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パッヘルベルのカノン進行で

高校の時の音楽の授業で、創作の課題がありました。

特に作曲の技法や作法を教えてくれるでもなく、今日から創作やれ、といきなり教師から言われました。

音楽の授業は、週2,3コマ程度。1ヶ月くらいの間に、何でもいいから最低1曲は作れというのです。しかもそれは成績にしっかり響く

何の素地素養もなく、いきなり創作やれと言われても。しばらく途方に暮れました。

とにかく五線譜を前にして、何でもいいから音符を並べようとすると、まずはハ長調しか思い浮かびません。鍵盤なら白鍵しか使いません。黒鍵をわざわざ使う意味が分かりません(笑)。♯やら♭やらをいくつも使う理由もわかりません(笑)。

それから、とりあえず4分の4拍子です。これしか分かりません。8分の6拍子とかわけ分かりません(笑)

ハ長調でよく使うコードは知ってました。まずはC。ドミソの基本的な和音。

Cの和音を鳴らしつつ、ドとミとソだけの音符を適当に並べます。たまにファの音を持ち出したりしますが、すぐにドミソのどれかの音に戻します。

さて、Cで1小節分だけ音符を並べたところで、コードを変えたくなりました。さすがにCだけでは曲にはならないので。

次のコードを何にするか。これがこの記事の本題に大きく関わってきます。

大きく関わると言いつつも、Gを選んだのは、特に何の気なしという感じでした。ソシレの和音。

そして2小節目は、見事にソとシとレの音符だけでできあがりました。

3小節目。特に深い根拠はなく、Amを選びました。ラドミの和音。旋律はラとドだけ使いました。一個だけシを使いましたが、旋律としてはその後すぐラに戻しました。

4小節目。ここまでくるともう乗ってきます。この小節ではEmを使います。なぜか分からないけど、次はそのコードしかないという謎の断定が頭の中にありました。ミソシの和音。旋律は見事にミとソとシだけしか使いませんでした。

5小節以降は、ほぼ迷わずに、F → C → F → G → C の順。これでなんとか形になりました。

これでクラスに披露。自分で演奏する必要はなくて、配布されたキーボードに打ち込みしておいて、自動演奏で皆の前で披露します(カシオトーンか何かだったと思います)。

で、めっちゃ褒められました。

創作ってチョロい

そう思ってしまいました。

かなり後になって気づいたんですが、このコード進行、パッヘルベルのカノンと全く同じなんですな。

パッヘルベルのカノンは、中学の音楽の教科書に載っていたリコーダー向けの楽譜を、PC(当時MZ-1500)に打ち込んで演奏させたりして、いい曲だなぁと何度も再生させていたので、頭に染み付いていたんですね。

で、ハ長調で何か創作する、となった時に、無から何物をも創り得ない自分の中から出てきたのは、カノン進行しかあり得なかったのです。

その後、バンドやフォークグループやってた知人たちの影響で、作曲だけなら数曲頑張ってみたことがありますが、なかなか難しいですね。

ちょっとしたフレーズを思いつくだけなら、比較的簡単です。でも1フレーズだけでは曲にならないわけで。

複数のフレーズを組み合わせ、まとまったひとつの楽曲として「構成」する、ということができない。難しい。

フレーズを複数作るのはまあ可能ではあります。でも思いついたフレーズを片っ端からつなぎ合わせても意味ないし。

またなぜかサビっぽいフレーズばかり作ってしまうので、サビの次にサビが来て、何だか味噌ラーメン食べた後にとんこつラーメン食べて、また味噌ラーメン食べた、みたいな曲になってしまう(笑)。

noteを始めて、小説の創作も試みましたが、あれこれ小手先で小道具や細かい展開は思いつくものの、全体的にまとまった「構想」「構築」が難しい。

学校の授業で描くのが苦手だったのも、「構図」が難しかったからかも。

noteの記事を書いていても、どんな「構成」にするか、いつも悩んでしまいます。今こうして書いている間にも、この記事をどうやってオチをつけて終わらせようかが決まらなくて困っています(笑)。

#創作 #作曲 #カノン #パッヘルベル #パッヘルベルのカノン  

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