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女神の躍進

2022年11月12日、富士北麓公園陸上競技場(山梨県)を会場に、
2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第2節
FCふじざくら山梨vsヴィアマテラス宮崎
の試合が、13時キックオフで開催されました。

今回は、前置きを2つ置かせていただきます。
特にひとつめは長いので、興味がない方は目次からスキップしてください笑。


なでしこリーグ参入への狭き門

2022年の日本女子サッカーは、プロリーグとして独立した(と協会は言ってる)WEリーグが事実上のトップリーグで、アマチュアリーグの最高峰としてなでしこリーグ1部、その下になでしこリーグ2部があります。今回直接関係ないWEリーグは置いといて、なでしこリーグについて少し。

2022なでしこリーグ1部

2022なでしこリーグ1部は12チーム編成で行われ、別の記事でも書いた通り、スフィーダ世田谷FCの優勝で幕を閉じました。

2022優勝セレモニー

この順位とは別に大きな動きがあり、4位のセレッソ大阪堺レディースは23-24シーズンからのWEリーグ加入が正式承認され、来期はWEリーグで戦うことに。

といっても次のWEリーグ開幕まで半年以上。ひとつの国で春秋制と秋春制を併存させたことによる最初の被害者と言ってもいいでしょう。早くサッカー協会は会長を辞めさ(ry
そして、以前から経営難でクラウドファンディングなどを行っていたアンジュヴィオレ広島でしたが、刀折れ矢尽きて、チームの存続を断念することが8月に発表されました。

かなり早い段階での発表でしたが、2020年皇后杯敗退後に突如群馬との合流を宣言し事実上消滅したバニーズ京都に比べれば、サポーターにお別れの機会があったのは良かった(まだ皇后杯もあるし。あとバニーズは会員限定のイベントが最後にあった記事を見た記憶もあり、完全なゼロではなかったかも)と思います。序盤の2勝以降ずっと勝利から見放されていたアンジュヴィオレ広島も、最終戦手前のアウェー愛媛L戦で89分山岸選手のゴールという劇的な勝利で、サポーターと共に喜ぶことができました。

2022なでしこリーグ2部

で、アマチュアリーグとしては2部、WEリーグを含めた全体として見ると3部相当の「なでしこリーグ2部」。2022なでしこリーグ2部は10チーム編成で行われ、静岡SSUボニータの優勝で幕を閉じました。

例年だと、1部最下位が自動降格、1部11位と2部2位がプレーオフをH&Aで戦います(昨年のプレーオフの様子)。
しかし今年は1部から上記理由で2チームが脱退する影響で、1部からの降格やプレーオフは無く、2部から2チームが自動昇格となりました。
で、2位だったJFAアカデミー福島が昇格基準を満たしていない(昨年も話題になった)ので、優勝した静岡、そして3位の大和シルフィードが自動昇格。昨年降格した大和にとっては、自力ではないものの1年での1部返り咲きとなりました。

地域リーグと参入決定戦予選、参入決定戦

なでしこリーグ2部より下は、各地域にリーグ(北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国、四国、九州)が構成され、それぞれに1部、2部があります。
JFAの方針なのか、最近は育成年代主体のチームが地域リーグから離脱する傾向(関東のメニーナ、ジェフL_U18、レッズレディースユース。北信越のAC長野パルセイロシュヴェスターなど)が目立ちます。この結果、地域リーグを構成するのは①大学②なでしこリーグやWEリーグを目指すクラブ、この2種類が多くなりました。群馬FCホワイトスター(当時)が所属していた2019年には関東1部の試合を何試合か観戦しましたが、育成年代のチームが大学生や大人相手に立ち向かい経験値を積むというのも面白さのひとつで、これから飛躍するであろう選手も多く見られました。メニーナのMF大山選手やFW土方選手やMF松永選手、レッズユースのGK福田選手やFW島田選手は、今年行われたU世代の世界大会でも日本代表として活躍しました。ただ、この世代が独自にU18リーグ?に移行したことで、この楽しみは少なくなりました。
②に該当するクラブ(各地域1部でも2部でも)が参加申請し、1日1試合を3日(多い時は+1試合)連続で行う地獄の決戦が「なでしこリーグ2部入替戦予選大会」。例年参加は8チームで、今年は12チームが参加申請して4チームが審査落ちしたようです。まとめての発表はなく、各クラブからの発信ですが、南葛FCWINGSは芝生グラウンド、リリーウルフF石川は財政面で落とされたと明記しており、特に南葛の芝生については、発表後に話題となりました。

で、この予選を通過した3位まで(山梨、出雲、宮崎)+なでしこ2部10位の岡山の計4チームが、入替戦を総当たりで戦うことに。

このお知らせを読んで違和感を感じると思います。なぜなら、こういう告知に不可欠の「上位○チームがなでしこリーグ2部」が明記されていないからです。
実は、2022シーズンなでしこリーグ2部を4位で終えたディアヴォロッソ広島が、不穏な動きを見せているのです。

9月に全試合スタメンフル出場だった主力の池崎選手が、今治に移籍。
※リンク先は乗っ取られていますので踏まないように

10月に皇后杯本大会辞退が判明すると、リーグ戦終了後の11月、突如監督とほぼ全ての選手の引退・退団を発表。同時にHPは通販サイトにリンクされ、公式サイトが無い異例の事態になり、かろうじて残ったSNSも退団選手の情報は追わない旨を宣言。事実上のチーム凍結となっています。
ひろスポ!の記事だと全員となっていますが、内藤友花選手(2019年まで群馬に所属)の発表まだだと思うんですが・・・。
記事の最後には存続に向けて動いているとあるが、傍目から見ると無理そう。ディアヴォロッソ広島はここ数年で急激にのし上がってきた印象のあるクラブで(先に存在していたアンジュヴィオレの「天使」に対抗してのディアヴォロッソ「悪魔」というクラブ名という話も)、以前の公式HPがそうであったように、一企業の強烈なバックアップが強い印象もありました。こういうのを見てると、なでしこリーグが言う財政面の基準って何なんだろうと思いますが・・・。

とはいえ、1部に2チームが上がるので、この入替戦4チームで2位以内に入れば参入or残留はほぼ確実、3位はディアヴォロッソ広島の動向次第、みたいな感じだと思います。既に初戦を岡山湯郷Belleに6-0と大勝したヴィアマテラス宮崎と、ディオッサ出雲FCに1-0と競り勝った山梨。この日の直接対決で勝ち点3を積み上げた方が、参入をほぼ確定させる大一番となりました。

坂本理保という選手

2018年9月

ヴィアマテラス宮崎に所属する背番号21番の坂本理保選手は、特に長野サポにとって思い入れのある選手。
2015年に加入し、チームは2部優勝し1部昇格。翌2016年にチームは昇格初年度ながら3位、ホーム観客数トップと大躍進。坂本選手も守備の要として大活躍。この年から3シーズン、キャプテンも務めました。長野サポにとっては伝説の、0-2から大逆転したINAC戦でもキャプテンを務めていました。
特に2017年のホーム最終戦で行われたキャプテンの挨拶は、この選手が長野のキャプテンで本当に良かったと思わせてくれる素晴らしい挨拶でした。

2019年6月

2018年のシーズン終了後、GK望月選手(現大宮アルディージャVENTUS)と共に、当時なでしこリーグ2部のニッパツ横浜FCシーガルズに移籍。

2020年9月


2020年12月

コロナ禍の2020年、前年降格した長野はシーガルズと同じリーグとなり、坂本選手も長野Uスタジアムに相手チームのキャプテンとして帰還。更に皇后杯でも対戦(延長0-1でシーガルズが勝利)しました。

2021年のヴィアマテラス宮崎移籍後は、距離的に遠いのと主戦場が九州リーグなのもあり、なかなか応援には行かれない中、ユニ買ったりクラウドファンディングに参加したりで、陰ながら応援していました。

やっと試合当日の話

駐車場から競技場へ

午前中の仕事が終わり、地元を出発したのが11時30分頃。最速ルートで高速に入り、長野道→中央道経由で山梨へ。途中、少しの高速代をケチって一宮御坂ICで下りたのが失敗し、河口湖周辺で大渋滞。秋の紅葉シーズンで観光のマイカー凄かった😭。脇道なども駆使し、富士急ハイランド辺りは無事すり抜け、富士北麓公園の駐車場に辿り着いたのは後半開始直前。

スタグル

腹が減っては戦が出来ぬ
種類も充実

ここで慌てても仕方ないので、先ずはスタグル。忙しくて朝から何も食べてなかったんです。屋台やキッチンカーが7店舗?

凄いですね。カテゴリーで言えば関東2部(2022優勝)なんですが、大一番とはいえこれだけの店舗が。何処とは言いませんが、プロリーグの興行でスタグルが3店舗くらいしか出ない上に、一番高い席のメインスタンド周辺に1年以上店舗がないって残念なチームもありますけど。みかじめ料高過ぎるんじゃないっすかねー(大声)

オムそば

先ずは主食に、キッチンそらさんの「オムそば」。卵のふんわりした部分もあり、美味しくいただきました。

チキンステーキ

試合を見て、お茶を飲み、オムそばを食べ終わり笑、もうひとつ買ってきた、鉄のしっぽさんの「チキンステーキ」。甘いタレで千切りキャベツまで美味しくいただきました。

試合

フラッグ

土曜日の好天の下、行われた試合。メインスタンドの他にホームの山梨応援側はゴール裏芝生席もあり、かつての南長野のような光景がありました。

坂本理保選手も元気に先発フル出場。ヴィアマテラス宮崎での試合は初めて観戦できました。

試合は、私が観戦し始めた後半開始数分の時点で0-1とアウェーの宮崎がリード。更に60分、坂本選手の狙いすましたロングフィードを山梨のGKが処理しきれず。こぼれ球を詰めていた齊藤夕眞選手(こちらも元長野。長野→ちふれ→宮崎)が決めて宮崎に追加点。
その後は山梨が押し込む時間帯もありましたが、スコアは動かず0-2で試合終了。ヴィアマテラス宮崎がなでしこリーグ2部参入をほぼ決定的なものとしました。

試合終了後

試合後、宮崎は総監督や監督を胴上げ。
レギュレーションの関係で、山梨と湯郷(日曜日に大逆転勝利)に既に勝利している宮崎は、最終戦の出雲に負けてどちらかに勝ち点で並ばれても当該チーム同士の対戦結果が優先される為首位が確定(だと思う)。リーグからも公式に参入決定がアナウンスされました。

良く読むと「上位3チームがNL2部へ残留または参入の権利を得る」?
前にリンクを貼った「2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦日程決定のお知らせ」記事の時には規約の第3章から引用していたのに、今回第2章が出てきました笑。
既に来季のなでしこリーグ2部が10チームとアナウンスされている中、ここで「3チーム」という具体的な数字が出てきたということは、昇格する静岡と大和、そしてディアヴォロッソ広島が抜ける補充枠ということになりそうです・・・。サッカー専門メディアなり地元メディアなり、ディアヴォロッソ広島に何が起こったのか記事が出るとありがたいのですが、さてどうなるか。
※追記、その後ディアヴォロッソ広島の残留も発表
そして、連敗したディオッサ出雲FCが最終戦で宮崎に勝ったとしても、勝ち点で並んだ場合は当該チームの直接対決の結果が優先されるので、山梨と湯郷も3位以内が確定したと言えると思います。この辺は、最終戦前にリーグがまとめてくれる・・・はず笑

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