1 損害賠償請求訴訟について

突然ですが、「AはBだ」と主張したいときってどうしますか?原則的には「Aは〇〇だからBだ」というようにAとBを紐づける根拠を添えます。

例えば、「あいつ(A)はバカだ(B)」と主張するときは、「あいつ(A)はネットリテラシーがなくて承認欲求を満たすために自分の個人情報を自らSNSに晒すからバカだ(B)。」といった具合です。

一方で、根拠を示さず「あいつはバカだ!」とひたすら唱えても説得力に欠けます。たとえ根拠を示しても言葉遣いや文法を誤るとアホが書いた文章だと思われて発言内容の信憑性が著しく下がります。

さらに、根拠には一定の精度が求められます。誤解を生まないよう具体的かつ明確に示します。少しでも論理矛盾が生じるとアウトです。なお、言いたいことを脈略なく並べ、似たような文を繰り返し、ダラダラ主張するのは避けてください。要領を得ないし文章として見にくい(醜い)です。

こうしたアホな主張をしても直ちに罰せられないのは日本国憲法第21条で言論の自由が保証されているからでしょう。

しかし、SNSにおいて根拠がないことを決めつけで発言したり虚偽の情報を流布したりすると被害者から訴えられることがあります。いわゆる信用毀損罪です。

とはいえ、何と言っても、SNSで最も多いのは誹謗中傷による損害賠償請求です。金額については裁判で決めます。被害者が加害者を訴えることで裁判が始まります。

一般的に、Twitterの場合は被害者側が証拠を基にX社に開示請求を申し立て、加害者の個人情報を取得し、弁護士等を代理人に立てて訴訟を起こします。なお、通常は開示以外で加害者の個人情報を知る術はありません。

つまり、
①被害者が証拠を保全し
②被害者が加害者を特定すれば
たとえ加害者がアカウントを消しても
損害賠償請求訴訟を提起できます。

あとは、被害者が弁護士等と訴訟に向けて手続きを着々と進めるだけです。書類が受理されて数日後に加害者の自宅へ内容証明郵便が届きます。噂によると、急なお手紙に混乱してサインが震えるそうです。

以上より、SNSへの投稿には細心の注意を払う必要があります。後戻りはできません。何を言うのも自由だからと好き勝手に投稿していると取り返しがつかないことになります。もう手遅れかもしれませんが

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