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日本で初めて開催された世界銀行主催の国際会議の様子を報告 by 原裕太(GEN世話人、東北大学助教)

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 自然災害や気候変動等の「リスク」に焦点を当てた世界銀行主催の国際会議が、今年6月に姫路市で開催されました。その様子を参加者の一人として簡単にご紹介します。
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https://understandrisk.org/event/ur24/

 今年6月16日~21日、自然災害や気候変動等の「リスク」に焦点を当てた世界銀行主催の国際会議「Understanding Risk Global Forum:UR」の第8回が姫路市で開催されました(タイトル画像)。2010年以降(第1回:米国ワシントンDC)、2年に一度開催され、日本での開催は初めてでした。来年、阪神・淡路大震災から30年を迎える関西での開催でしたので、足を運ばれた方もいらっしゃったかもしれません。私はこの会議に研究者の一人として参加し、セッションの開催にも関わりました。今回はこの会議の様子をお伝えします。

 公式サイトによると、参加者は135か国・約1,700人に上りました。会場では62のセッションが開催され、展示ブースも設けられました。開会式前日にはシンポジウムがメインホールで開かれ、多数の市民の方が来場されていました。シンポジウムでは、テレビでもおなじみの城郭考古学者・千田嘉博氏らが登壇され、地震被害を受けた熊本城の修復、姫路での左官技術の伝承・育成事業をはじめ、文化財の保護と修復をめぐる技術的、社会的、政策的動向について話題提供がありました。また開会式では、世界の紛争地・被災地の支援に長年取り組まれてきた建築家の坂茂氏が登壇し、多くの人が熱心に聞き入っていました。

 セッションは、学校現場での防災教育、生態系の活用、太平洋島嶼国をめぐる課題の解決、NASAの人工衛星開発等、多岐に渡りました。大手食品会社と日本栄養士会、自衛官らによる「災害と食」に焦点を当てたランチセミナー、各国市長の円卓会議等もありました。私が関与した東北大学のセッションでは、2030年までの防災分野の国際目標であり、SDGsを構成する「仙台防災枠組」に関して、数値目標を達成するための各行政機関での統計の整備、収集、政策評価について議論しました。

 展示会場では、日本からは大手開発コンサルティング会社、人工衛星のベンチャー企業、UR都市機構(旧住宅公団)、被災地の高等学校、病院等がブースを出していました。外資では米国の世界最大手GIS(地理情報システム)会社や中国系SNS等がみられました。

 ただ総じて、海外の関係者が多くを占めていた印象があります。世界銀行も国連システムの一員ですので、会議の参加費は無料でしたが、日本の市民の参加は限定的だったと感じました。我々GENを含めて市民も国際的な議論の動向を注視し、自らの強みを活かして積極的に関与していくことが重要だと思います。


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