限界読書

知的独立者を目指す30代の越境的読書実践記録。戦略/問題解決×哲学/言語が個人のテーマ…

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知的独立者を目指す30代の越境的読書実践記録。戦略/問題解決×哲学/言語が個人のテーマ。Amazonのアソシエイトとして、限界読書は適格販売により収入を得ています。

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限界読書の説明

今さらながら、このnoteの説明です。 noteのテーマ、目的2つのテーマがあります。1つは「読書と実践の往復」です。読書や実践(仕事や生活、他者との議論など)から得た学びや気づきをアウトプットする場がこのnoteです。読書が実践に最も役立つという思想を持っていますので、このテーマを掲げています。 もう1つは「越境的読書」です。私は1つの専門領域を決めて深掘りしていくことよりも、自分で独自のテーマを決めて領域横断的に思考を深めていくことに関心があります。例えば私は人文書を

    • 世界最高の経営思想家:ヘンリー・ミンツバーグ

      経営学者による本や論文のうち、私が抜群に面白いと感じ、また信頼を置いているのはヘンリー・ミンツバーグ氏のものである。ミンツバーグ氏の論考の面白さは3つに集約される。 ①経営の実践と、そこに根差すアート的側面を重視する一番はこれだ。以下の動画では、ミンツバーグ氏がインタビューに答える形で「マネジメントは実践であり、よく想像されるような計画的なものではない」という旨を語っているので、見てみてほしい。「マネジメントは科学や専門職ではなく、実践です。実践は根本的に変わりません。何を

      • 知的機動力の本質 アメリカ海兵隊の組織論的研究(著:野中郁次郎、中公文庫)

        アメリカ海兵隊という組織の独自性と複雑性に切り込み、組織全体として暗黙知を取り込み無限の自己革新を実現し続ける「知的機動力モデル」の観点から説明した名著。 海兵隊の最大の特徴:暗黙知を重視し、取り込み、活かす本書で示されている海兵隊の最大の特徴は、暗黙知を重視した組織設計と改善プロセスが内在している点だ。 「暗黙知を大切にするということは、人間の主体的な信念、価値観、感性、ひらめきを重視するということ」であり、「海兵隊は戦争のアートは科学を包括するとしている」と本書では説

        • フォロワー数、アクセス数、読まれた記事(2024年9月29日時点)

          フォロワー数、アクセス数、読まれた記事を記録しておきます。 フォロワー数9月29日の夜時点で176名の方にフォローいただいています。8月29日時点で158名でしたので、1ヶ月で18名増です。フォローいただいている方、ありがとうございます。 7−8月は1日1名の方にフォローいただいていたのでペースは鈍化しているのですが、続けていれば調子の良い時もそうではない時もあると思いますので、淡々と毎日更新していこうと考えています。 ただし、もっと多くの方に読んでいただけるように、読

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          「20代までに生まれた差は取り返せない」という説について考える

          「20代までに生まれた差は取り返せない」という説をたまに耳にする。ネット上で影響力のある人が言っていることもあるし(例を挙げるためにググってみると、一番最初に西野亮廣氏の記事が出てきた)、実社会においても同じようなことを口にしている人を見たことがある。 私は、この説は絶対的に正しいとは思っていないものの、30代以降に差を取り返すには想像以上の労力を要するため、20代までに差を付けられた方がその後ラクではあると考えている。 しかし、本質的には年齢だけがネックになるわけではな

          「20代までに生まれた差は取り返せない」という説について考える

          信頼残高とパフォーマンスの関係性

          信頼残高とは何か「信頼残高」という概念を広めたスティーブン・R・コヴィー博士が共同設立者であるフランクリン・コヴィー社のブログから、その定義を引こう。 つまり、銀行残高のように他者に信頼されれば残高が増えてどんどんプラスが重なり、反対に信頼を失うもしくは過去の信頼をベースにお願いを聞いてもらったりすれば残高が減っていく、という考え方である。 信頼残高は「平時に貯め、有事に使う」信頼残高の特徴は、自動的に増減するだけではなく、プラスの場合には「引き出す」ことができる点にある

          信頼残高とパフォーマンスの関係性

          データ偏重型の企業理解から解放されるべき

          東京を知りたいという人に何を語るかもしあなたが東京に住んでいるとして、東京を一度も訪れたことがない人から「東京について知りたいので教えてほしい」と言われたら、どうするだろうか。 東京のなかで自分が知っている代表的な街について話すかもしれない。歴史に詳しい人なら、東京という街がどのように形成されてきたのかを話すかもしれないし、東京の中でいくつかの場所に住んだことがある人なら、地域ごとの違いについて話すかもしれない。会話している2人の関心事が交通事情なら、電車や地下鉄、道路網に

          データ偏重型の企業理解から解放されるべき

          1つの経験から多くの学びを引き出せるかどうかが長期的な成長率を決める

          ある人が、短期ではなく5年や10年のスパンで見たときに成長できるかどうかを分ける重要な要素として、「1つの経験から多くの学びを引き出せるかどうか」というものがある。示唆抽出力とでも言える力だ。 成長=学びの累積まず、成長とは何かを考えみると、それは「学びの蓄積である」と言える。単に年齢を重ねても成長しない理由はここにある。経験を積んでも、そこから学びを抽出できていないと成長にはつながらない。 学び=経験×示唆抽出率それでは、学びとは何か。ここでは、学び=経験×示唆抽出率と

          1つの経験から多くの学びを引き出せるかどうかが長期的な成長率を決める

          Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である(著:ジム・バンデハイ、マイク・アレン、ロイ・シュウォーツ、訳:須川 綾子、ダイヤモンド社)

          2017年に設立された新興メディアにもかかわらず、既に670万人もの定期購読者を有する「アクシオス」の共同設立者が、同社が発信するニュースの特徴である「簡潔に価値ある情報を読者に届ける文章」の強みとポイントについて説明している本。 アクシオスとはどんなメディアか残念ながら日本語サイトはないようだが、英語サイト(https://www.axios.com/)を見るとすぐにその簡潔さに気づく。 トップページには、読者が読むべきトピックが5つに絞られて示されている。 そして、

          Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である(著:ジム・バンデハイ、マイク・アレン、ロイ・シュウォーツ、訳:須川 綾子、ダイヤモンド社)

          変革時にはデータよりも直感が頼りになる

          前回の記事でも触れたように、変革とは既存のシステムが通用しなくなった時に、新しいシステムへと再構築することである。 この変革時には、データというものが役に立たないことが多い。ここでポイントとなるのは、データはヒストリカルなものであるということだ。過去の延長線上にある線形的な変化は予想できるが、非線形的な変化は予想できない。つまり、新しいシステムで発生する事象は、既存のシステムで蓄積されたデータから予測し得ない。 リーマンショックが発生した直後、2009年のWorld Ec

          変革時にはデータよりも直感が頼りになる

          リーダーシップ論(著:ジョン P. コッター、訳:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部、黒田 由貴子、有賀 裕子、ダイヤモンド社)

          33歳(当時の史上最年少記録)でハーバードビジネススクールのテニュアを獲得したコッター氏がハーバードビジネスレビューに発表した論文を収録した本。 本書の最も重要な主張:リーダーシップとは変革を起こす力である本書を読んでまず何を頭に叩き込まないといけないかというと、「リーダーシップ=変革を起こす力」。これである。 リーダーシップという言葉はよく使われるが語義が曖昧で、使う人によって意味していることが大きく異なる。他人をぐいぐいと引っ張っていく牽引力を持つ人、圧倒的な行動力で

          リーダーシップ論(著:ジョン P. コッター、訳:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部、黒田 由貴子、有賀 裕子、ダイヤモンド社)

          100日連続でnoteの記事を書いて見えてきたこと

          5月頃から100日以上連続でnoteの記事を毎日投稿している。私はインプット偏重型という自覚があるので、強制的にアウトプットする仕組みとしてnoteを毎日投稿することとした。実践してみて、アウトプットを毎日することではじめて見えてきたことがいくつかあったのでまとめておきたい。 何でもアウトプットに繋げようとアンテナを立てるようになるアウトプットを毎日していると、そのアウトプットのためのネタをどこかで見つけようとしてアンテナを立てるようになった。 毎日何か書いていると、最初

          100日連続でnoteの記事を書いて見えてきたこと

          AI時代において問題解決力がますます重要になる理由

          今後、次の2つの理由により問題解決力がますます重要になる。個人、組織とも、変革を求められるスピードが早まっている 変革が必要ないフェーズでは、人間に対するAI・データの優位性が高まっている 理由1の詳述①変革フェーズでは真の問題解決力が必要になる 問題解決と言われるものには2種類あり、2つ目のタイプにおいて真の問題解決力が求められる。 過去の経験やデータを当てはめて問題解決する(既存の継続) 未知の状況下で問題自体を特定した上で解決方法を考えていく(変革の実現)

          AI時代において問題解決力がますます重要になる理由

          生産性を高めるためのTips:「やりたくない」という負の感情を正に変換する

          「やりたいこと」を決めるのではなく、「やりたくないこと、やらないこと」を決めることのほうが重要であり、かつやるべきことが明確になりやすい。 生産性は選択から全てが始まる。これは以前紹介したエッセンシャル思考で得られる重要な示唆であり、つまり「大量のノイズ」から「ごく一部の非常に重要なこと」を「選び取る」ということが高い生産性に繋がるということ。 しかし、いきなり「選び取る」ことは難しい。選別する眼が育っていないからである。 ところが、「やりたくないこと」は多くの人が持て

          生産性を高めるためのTips:「やりたくない」という負の感情を正に変換する

          生産性を高めるためのTips:「あえて時間をかけている」と胸を張って言えることだけに時間を使う

          過去2回、生産性に関する記事を書きました。生産性向上のためにできることとして、個人的なTipsをご紹介します。 生産性を高めたいと思った時に重要なのは、 ・「あえて〇〇している」と胸を張って言えることだけに時間を使う ・それ以外のことは、やめるか、どうしてもやらなければならないことはなるべく時間をかけない方法で済ませる ということです。 「メールのレスの速さ」や「パワーポイントのショートカット」というような「生産性ハック」的な細かなTipsから始めるのは悪手です。確かに、

          生産性を高めるためのTips:「あえて時間をかけている」と胸を張って言えることだけに時間を使う

          生産性を高めたい人が読むべき個人的決定版5冊

          前回、生産性の重要性について簡単にまとめました。 私は生産性に強いこだわりを持っていまして、それはよりゆとりをもって、楽しく暮らすために生産性を高めようと考えているからなのですが、それ故、生産性向上に繋がりそうな本は手に取って色々と読んできました。 色々と読んできたのですが、結局よく読み返すのは5冊に集約されており、この5冊に書いてあることを理解して実践できれば(実践できることが大事)、生産性を常に高めていけるPDCAを自分の中に定着させることができている状態になると思い

          生産性を高めたい人が読むべき個人的決定版5冊