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まだ間に合う2022なでしこリーグ観戦のススメ

6月になりました。
2021年秋、否定的な声も多い中で秋春制でのスタートを切った、女子プロサッカーリーグのWEリーグ。
最初のシーズンが終わり、引退・退団・移籍が発表される中、このタイミングでは高校生や大学生は加入無理だよなあ何なんすか一体と思いながら、オフ期間の悲喜こもごもを感じています。

ただ、女子サッカーはWEリーグだけではありません。
2020年シーズンまで最高峰のリーグだった「なでしこリーグ」は、今も続いています。この頃のなでしこリーグはプロアマ混在(INACは全員プロ契約だった気がする)で、今のなでしこリーグもプロ契約はいた記憶があります。なので、プロ契約の割合の違いとも言えますし、ほとんどの選手が仕事をしながら練習、週末の試合に臨む旧来の形を踏襲しているので、試合会場に職場の同僚が来ていたり、就職先を通じてより地域に馴染んでいたりもします。
そして、馴染み深い春秋制(というかJリーグはじめWEリーグ以外の国内サッカーは今もほぼ全て春秋制)で行われているなでしこリーグは、6月下旬の今、折り返しを過ぎて各チームの具体的な着地点が見え始めてきたところです。「シーズン途中から見てもねえ」という考えもありますが、むしろここからオイシイところ、優勝争いに直結する試合や残留争いのサバイバルゲームなど、より重い意味を持つ試合が多くなり、各チームの真剣度も増してきます(中位確定するとだらける試合もありますが笑)。また、絶好調のチームや選手に注目したり、絶不調のチームや選手を意図的に選んで応援することも出来ます。開幕時の1部展望は前のブログでやってたので、ご興味のある方は読んでみてください笑

WEリーグと比べて規模が小さい分、牧歌的な雰囲気のスタジアムや、メンバー外の選手や育成年代の選手が運営の一翼を担うアットホームな雰囲気もあります。特に閑散としているアウェー席はソーシャルディスタンスも取り放題。アウェー席でゆっくり試合を見るのも一興。実は楽しみ方の幅は広いかもしれない「なでしこリーグ」。現在の状況と見所を紹介します。
(以下、記事公開時の状況です)

2022なでしこリーグ1部

現在の1部の状況

1部順位表

1部には12チームが所属しています。昨年は伊賀が優勝、世田谷が準優勝、セレッソが3位。今の順位は試合消化数が違うのですが、3強は昨年と変わっていないという見方も出来ます。
前年所属していた11チームに加え、入替戦で昇格したバニーズ群馬FCホワイトスターが参戦しました。その群馬は中位グループとなかなかの健闘。

1部勝敗表

現在、全22節の内14節(開催延期が3試合あり、これは7月と9月に行われる予定)が終了しています。第15節を7月初めに行った後中断期間に入り、9月に4試合、10月に3試合。その後に入替戦など。
3強は安定している中、セレッソが無敗だったのにここ3試合で2敗。下位ではスタートダッシュに失敗したハリマと日体大が中盤以降驚異的な強さを見せたり、勝ちに見放されていた大阪が14節にしてようやく初勝利を挙げるなど、順位の並び通りではないチーム状態も見えてきます。

1部の注目チーム

上位ばかりだとつまらないので、中位~下位でピックアップ。
【ASハリマアルビオン】
私は群馬の試合を現地観戦することが多いのですが、7節のハリマ(1-1)を前橋で観た時「なんでこのチームが未勝利なんだろう?」と思うくらい、攻撃の圧を感じるチームでした。8節からは5勝1分け1敗ですっかり台風の目に。得点ランク(10位タイが4得点で、13人がランクイン)に3選手入っているのはハリマとセレッソだけです。
【日体大SMG横浜】
ハリマと同じく、突然調子を上げた(8節以降5勝2敗)日体大。毎年、最高学年の卒業によるメンバー入れ替わり、教育実習による選手離脱など大学チーム故のハンデも多く、序盤は最下位。しかし守備の踏ん張りが効き出すと全て1-0で4連勝。そして14節には試合終盤のカウンターからCB富岡選手の劇的なゴールでセレッソから勝利。
【アンジュヴィオレ広島】
昨年は11位ながら、2部で昇格資格がないアカデミー優勝の恩恵で入替戦には出場せずに済んだ広島。今年は開幕戦でセレッソと0-1接戦、4節で2勝2敗とまずまずのスタートと思いきや5節以降勝利なく現在最下位。クラウドファンディングやファンサも充実しており頑張ってほしいが・・・。見た試合ではバックパスが多くて攻撃が機能していませんでした。

1部の注目選手

得点ランクトップタイ(8得点)の4選手、
大竹麻友選手(世田谷)
山田仁衣奈選手(名古屋)
小山史乃観 選手(セレッソ)
千葉園子選手 (ハリマ)
はいずれも注目。山田選手は昨年16試合出場5得点だったのが今年14試合出場8得点。千葉選手も昨年の6得点を上回る活躍。
6得点の兼重紗里選手(鴨川)は、得点した6試合でチームが全勝という、正にチームの浮沈を左右する存在。昨年から貧打に泣いていた鴨川だが、今年はロースコアでも勝ち点を稼げているのが大きいと思います。

2022なでしこリーグ2部

現在の2部の状況

2部順位表

2部には10チームが所属しています。前年所属していた7チームに加え、1部から大和シルフィード、入替戦からディアヴォロッソ広島とヴィアティン三重レディースが参戦しました。

2部勝敗表

現在、全18節の内13節(開催延期が2試合)が終了しています。7月に2試合を行い、9月下旬の再開から3試合を行います。

2部の注目チーム

【JFAアカデミー福島】
昨年は最終節手前の直接対決で首位群馬を5-0で粉砕し、勝ち点33で並び得失点差で優勝。今年も首位を堅持していますが、昨年同様優勝しても昇格は無さそう。
【静岡SSUボニータ】
昨年は3強を形成しながら、群馬との直接対決2ndラウンドに大敗し脱落した静岡。今年も1試合少ない現在でアカデミーと勝ち点3差と、十分に優勝を狙える位置。

2部の注目選手

板村真央選手(アカデミー)
現時点での得点ランクトップ(11得点)。昨年アカデミーの試合は2試合見たけど聞いた事ない名前・・・と思ってガイドブック見たら、何と今年新規登録された高校1年生。同じくアカデミーで昨年得点王だった松窪選手が何故か出場機会が限られる中、デビューシーズン得点王なるか。
濱本まりん選手(大和)
昨年、入替戦の末に降格が決まった時、試合後の挨拶で誓った通り、今年もプレーで大和を牽引。ランク2位の10得点と素晴らしい活躍を見せています。1年での1部返り咲きとなるか。

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