格闘ゲームのネット攻略における、いぐにすの問題

格闘ゲームの攻略をネットで検証・考察するにあたって、情報集約をどのように行うか、という課題がある。古くは(スレッド式)掲示板の形式がポピュラーだったが、掲示板は匿名による荒らしの問題がともなう。そのため、公開性と秘匿性のバランスを見直す形で、さまざまな媒体の利用が試みられてきた。

00年代は、執筆者主体のwiki形式と、コミュニケーション主体のmixi型が試みられた(鉄拳はzexi、ソウルキャリバーはソウルアライアンスという専用SNSが立ち上げられた)。10年代前半はツイッターに移行し、後半はdiscordも併用されるようになってきた。どの形式にも長所・短所があり、いまにいたっても完全に満足のいく選択には至らないのが現状である。

それぞれのメリット・デメリットを客観的に解説する……なんてことを、わざわざいぐにす自身が語ることに、あまり価値はない。ごくごく『私的』な事情を語った方が、興味のひける内容になると思ったので、記事を書き起こした。

攻略discordに参加しないのはなんで?

で、まぁわざわざ記事にまでする理由がこれ。攻略discordに非協力的な言い訳をしたかったのである。

建前は「非公開型・メンバー制のサービスであるdiscordだと、情報の囲い込みが行われるため、ジャンルの普及を阻害する」からである。ただでさえプレイ人口の減少が課題になっている(海外普及でトータルは増えているが、国内人口は減少している?)ので、攻略情報の集約を表でやらず、引きこもってやるのはよくないという、ごくごく一般的な批判に同調している。もともと、個人サイトを起ち上げた経緯に、上位プレイヤーによる情報の囲い込みが行われているのではないかという妄想があり、それに対する義憤があった。その反発で、誰にでもアクセスできる形で、個人サイトで情報の公開にこだわっている。

※「上位プレイヤーによる情報の囲い込み」については、否定された経緯を別の機会に語りたいと思うので、誤解のないように。

現在は、別の理由から攻略discordに消極的になっている。ずばり、自己防衛である。ツイッターという公共の場でコミュニケーションの窓口を設けると、少なからず厄介さんに粘着されることも少なくない。フレーム公開という立場で知名度があがるにつれて、そうした厄介によるトラブルが起こり、人前に出ていくことが怖くなったのだ。

以前はフォローバックも積極的に行っていたのだが、トラブルが起こるたび、その気持ちもしおれてしまった。ツイッターを鍵付きにしたいと思ったことは、一度や二度ではない。コミュニティにおける立ち位置や、サイト運営者という立場で、それをしていないだけで、いつか限界を迎える日がくるのじゃないかと思っている。

で、攻略dicordに関わると、トラブった厄介さんと再び鉢合わせたり、新たな厄介さんにかかわる可能性が怖くて消極的なのである。

実は、キャリバー攻略discordの『キャリバー沼』にも、鉄拳攻略discordの『鉄学』にも、こっそり在籍していたりする。ただ、目立たないように発言を控えているだけなのである。

『キャリバー沼』については、わざわざいぐにすからdiscord沼に潜らなくても、フォローフォロワーが多いので、ある程度ツイッター上で十分だろうという感触もある。トラブルの際、かばってくれる心強い味方も多い。質問を投げていただければ、ホイホイ答えますので、どうぞお気兼ねなく。フォローバックが少ないのは、厄介さんのせいです。あと、狭い界隈なので、わざわざフォローしなくても、だれかがリツイートして目にとまるので、フォローしているかどうか気にならない程度に既知だったりするというオチもある。フォローしているつもりで、していないことに気付いていないケースもある。

『鉄学』については、起ち上げ当初の呼びかけに興味を持って潜った。講師としての需要があるかも……という気持ちで覗いたのだが、形態が「キャラ別の、講師-受講者マンツーマンレッスン」に特化しており、自分がお役に立てるような鉄拳全般や初心者育成、システムに関する話題を扱っている気配がなかったため、そっ閉じした次第である。残念半分、何もせずに済んだ安心の気持ち半分である。

ネット上でトラブったというのも、基本的にいぐにす側に問題があったケースは稀という認識なので、有事の際はいぐにすが立場で優遇されるし、管理者側で火種を蹴り出してもらえばいい……という考えもなくはないが、コミュニティの権力者が厄介だったケースも過去にあり、どうしても積極的になれないという事情も添えておく。

個人サイトでやる意義

なぜ、wikiではなく、個人サイトで情報を出しているのかというと、執筆のクオリティを制御できないからである。個人サイトだったら、クオリティの全責任を、全部自分におっかぶせられるから気が楽なのだ。

フレーム調査について、ソウルキャリバー6の当初は投稿を呼びかけて、実際に投稿もあったのだが、クオリティに関する問題が解決できなかった。善意の協力に注文をつけるのもどうかという思いがあり、ダブルチェックで自分の納得のいく精度まで高めると、結局自分ひとりでやっているのとかわらないという結論にいたってしまった。協力していただいた方にケチをつける形になるが、そこは理解していただきたい。

この問題は、自分が強権をふるえる編集体制を作らないかぎり解決しない。あとは、情報精度に責任を放棄したwikiを起ち上げるか。その場合、wikiの管理責任を負うことにモチベがわかないので、やっぱりやらないというオチである。

次回、上位陣による情報の囲い込み問題(と誤解)にもかかわった、ソウルキャリバーフレーム史を解説する予定である。(仏コミュニティあたりに怒られそうなアレな内容が若干含まれる予定なので、有料記事にするかもしれない。)

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