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第7話 サブダクションファクトリー:巨大なリサイクルシステム
ジオリブ研究所所長、ジオ・アクティビストの巽です。
日本列島のような「沈み込み帯」は、約40億年前にプレートテクトニクスが作動し始めて以来、巨大な工場「サブダクションファクトリー」として大陸地殻という製品を作り続けてきた。当然ながらこの工場からも廃棄物が出てくる。サブファク廃棄物には次の3種類がある:(1) 大陸地殻の元となるマグマを作るためにプレート(海洋地殻)から水を絞り出した残りカス、(2
第6話 サブダクションファクトリー:大陸を造る巨大な工場
ジオリブ研究所所長、ジオ・アクティビストの巽です。
SDGsという言葉さえ使えばなんだか地球に優しく、人類の将来のことに配慮しているかのような風潮には辟易する。一方で携帯電話などの都市鉱山の再利用やゴミの分別回収など、このごろは「リサイクル」もずいぶんと当たり前になってきた。まだまだ「ゼロ・エミッション」とはいかないものの、日本のように天然資源に恵まれない国にとってはまさにSDGsに向けた必須の
第5話 なぜ地球だけに「海」と「大陸」があるのか? 海で生まれる大陸
ジオリブ研究所所長、ジオ・アクティビストの巽です。
太陽系惑星の中で地球だけにある特徴の一つが、その凸凹した表面地形だ。この特徴が見られるのは、高地(大陸)の地殻が軽い安山岩質の岩石からなり、一方で低地(海)の地盤は重い玄武岩質の岩石で構成されることが原因だ。水星や金星、それに火星の地殻はほとんどが玄武岩質であるためにのっぺりしている。だから、地球は太陽系唯一の「安山岩の星」と言うこともできる。
第4話 なぜ地球だけに「海」と「大陸」があるのか? 海と大陸の違いは何か?
ジオリブ研究所所長、ジオ・アクティビストの巽です。
地球の最大の特徴の一つは「水惑星」、つまり表面に液体の水(海水)が恒常的に存在することだ。そしてこのことが原因で、地球が太陽系唯一の「プレートテクトニクスの星」となったことを前回お話した。
「海」とは何かと問われると、多くの人は、海水が溜まっている所、と答えるに違いない。もちろんこれは間違ってはいないのだが、実は単に陸より低くなった所に水が溜
第3話 なぜ地球だけに「プレートテクトニクス」があるのか?
ジオリブ研究所所長、ジオ・アクティビストの巽です。
「地球型惑星」では、その内部がまだ高温であるために、マントルが対流して冷えようとしている。地球以外の星では、温度が低い表層は冷え固まって1枚の岩盤(プレート)で覆われて、内部のマントルがグルグルと対流している。一方地球では、十数枚のプレートが押し合いへし合いして、活発な地殻変動や火山活動を起こしている。これがプレートテクトニクスだ。なぜ地球だけ
第2話 マントル対流とプレートテクトニクス
ジオリブ研究所所長、ジオ・アクティビストの巽です。
「不動如山」とよく言われるが、決してそんなことはない。大地は動く。そしてそれを支配しているのが「プレートテクトニクス」だ。しかも不思議なことに、この現象は太陽系惑星の中で地球だけに発現している。なぜ? 今回と次回はこの謎解きに挑戦しよう。
さあ、ジオリブしましょ!
地球の最高点であるエベレスト山では、アンモナイトや三葉虫、それにウミユリな