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必要な外出

最近暗い話題ばかりである。
基本引きこもり気味の私でも、外出自粛令には困り果てている。
外出したい気持ちを晴らすべく、ネットの面白い記事やYouTube、ネトフリを巡回しているが、ある記事が私の琴線に触れた。

六本木のスラムで古代コーカサス人のように暮らそうとしたOLの話|砂漠 @eli_elilema #note https://note.com/elielilema/n/na0a2ad92c0c8

視点、行動力がただただ素晴らしい。今の社会、一度原始の時代に戻って人間らしさを取り戻す必要がある。ただし行動するには昨今の情勢を踏まえた上で原始の時代に戻る必要がある。

現時点(4/3時点、東京)では主に
・不要不急の外出を避ける
・3つの密を避ける
の二点が求められている。密に関しては基本自然、原始の時代に戻る行動であれば基本大丈夫であろう。

問題は外出への必要性である。また平日夜、休日が特に外出を控える様に言われているため、平日の昼に活動できることが望ましい。そして現在必要な外出として挙げられているのは、食料品の購入や散歩である。
これらの情報を踏まえ、私が導き出した答えがこれである。

我ながら完璧である。
まず釣りは立派な食料品調達行為である。
ただし通常の釣りでは単なる余暇を楽しむ行為に見られる恐れがあるため、より確実な食料確保の姿勢を見せるため船釣りが望ましい。そして乗合船の場合は不特定多数と狭い船で一緒にいるため、一人での行動が望ましい。
結果が手漕ぎボートでの船釣りであった。手漕ぎボートにすることで原始の時代感がより増す。これ以上の案があろうか。

コロナの伝染リスクを可能な限り抑えるため、念には念を入れて、自転車と徒歩を駆使して開けた場所移動に努めた。結果乗換が通常三回の所をJRと京急の1回に抑えることが出来た。ただボートを漕ぎ始める前に既に疲れが出始めた。まぁ大丈夫でしょう。

船釣り店でボート、釣具を借り、少し手間取ったが、いざ出港!かれこれ15年ぶりくらいのボート釣りである。店のおじちゃんが何か言ってたけど、大丈夫でしょ。

と思いきや、風が結構強い‥‥港を出ると波でボートは大きく揺れるし、漕いでるとやたら左に曲がるから方向修正が面倒臭い。。ともあれ、無事に釣りのエリアに到着して、食料確保活動開始である。

狙いはシロギス。通常だと5月からがシーズンだけど、この前の鉄腕ダッシュ海岸で東京湾が暖かくて魚が活動的と言ってたから大丈夫でしょ。と思ったが、全くアタリが来ない‥‥暇なので友人とSkypeでチャットしたり周辺を眺めたり。八景島シーパラダイス行きたいなぁ。

一時間以上経過し、流石にこれはマズいと思い、これまでの経験から仕掛けの一部変更や釣り方の変更をした所、やっとシロギスを確保。一安心。 良い流れになりこれから!!という時間帯に、風がさらに強くなる。。店のおじちゃんから、向かい風強いけど大丈夫ですか?と心配の電話がかかってきた。おじちゃん良い人。おじちゃんを心配させないためにも風の影響が抑えられて港に近いエリアに移動しよう。

相変わらず風が強くて船は進み辛いし、左に曲がるけど、近いエリアに到着して釣りを再開。再開すると魚のアタリが沢山出てきた!これは良い流れ!何回目かのアタリで魚がヒット!よっしゃ!

君かぁ‥‥‥道理で餌が途中で噛み切られている訳だ(補足:フグは貝やウニの殻も丸ごと噛み切る程硬い歯がある。また餌と一緒にハリや仕掛けも噛み切ることが多く釣り人からは非常に嫌われている)。。食べたいけど、流石に毒のある君は食べられない。。

そしてフグによるハリの喪失地獄開始‥‥餌を投げないと魚は絶対に釣れないけど、餌を投げると高確率でフグが餌とハリを一緒に持っていく蟻地獄。。結局予備を含めたハリ仕掛けを全て失って釣りは終了。風とフグに翻弄された釣りであった。。悲しみ‥疲れ‥‥帰港しようか。。

疲れ果てた体にムチを打ち、港に近づくと私に向かって「バック!バック!」と叫ぶ店のおっちゃん。クーラーバッグはちゃんとあるよ。ずっと叫んでるので、流石におかしいと思うおっちゃんの方を向くと、

「君、船をバックで漕いでる!逆の向きで漕がないと上手く進まないよ!」

道理でスピード遅くて進まなくて疲れるし、左に曲がって進む訳だ‥‥
一応言い訳をすると、手漕ぎボートの目線と船の進む向きの関係上、漕ぐ人の後ろ方向に進む構造になってる。一人でそれも久しぶりにボートを漕ぐため、視線を確保したくて漕ぐ人の見える向き(通常のの逆向き)に進んでいたわけだ。通りでおっちゃんが電話かけて来る訳だ。運動場でクラスの中で一人だけ後ろ向きに走っている変人がいるような状態だし。

指摘を受けて、正しい向きでボートを漕ぐとまぁ進む進む。体感今までの4倍のスムーズさ。これまで私の苦労は何だったの‥‥‥食料はほとんど確保出来てないし。。

失意のまま上陸し、何も成果が得られませんでしたぁぁと打ちひしがれていると、店のおっちゃんが

「はいこれ、お土産。魚と一緒に食べてね」

まさかの食料確保だぁぁあああああ!!!自力(シロギス100g)より遥かに重い貰い物(ワカメ2kgくらい?)たけど、食料確保の目的は達成されたから良し!!

という訳で色々ありましたが、無事食料確保出来ました。今度はちゃんと対策して自力で食料確保したいです。

(後記)
帰りの電車を調べると、乗換案内に"高輪ゲートウェイ"の文字が。泉岳寺と高輪ゲートウェイが繋がっているのね。

という訳で生ワカメを持った原始人、高輪ゲートウェイ駅に初上陸。生ワカメを持って高輪ゲートウェイに降り立った初めての人じゃないかな(流石に駅で生ワカメを取り出して写真撮影をする勇気はなかった)。

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