(3)具体的にどのような支援か
今の自分にできること
自分は大学院を修了したとはいえ,まだ資格を持っていません。なので公認心理師・臨床心理士として活動することはできず,うつ病や不安を治療するといった行為には責任は持てません。名称独占資格なので行為をすること自体は問題はないのでしょうけど,職業倫理に反しているとは思います。なのでこの支援は,治療行為ではなく,人生の物語の編集や共同執筆と言えるようなものなのかもしれません。
(1)それまでのストーリーを聴く
まずはその人のそれまでのストーリーをそのまま理解します。悲しい物語なら悲しいままに,その人が認識しているそのままの物語を聴きます。そもそも物語としてそれまでの人生を語れないよという人には具体的な出来事とそれに伴うその人の感情や意義付けを一つ一つ聴いていきます。
(2)これからのストーリーを聴く
次に今のその人が想像する未来の物語を聴いていきます。10年後や20年後にどうなっていると思うかを同じように聴いていきます。これは具体的でも抽象的でもいいし,あってもなくてもいいです。
(3)これからのストーリーを作る
ここからストーリーを作っていく作業になります。その人の理想とする人生の物語を聴いていきます。職業でもいいし,成し遂げたいことでもいいし,誰かと幸せに暮らしたいでもいいです。全然具体的じゃなくても,こうはなりたくないとかでもいいです。
(4)全体のストーリーを読み替える
明らかになったその人のそれまで人生の物語とその先の理想とする人生の物語をつなげていきます。それまでの人生を前向きで意義のあるストーリーに,理想とする人生の物語と繋がるように読み替えていきます。失敗や悲しい出来事,恥ずかしい出来事も全てが人生を豊かにするスパイスだと思えるようになるといいですね。「こう考え直してみましょう」と言って一つ一つの出来事に対処していくのではなく,大きなストーリーの一部としてどんな意味を持っているのかを考えていきます。僕は自分の人生をコメディだと思っていますが,ラブストーリーでもヒューマンドラマでもロードムービーでも歴史スペクタクルでも,その人の理想とするストーリーでいいです。その際には,その人がそれまでに感動した小説やマンガ,映画などが役に立つかもしれません。
(5)誰かに共有する
物語が出来上がったら一旦執筆作業は終了して,誰か他の人に聴かせてみてもいいかもしれません。宗教や会社など提供されるタイプの物語は全て,他の人と共有できる物語であるという特徴を持つからこそ維持されるのだと思います。ここで作った物語も,誰かに話すことで自信になるかもしれないし,相手の反応次第では少し修正したくなるかもしれません。そうなったらまた追加で相談に乗りたいと思います。
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