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個人的な経験が、実は社会的な問題だと気づいた私の話

このnoteは、「ジェンカレ」を修了したゼミ生たちのプログラム中とその後の活躍を紹介するインタビュー企画。

それぞれが日々感じる違和感を出発点に、ジェンダー平等社会の実現に向けて歩み続けるゼミ生たちのストーリーを紹介します。

【はなのプロフィール】
生まれは東京、育ちは埼玉の20歳。文学部(教職課程)3年でI LADY.ピア・アクティビストとしても活動中。家庭内暴力、未成年者と性に関する法律、SRHR、女性やマイノリティーの政治参加などに関心がある。


Q1. なぜ、ジェンカレゼミ生になろうと思ったのかを教えてください。

私がジェンカレゼミ生になろうと思った理由は、ジェンカレはジェンダーに関する問題を包括的に学べる場所であり、特にゼミ生は同じ関心をもった仲間と繋がりを得られることに魅力を感じたからです。

 私は、大学1年生の頃から参加している「I LADY.ピア・アクティビスト」という活動を通じて、同世代を中心とした対象にSexual and Reproductive Helth and Rights (SRHR)の啓発を行う中で、多くの人がジェンダーに関するモヤモヤを抱えていることに気づきました。しかし、ジェンダーに関するモヤモヤはときに人を孤独にさせるようにも感じます。性に関することを話してはいけないという風潮や、「男は~~、女は~~」といった偏見から、悩みをひとりで抱えたり、自分の権利を自分が認められなかったりすることがあり、モヤモヤを抱えていながらも、人と悩みを共有しにくいというジレンマがあるように思っていました。

そのジレンマは私自身にもあり、仲間と関心を共有しながら、ジェンダーが関わる問題を学習して、モヤモヤを言語化する能力を身につけたいと思い、ジェンダーを包括的に学べ、仲間を得られることに魅力を感じ、ジェンカレゼミ生になろうと思いました。

(I LADY.の活動)

Q2. ゼミ生になって良かったと思うことを教えてください。

ゼミ生になって良かったと思うことは二つあります。

一つは、尊敬する仲間たちに出会えたことです。
ゼミ生同士では、授業後のミニアクションで実施したことや課題を共有したのですが、そのたびに私は自分にない視点に気づかされました。例えば、私は一つの事象や先生の言葉に対してすぐに「確かに…」と短絡的に考えてしまっていたのですが、批判的に考える視点を持つ仲間と出会い、自分に足りないインプットや考え方に気づくことが出来ました
また、カリキュラム上のことだけでなく、気になるニュースを共有したり、休日に一緒に映画を観に行くなど、新たな刺激をくれる尊敬できる仲間と出会うことが出来ました。

もう一つは、メンターさんや事務局の方など、サポートしてくださる存在に恵まれたことです。
アクションプランを作成していると、煮詰まってしまったり、逃げたくなったりするときがあったのですが、メンターさんは親身になってMAPのアイディアを聴いてくれ、事務局の方はMAPの悩みを相談するきっかけをつくってくれるなど、多くのサポートを得ることが出来ました。
アクションを行う際に心強いサポートを得られ、どのようにアクションをしていけば良いか学ぶことができたことは、ゼミ生でなければ得られなかったことだと思います。

(ゼミ生有志でホワイトリボンランを走りました)

Q3. 学びになった、興味深かった講義やプログラムを教えてください。

全ての講義が学びの多いもので、特に一つに絞って書くことが難しく感じるのですが、私がジェンカレを通じて最も学びになったことをあげるなら「構造的に見ることの大切さ」を学んだことです。

ジェンカレでは、自分の興味のある課題に対し、MAP(My Action Plan)を作成していくのですが、その作成のために「システム思考」や「ロジックモデル」などの思考法を学び、課題のステークホルダーを整理していくことで、課題の背景にはどんな構造があるのかを考えることができるようになりました。講師の方からは、「エピソードベースではなく、エビデンスベースで」「要素ではなくその繋がりに注目する」と話してくださったことが特に印象的で、ただ傷を嘆くだけではなく、ステークホルダーやその理由を複数考え、構造的に物事を見ることが問題の解決に必要だということを学びました。

(ジェンカレの課題作成中の机上)

Q4. ジェンカレで作成したMAP(My Action Plan)について詳しく教えてください。なぜそのMAPにしたのかも教えてください。

私は支援が難しいDV・デートDVを支援につなげることが課題に感じ、盲目的なパートナーシップから抜け出すMAPを作成しました。

このテーマを選んだ理由は、DV・デートDVの構造がみられる関係性が実際に自分の周りにあり、自分自身もその関係のために自信がなくなったり、心を病むような時期があったためです。
実際にMAPを作成してみると、特にDVには自己肯定感や自己評価の低さとジェンダー容認感覚が両輪になるようにして依存的恋愛観が作られていく構造があり、自分を責めてしまう性質があるため支援に繋がらない状態にあることをMAP作成を通じて学ぶことが出来ました。
その学びを通じて、DVの構造に陥らないために、「暴力が暴力として認識される状態」を目指し、「相談のハードルを下げる」ことによって、当事者を孤立させないことを目指しました。

さらに、MAP作成を通じて、個人的な出来事だと思っていたことは、社会的な課題だということがわかり、被害・加害を通じて「自分や他人を責めてしまう」というマインドから、「これは社会的な課題なんだ」と思うことで、個人的な出来事も少し俯瞰して考えることができ、MAP作成の意欲に繋がりました。

(MAPの一部)

Q5. ジェンカレ中に取り組んだアクション(トライしたこと)を教えてください。

ジェンカレを通じて挑戦したことは、主にふたつあります。

1つは、イベントへ積極的に参加することです。
ジェンカレの仲間と交流するイベントのほかに、ジェンカレ生が見つけてきたジェンダー関連のイベントやデモなどに参加したのですが、中でも特に印象的だったのは、市川房枝記念会女性と政治センターに足をはこんだことです。
そこでは、なんと男女雇用機会均等法の成立に尽力した赤松良子さんをはじめとする、日本のジェンダー分野を推し進めた先達の方々に実際にお会いすることができました。大学のジェンダーについての講義で学んだ、日本の不平等を変えようとした方々を目の前にして、言葉がでなくなるような感動を抱きました。赤松良子さんらのような先達の血のにじむような努力のおかげで今があることに気づき、それと同時に、今を生きる人たちが抱いている生きづらさの根本には、まだまだ変えなければいけない日本の理不尽が残っていることにも意識を向けることが出来ました。
日本のジェンダーの歴史やこれまでの努力を学ぶことと同時に、現在の問題点についても敏感に感じ取り、少しづつ変えて行くことで平等に近づくのではないかと信じることができた時間でした。

市川房枝記念会女性と政治センターにて赤松良子さんら先達とゼミ生

また、ジェンカレを通じて挑戦したことの二点目は、ジェンカレで学んだことや気づいた課題意識を身の回りにシェアすることです。
私はジェンカレのMAP作成において、「DVの関係に陥らないためには?」というテーマに取り組んだため、私の身の回りでそうした関係で悩んでいる人を実際に想定しながら、ステークホルダーを考えていきました。
実際のDVの被害・加害について考える作業は、ときに辛い気持ちを抱くときもありましたが、思い切ってパートナーや、家族にMAP作成を通じて発見した被害・加害の悪循環などを話してみると、思いのほか調べたことなどを受け入れて聞いてもらうことができ、自信に繋がりました。ただ、実際に被害や加害の渦中にいる方に話すことはとても難しく、そのことから支援が届かないことや、DVに陥りかねない依存関係にある人をエンパワーすることへの壁を実際に体感する出来事もあり、大切な人とのパートナーシップを積極的に考えることの大切さを感じました

Q6. ジェンカレ終了後から現在までに取り組まれていること、取り組みたいと思っているアクションがあれば教えてください。

ジェンカレ終了後から現在にかけて取り組んでいることは、パートナーシップについて積極的に対話すること
そして、自分自身をエンパワーすることを忘れないことです。

MAP作成を通じて、大切な人とのパートナーシップを積極的に考えることの重要性に気づくことが出来ましたが、パートナーシップに「こうあるべきだ」という正解はなく、それぞれパートナーごとに異なるものでもあるように感じます。そのことから、自分にとって大切な人の喜ぶことや悲しむことを理解することが重要だと考え、心に抱えていることを話せる関係性を築く努力をして、自分や相手、家族が心地よい在り方ができるよう、積極的に対話することを心に決めました。

また、依存的な関係に陥らないためでなく、自分らしい人生を送るためにも、自分自身をエンパワーすることはとても大切だということに気づきました。「自分は今のままで充分、自分のことは自分で選ぶ」という意識を常に持ち続け、自分の敵ではなく、自分の一番の味方になれるような自分をつくっていきたいと考えています。

(ジェンカレ最終報告会での写真)

Q7. ジェンカレゼミ生になる前の自分、またはジェンカレ中の自分に声が届くとしたら、何を伝えるか教えてください。

ジェンカレにはたくさんの気づきと優しい人たちが待っています!
率先して交流して学びをチャージして、ときにはゼミ生や事務局の方に甘えながら存分に学びたいことを学んでください!

Q8. あなたが思うジェンカレの魅力を教えてください。

ひとりではなくみんなで学べるのがジェンカレの魅力です!
ジェンダー平等のために共に戦い、支え合えるホームがここにあります‼


3期目ゼミ生・聴講生募集中

現在ジェンカレでは、「ゼミ生(申込締切:2024年8月18日23時59分まで)」「聴講生」を募集しており、講義の詳細、及び募集要項は下記リンクよりご覧いただけます。https://gencollege.org/

また、ご参加に際し、以下の日程で説明会を開催します。
【オンライン説明会】
・8月11日(日)10:00-11:00, 質疑応答11:00〜(退出可能)
・8月11日(日)20:00-21:00, 質疑応答21:00〜(退出可能)
説明会申込フォーム:https://forms.gle/mT9gcuPF2cARozb67

ジェンカレに参加する方法は2パターン!

■ゼミ生
・学ぶだけで終わりにせず、ジェンダー平等の実現に向けて一歩踏み出すことができる
・講義だけでなく、合宿やメンタリング、じっくり深く学ぶためのゼミ生限定コンテンツなど、ジェンカレが提供するコンテンツを堪能できる
・対象年齢:15〜29歳
・その他:減免制度あり
・申込み:https://forms.gle/nANgrznrRMv9XiEu6
 ・応募締め切り:8月18日(日)23時59分まで

■聴講生
・ご自身の興味関心にあわせてお好きな講義(座学部分)を聴講できる
・年齢や居住場所に関係なく受講が可能です。
・カリキュラム:講義の一部(90分間)
・対象年齢:年齢制限なし
・申込み:https://gencourage2022.peatix.com/events (先着順のため、定員に達し次第終了)

特に30歳未満の方には、ゼミ生向けのカリキュラムが非常に充実しておりますので、ゼミ生をお勧めいたします!
ジェンダー平等の実現に向けて、共に学び、一歩踏み出しましょう!

最後までご覧いただきありがとうございます!
ジェンカレは、各分野のトップランナーの講義やワークショップを通じて、ジェンダーについて包括的かつ構造的に学び、受講生がジェンダー平等の実現に向けて行動することを目指すサードプレイスです。

\ まもなくジェンカレ3期募集開始予定! /
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ー 寄付のお願い ー
ジェンカレは全国でジェンダー平等の実現するための次世代リーダーを育成しており、各フィールドで活動を続けています。特に地域での取り組みとしては、受講生のうち5名が地方公共団体各種審議会委員に就任しています。
今後も全国でジェンダー平等の実現を目指す若者を育成するためにご支援いただけますと幸いです。

①寄付サイトより寄付:https://syncable.biz/associate/gencourage
②銀行振り込み:
銀行:かながわ信用金庫
支店:浦賀支店
口座番号:1267153
口座名義:一般社団法人GENCOURAGE

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