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日本人と一緒に戦う環境をプラスにかえる秘訣

僕にとってはドイツに来てから7年目のシーズンがまもなくはじまるが、頼もしい相棒が加わった。室屋成だ。

すでに一部の報道でも出ているように、コチャック監督から呼ばれて、獲得に興味を示していた段階で成の特長について聞かれた。

「彼はチームを助けられるサイドバックです。アップダウンを繰り返せる走力があります。そういうところは僕以上に強いくらいだと想いますよ」

ハードワークを求める監督のサッカーに成のスタイルがマッチすると思うからそう答えた。まだ、成とゆっくり話したわけではないが、移籍が決まったときにこう伝えた。

「監督にも良い選手だと伝えちゃったから、活躍してくれないと俺が叱られるわ。ちゃんと頑張ってね」

そんな風に伝えると、成からはこう帰ってきた。

「マジっすか……気合い入れていきます!」

そんな気持ちの良い返し方ができるのが成だ。そういう性格は海外でプレーするときにも活きてくると思う。

実は、僕にとって日本人選手とチームメイトになるのは、これが4回目になる。

2014-15シーズンにヘルタ・ベルリンで細貝萌さんと、2017-18シーズンにフォルトゥナ・デュッセルドルフで宇佐美貴史と、2018-19シーズンにはハノーファーで浅野拓磨とチームメイトとして戦った。

一緒に戦った期間は過去の6年のうち2年半だから、そこまで長いわけではない。でも、色々な選手と同じチームで過ごした経験があるからこそ、一緒にやることのメリットや、海外のチームに日本人が複数いるときに気をつけるべきことがわかる。

これまで日本人と一緒にやってきた経験から感じること、これからの成との関係や彼の可能性などについて、今回はとまとめていきたい。

過去の例をみると、宇佐美や浅野とチームメイトになったときには、彼らはすでにドイツのクラブでプレーした経験が2年以上あった。だから、ドイツ語にも、海外のクラブでプレーすることにも慣れていた。どちらかが特別に気を使ったり、助けたりする必要もなかった。

一方で、2014年のヘルタでは、僕にとっては初めての海外移籍だったのに対して、ハジくんと呼ばせてもらっている細貝さんはすでに5シーズン目を迎えていた。今回の僕と成の関係に近いかもしれない。

当時を振り返ると、やはり、ハジくんがいてくれて意味はすごく大きかったなと感じる。本当に色々な場面で助けられた。

まず挙げるのは、ハジくんが当時のヘルタで築いていたものについて。

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