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親指シフトが終わる。

さっき書いたnoteでも触れたが、人生で初めて自分専用のワードマシンとして手にしたのはパソコンでも、タイプライターでもなく、富士通の「OASYS」という名のワープロだった。

ワープロとはワードプロセッサーの略で、タイプライターを電子化したもの……といえば若い人はわかるだろうか。わかるわけもない。そういえば、20代の人とワープロについて話したくだりは前にも書いた。

「ワープロ」という言葉についても2人に聞いたが、聞いたことはあるし、それがなんとなく「Word」的ななにかだとはわかっていたが、まったくもってどういった存在かは知らなかった。ワープロは、ワードプロセッサーの略で、文章を作成するためだけのパソコンといった感じの機械。記憶媒体の「フロッピー」も当然のように知らなかった。
(via eメールを知らない若者たち

初めて手にしたワープロ「OASYS」は、親指シフトと呼ばれる独特なキーボード配列だった(正確にはNICOLA配列だったと思う)。キーボード配列といえば、今はJIS配列かUS配列あたりがメインだし、そもそも配列自体に興味がない人も少なくないだろう。

親指シフトの詳しい操作方法については、盛大にググっていただくとして、何がよかったかといえば、とにかくタイピングするのが早かったと記憶している。今やローマ字入力が当たり前の時代だが、親指シフトキーボードではかな入力で打っていた。左右の親指用のボタンをつかって、1つのキーボードに割り当てられた2つのかなを打ち分ける。キーボード自体がコンパクトだったように記憶しているし、そもそもローマ字のような打ち間違いが起きづらいし、なによりも1タイプで1文字が打てるので、明らかにタイプ速度が速かった……と記憶している。もうあまり覚えていないが、そこから今のキーボード配列になれるのに最初苦労したように思う。

そして、わが思い出の親指シフトが、ついに終わるときがきたそうだ。

知らない人からすれば、なんのこっちゃだが、実は今でも愛用者がいて、あえて現代のパソコンで親指シフトキーボードを使っている人もいる。小説家あたりでは、昔からOASYSを使っていて、今でも親指シフトキーボードでないと創作がはかどらないなんて人もいると聞いたことがある。誰だったかは忘れた。

ノートPCは21年3月、キーボードは21年5月に販売を終える。ソフトウェアは個人向けには20年9月まで、法人向けには21年5月まで販売する。ハードウェアのサポートは26年4~6月まで(ノートPCのみ4月まで、他は6月まで)で、ソフトウェアはOASYS V10.0の個人向けが23年9月、法人向けが24年5月、Japanist 10が26年6月まで。(via 富士通、「親指シフトキーボード」の販売終了 40年の歴史に幕

記事を読んでびっくりした。今でもノートPC製品があったのか。それと記事の下に、親指シフトについて詳細があった。さっきの私の記憶の掘り起こしはまったくもって無意味だったが、そんなことはどうでもよいことだ。

あーただ、懐かしい。四十も超えると、懐かしいと思うものが増えてくる。この前は好きだった菓子パンで盛り上がった。明日は「あばれはっちゃく」シリーズあたりで盛り上がっているかもしれない。そういえば、純烈のリーダーも「あばれはっちゃく」だったそうだ。

OASYSがなければ文章書きを生業にすることもなかっただろうし、親指シフトがなければタイピングが楽しくなかったかもしれない。あなたに会えてよかったね、きっと私。

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