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【増上寺】江戸城の「裏鬼門封じ」のために建てられた? #1 東京でひっそりスピリチュアル

明治神宮、増上寺、日枝神社、西新井大師、深大寺、大國魂神社、そして皇居……。神社仏閣を中心に、東京都内のスピリチュアルなおすすめスポットをまとめた、桜井識子さんの『東京でひっそりスピリチュアル』。神様とお話ができる桜井さんだから書けた、驚きの新事実が満載の本書から、代表的なスポットをいくつかご紹介します。

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東京タワーが間近にのぞめるお寺


さて、ここで鬼門についてです。鬼門は知識として知っています。陰陽道で、丑寅(北東)の方角は鬼が出入りする場所として、忌み嫌われてきました。鬼門と正反対の方角である未申(南西)も裏鬼門として、鬼門と同様に扱われてきたのです。

平安京の鬼門封じに比叡山延暦寺が建てられたということで、江戸城の鬼門封じに東叡山寛永寺が寛永2(1625)年に建てられました。神田明神も江戸城の鬼門封じとして、元和2(1616)年に移転させられています。そして、ここ増上寺は裏鬼門の守りだそうです。
 
調べてみると、幕府をひらく前に現在地に移転させられていて、江戸幕府がひらかれた2年後(1605年)に大造営が開始されています。
 
この経緯から、裏鬼門となっているのはたまたまかな? と思いました(個人的見解です)。天海僧正が鬼門封じをしたり、江戸城にパワーを注入したりするのはもう少しあとだからです。
 
鬼門の方角に寺社を置くと、なぜ鬼門封じになるのか? というのが、私の疑問でした。

鬼が神仏を怖がって、鬼門から入ってこないというのであれば、新しく建てたり移転させたりしなくても、すでにある神社仏閣で十分だと思います。鬼門の方角といっても、範囲はものすごく広いので、寺社はいくつもあるわけです。
 
けれど、鬼門封じとしてわざわざ特別に置くということは、鬼門封じの術か何かを、そのお寺、もしくは仏様に特別にかけるのかな? と考えてみたりもしました。その呪術パワーで鬼門を押さえるというか、鬼門を封じるというか、鬼門を消すのかもしれません。
 
実際に何がどのように作用しているのか、そこを知りたいと思いました。

人間の信仰心が鬼門を跳ね返す


阿弥陀さんの説明によれば、鬼門は人間の「信仰心」で閉じることができるそうです。

「えええーっ!」と、考えてもみなかった答えにビックリしました。鬼門に置かれた神社仏閣の神様、仏様を信仰する人がたくさん集まることで、鬼門を消すと言うのです。それで大きい寺院や、人気がある寺社を鬼門にもってくるそうです。
 
この前年に私はたまたま、人間の信仰心には巨大なパワーがあるということを学びました。ですから、この説明も仕組みはすんなりと理解することができました。
 
信仰を持った人々がたくさん神社仏閣に来れば、神仏を敬い慕う気持ちがそこにいっぱい貯まります。常にその場に、その思いと言いますか、よい念がたっぷりとあるわけです。その清らかでピュアな、波動の高い信仰心の集まり(塊)が「魔」を寄せつけず、跳ね返すのです。
 
つまり、お寺を置いたからといって、そのお寺が鬼門封じとなるわけではなかったのですね。勉強になりました。
 
もしも、仏様のパワーで鬼門を封じるのだったら、お不動さんをもってくるのでは? と思っていました。

将門さん調伏のために、空海さんはお不動さんを使っています。唐に行く時の守りも波切不動でした。仏様のパワーで鬼門から入ってくる鬼を退治するのであれば、お不動さんを置くはずなのです。
 
けれど、ここのご本尊は阿弥陀さんです。それで、術をかけるのかなとか、仏様はどなたでもいいのかなとか、あれこれ考えていたのです。当時は、阿弥陀さんを信仰する人が多かったから、人をたくさん集めることができるお寺として選ばれたのでしょう。
 
信仰心が鬼門を封じる、ということで、神田明神をもってきたのも納得です。江戸は将門さんを信仰していた人が多かったからです。中途半端な神社をもってくるよりも、将門さんのほうが断然参拝客が多いと見込まれたのだと思います。
 
面白いですね~。この説明を聞いて、天海さんに興味が湧きました。3人の将軍に仕えたことが当然のように思われました。いつか、どこかでお会いして、いろいろなことについて詳しいお話を聞きたいです。

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