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#25 意思決定の判断基準 決定回避      「ミルグラム効果」


ミルグラム実験(アイヒマン実験)

物事の信ぴょう性に関わらす、権威や肩書のある人の言うことを無条件で聴いてしまう、信じてしまう。

ミルグラム実験…アメリカ心理学者スタンレー・ミルグラムの行った「権威者の指示に従う人間心理状況の実験」を指す。アイヒマン実験(テスト)とも呼ばれる

東欧地域の数百万人のユダヤ人を絶滅収容所に輸送する責任者であったアドルフ・アイヒマンは、ドイツ敗戦後、南米アルゼンチンに逃亡して「リカルド・クレメント」の偽名を名乗り、自動車工場の主任としてひっそり暮らしていた。彼を追跡するイスラエル諜報機関が、クレメントは大物戦犯のアイヒマンであると判断した直接の証拠は、クレメントが妻との結婚記念日に、彼女に贈る花束を花屋で購入したことであった。その日付は、アイヒマンの結婚記念日と一致した。またイスラエルにおけるアイヒマン裁判の過程で描き出されたアイヒマンの人間像は人格異常者などではなく、真摯に「職務」に励む、一介の平凡で小心な公務員の姿だった。

https://ja.wikipedia.org/ミルグラム実験
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

戦争犯罪を実行したナチス戦犯たちは、そもそもが特殊な残酷な人間だったのか、それとも平凡な愛情を持つ普通の市民だったのか。一定の条件下ではだれでも残虐行為を犯し、悪魔の所業をやってのけるのだろうか?

それを実証するために行われたのが、ミルグラムの実験。詳細は上記Wikipediaに掲載されているのでご確認を。

一定の条件下では誰でも冷酷になれる

ミルグラム実験の結果、「残虐で冷酷な行為を行うのは、決して人格異常者のみではなく、一介の平凡で小心な市民でも、一定の条件下では極悪非道となる」ことが証明された。

この実験では、権威のある博士らしき男が感情を乱さずに、暴力行為を続けてほしいと、最初は依頼から、指示、最終的に命令に近い指示を出していく。被験者は戸惑いながら、躊躇しながら、最後は苦しみながらも、その暴力行為を続ける。
(この実験は「どっきり」で、被験者たちは実際に人を痛めつけていないのだけれど、それが原因でココロ壊した被験者もいたんだとか)

一般的で平凡な市民でも、権威のある人から命令されると断れない。「服従の心理」が働く。倫理的に問題があるとしても従わざるを得ない。

わたしたちの身の回りにもあるのでは?

普通の人が権威者の指示により当たり前のように残虐な行為に加担する。戦争もそうではないか?いじめの問題もそうではないか?関連してはいないだろうか?

Udemyでは「日本大学フェニックス反則タックル問題」を取り上げていた。思えばあれも心が痛い事件だ。2018年アメフトの定期戦で日本大学DLが関西学院大学QBに背後から激しいタックルをしかけ、無防備な選手を負傷させた。日大DLはプレイを続行したが、その後3度のファウルで退場した。
競技ではあったが、その後に映像がSNSでアップロードされたことを機に大きく注目を集めた。その際、日大監督が「攻めて戦わないと」「あれくらいやらないと勝てない」「やらせているわたしの責任」と話したこともあり、非難の声は大きくなる。

監督が指示をしたのか?

本当に明確な指示があったどうかは不明だが、少なくとも「危険タックルをしなければ許されないのではないか?」という圧力を感じていた選手。数日前の試合でのプレーの調子の悪さから練習をはずされ、「やる気がない」などの指摘をされ、日本代表への参加辞退を求められていた背景がある。
「相手のQBを1プレー目で潰せ」の指示を行動に移したのだという。

20歳になったばかりの普通の大学生。特殊な人物ではない。また、そういったプレッシャーの中に他のメンバーは存在していないか?彼だけか?

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/日本大学フェニックス反則タックル問題

もしかしたら、大好きな宝塚も?

私の大好きな宝塚、大きな問題でずっと揺れている。詳しいことはわからない。簡単に理解できる話でもない。ただ、みんな最初は「憧れの宝塚」で入団した女の子たちだったはず。

権威ある大人の振る舞いにより、大きく子どもたちの運命が変わるのなら、どんな世界でも、頂点にある人が間違いを犯さなければ、軌道を修正できれば、顧みる力をもっていれば、「服従の心理」は悪い方向にはいかないような気がするのだが。

わたしたちのすぐに身近に、いや自分の中にさえ、残酷とか冷酷とかの火種を抱えている。それは操作によりいつ大きくなるかはわからない。そして当事者は防ぎようがない。わたしだって、日大DLと同じように上司に詰められたら、理性を保てる自信はない。

そう思うと、本当にコワイ、「ミルグラム効果」である。

子どもの頃、「誰かに死ねって言われたら死ぬんかい?そうじゃないやろ?自分の意見をしっかり持って、悪いと思うことには加担してはダメ!強くなりなさい!」といわれて釈然としなかった思いがある。確かにお説ごもっともだけど、そうはいかないのが世の中なんだよね?
それを踏まえた上での効果的な説教って存在するのかな?

参考:Udemy はじめての行動経済学 丹羽亮介講師




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