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時間が足りない人は、日常生活を「パターン化」してみよう

毎日、いっぱいいっぱいに働いているのに、成果が上がらない人。一方、定時で帰って休日も満喫しているのに、人並み以上の結果を残す人。1日24時間はみんな平等なのに、どこが違うのでしょうか? 答えは、ずばり「時間の使い方」。本田直之さんの『レバレッジ時間術』は、最小の時間で最大の成果を生み出すノウハウが満載の一冊。その中から、リモートワークでついダラダラしがちな人、必読のノウハウをいくつかご紹介しましょう。

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一日の「時間割」をつくってみる

生活をパターン化する、「時間割」をつくるなどと言うと、窮屈でつまらない、そんな堅苦しい発想でいい仕事ができるわけがない、と思う人もいるでしょう。

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しかし、それは大きな誤解です。

私が「時間割」をつくって「パターン化」した生活を提案するのは、それがラクで快適なスタイルだからです。

たとえば私は、夏は朝五時、冬は六時に起きます。長年そうなので、体が慣れてしまい、目覚まし時計がなくても、なんの苦もなく起きることができます。起きたらまず入浴&読書、次は朝食、次は……と、やることが決まっているので、頭も体も自動的に動いて、ムダな思考や行動が入る余地がありません

また、夜は人と会ってお酒を飲んでいることが多いのですが、朝が早い分、夜は早々に眠くなります。親しい知人などは、「眠そうだから帰ったら?」と解放してくれます。

ときには楽しくて二次会、三次会とつき合い、深夜に帰宅することもないわけではありませんが、それでも翌朝五時半ごろには目が覚めてしまいます。そのまま起きてしまうと、さすがにその日は睡眠不足で調子が悪い。かといって起床時間をずらすと、入浴と読書の時間を削られてしまうので、それがストレスになります。

結局、夜は遅くとも一二時には就寝できる時間に帰宅するのが、自分にとって最も快適なペースだと体で分かっているので、無理をしなくても切り上げることができます。

食事の時間も同様です。朝食は七時ごろにとらないと力が入らないし、昼は一一時半(なぜ一二時ではないのかは後で触れます)に食べないと気持ちが悪い。そして夜の会食は七時からです。

食事には、単に空腹を満たすだけでなく、リラックスしたり、脳を休ませたりという意味もあります。それを一日のスケジュールの中でパターン化することで、頭と体のリズムを保つことができます。

逆に毎日毎日「今日は何時に起きよう」「何時に食事をしよう」「何時に家を出よう」などと考えて行動するのでは、それだけで時間のロスです。また、睡眠や食事の時間が日によってバラバラでは、心身のリズムが狂いやすく、疲労の原因になります。

また、自分をストイックに律することができる人ならともかく、私も含めてそうでない多くの人は、パターンを決めておかないと、急に時間が空いてもすることが思いつかず、結局テレビをダラダラ見て過ごしてしまう、ということになりかねません。

「パターン化」で集中力も高まる

一日の時間割をつくることにはさらに大きなメリットがあります。

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それは、一つ一つの行動に時間の枠を設けることで、その枠内で完結させようというモチベーションが強く働くことです。限られた時間の中で一定の成果を上げるために、やる必要のないムダなことが排除されるので、時間密度がぐっと高まります。

また、毎日決まった時間に始め、決まった時間に終わらせるとは、その行動が習慣化されているということですが、習慣化により集中力が高まることは、脳科学でも実証されています

たとえば、『海馬』(新潮文庫)、『進化しすぎた脳』(講談社ブルーバックス)などのベストセラーを書かれている東京大学大学院講師の池谷裕二さんは、以下のように述べています。

ルーティンワーク化するということは、無意識化するということ。無意識の記憶を司る線条体が関与していると考えられます。繰り返すことで体が覚える。無意識だから苦にならない。そういう状態を一般的には、「集中している」と呼んでいるのです。(「プレジデント」二〇〇七年四月一六日号)

ここで池谷さんは、私が言う「パターン化」「習慣化」とほとんど同じ意味で、「ルーティンワーク化」と言っています

もっとも大人の「時間割」は、学校時代と違って、そのとおりに動かなくても、誰も注意する人はいません。三日坊主に終わらせないための、何らかの「仕組み」が必要になります。

また、睡眠や食事の時間は自分で体に覚えこませることができても、仕事には、急に資料を揃えなければならなくなったり、打ち合わせが長引いたりするなど、自分でコントロールできない突発的な出来事がつきものです。

決めておいた時間までに終わりそうにないから、ちょっと居残りしてやっていこうかなという誘惑に駆られることもあるでしょう。時間割を乱すタネには事欠きません。

このとき、私の強力な「縛り」になっているのが、夜の会食のアポイントメントなのです。仕事であれプライベートであれ、人との約束は基本的にずらせません。○時に○○で会うと決まっていれば、それまでに何としてでも、自分の仕事の片をつけなければなりません。

逆に、どんどん約束を入れていけば、イヤでもそのタイムリミットに合わせて動かざるを得ないということになります。日本にいる間、可能なかぎり夜の会食のアポイントメントを入れるのは、それ自体がビジネスであり自己投資であるとともに、「時間割」を守って時間密度を高めるための「仕組み」でもあるのです。

本田直之さんnote「HONDA Lab.」
https://note.com/hondalab

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