたザラザラが、舌と舌を行き来して、舌の下に吸収されていく。

最後の塊が無くなる頃には、普通に舌下して飲んだ時よりも効いている気がした。頭が頭で無くなる感じ。

画伯ちゃんはこういう時、相手に多めに渡す。
いつだって相手に楽しさを多く渡したい。

いろんなことがあった1日だった。
相手はもうすぐ眠りそうなのか、時折ぐーすかぴーと呼吸音が変化していた。

画伯ちゃんは2缶目のお酒を飲みながら、もう番組の流れていないテレビを見ていた。

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ちゃんと事前に、ホテル内の自動製氷機で氷も入手済み。

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数年前に住んでいた岡山時代によく見ていたような画面。
テレビの中では、OH!くんが、ヘリコプターに乗っていた。

小さい声で「OH!くん〜🥺」と鳴きながら、お酒を飲み干した。

明日を楽しむために、ちゃんと寝なきゃいけない。
相手の寝てるベッドにもぐりこんで、くっついて眠った。

もう朝は、そこにいた。

次回 高松days3に

(今回のテーマソング:The Beatles - Strawberry Fields Forever)

つづく

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